最近、散歩から遠ざかっていますが、先日、久しぶりに以前散歩していた熊取・長池公園の散歩コースに行ってきました。
すると、入口の広場に以前にはなかった「アカンサス」の花が見事に咲いていたのです。
そこで今日はアカンサスについてご紹介します。
「アカンサス」
「アカンサス」はキツネノマゴ科ハアザミ属の多年草で、原産地は地中海沿岸、トルコ、熱帯アフリカです。
地中海沿岸には約20種が分布し、ギリシアの国花になっています。
日本には明治時代末~大正時代に渡来したと言われています
・これが「アカンサス」です。
「葉」
アカンサスの葉は濃緑色で深く切れ込んで羽状、葉は先端がとがっていますがアザミのようにトゲはありません。
葉は薬用として日焼けや火傷に、根は下痢止めや止血などにも使われるようです。
・アカンサスの大きな葉と花で、古代ギリシャの建築や彫刻、壁画のモチーフになっています。
「コリント式建築のモチーフ」
アカンサスのアザミに似た大きな葉は、成長力の強さや形の美しさから古代ギリシャの建築や彫刻、壁画のモチーフとされています。
そして、アカンサスは古代ギリシャでは聖なる植物とされ、東洋のハスと同様に昔からおめでたい植物だったようです。
・これがギリシャ建築の柱頭に彫刻されているアカンサス模様です。(ウィキペディアより)
アカンサスの開花期は6月~9月、花穂は長さ60cmくらいで、そこにたくさんの花を咲かせます。
花は上部に赤紫色でひさしのような萼(がく)が、下部に刺の生えたあごのような苞があり、その間から白~淡いピンクの花びらが舌のように出ています。
「名前の由来」
アカンサスはギリシア語の「とげ」に由来し、苞にとげが生えていることに因んでつけられました。
このトゲについてギリシャ神話では次のような伝説があります。
「伝説」
美しい娘アカンサスを太陽の神アポロンが見初め、求婚しましたが拒否されます。
それでも近づいてくるアポロンを爪で引っかいたので、アポロンは彼女を爪のようなトゲのあるアカンサスに変えてしまった、と言うものです。
・名前の由来となっている、トゲがある苞葉(ほうよう:花の基部につく小さな葉)です。
「古代ギリシャ建築『コリント式』の由来」
「アカンサス」が芸術作品に用いられる由来については次のような伝説があります。
昔、古代都市コリントスで少女が亡くなりました。その死を哀れんだ乳母は少女が大切にしていた玩具をバスケットに入れて墓に供えました。
春になると、少女のバスケットにはアカンサスの若葉が絡みついていました。
たまたま、それを見つけた建築家のカリマコスはその美しさに魅了されて、柱のモチーフに使ったことがコリント様式の始まりと言われています。
その後、ローマのパンテオン神殿で見かけるような、アカンサス模様の柱がいろんな場所で使われるようになったということです。