立春は過ぎましたが春はまだまだ遠く、真冬のような寒さが続いています。
一昨日から昨日にかけて、九州から関東の太平洋側では南岸低気圧が通過し、首都圏では大雪に対する注意が呼びかけられていました。
しかし、東京23区で予想された大雪は雨に変わり、首都圏のJRと大手私鉄の各線は平常通りの運行と報じられていました。
一方、大阪南部の泉州地方では、一昨日は一日中雨が降り、最高気温は7度と寒い一日でした。
早く、温かい南風が吹いてほしいものです。
ところで、例年、2月下旬から3月にかけては「春一番」と呼ばれる風速8メートルを超える南寄りの強風が吹き荒れます。
この強風は「春一番」と観測される場合が多い春の嵐です。
この「春一番」と名付けられた出来事(遭難事故)が163年前の1859年(安政6年)2月13日に起きています。
「春一番の由来」
「春一番」は、もともと長崎県壱岐郡(現・壱岐市)の漁師の間で使われていた言葉が由来となっています。
1859年(安政6年)2月13日、長崎県壱岐郡の漁師が五島列島沖に漁に出かけた時、いきなり南からの突風が巻き起こり、漁船全てが転覆して53人の漁師全員が死亡すると言う遭難事故がありました。
この事故以来、春先の強風を「春一」もしくは「春一番」と呼ぶようになり、その後、この言葉が全国に広まったといわれています。
「春一番の塔」
春一番の発祥の地、長崎県壱岐市には、1859年(安政6年)に発生した地元漁師の遭難事故の怖さを忘れないようにとの思いから、昭和62年(1987年)郷ノ浦港入口の元居公園に船の形をした「春一番の塔」が建てられました。
近くには遭難者の慰霊碑も建てられています。
・春一番の塔です。(長崎県壱岐市の元居公園)
「春一番名付けの日」
「春一番」とは、立春から春分の日の間に、初めて吹く南よりの強風のことを言いますが、この強風について、1963年(昭和38年)2月15日の朝日新聞に「これから春一番の季節で警戒が必要」と言う記事が掲載され、これが「春一番」という語の新聞での初出とされています。
これが由来となって2月15日が「春一番名付けの日」とされています。
(参考)
「春一番の認定条件」
気象庁によれば、次の条件に当てはまる強風を「春一番」と言っています。
1.立春(今年は2月4日)から春分の日(3月21日)の間に吹く風であること
2.日本海で低気圧が発達していること
3.風速8メートル以上の南よりの強風であること
4.前日に比べて気温が上昇すること
この4つの条件を満たしたとき、その年に最初に吹く風を「春一番」といい、これ以降、同じ期間に同様の風が複数回発生した場合には「春二番」、「春三番」などといいます。
反対に上記の認定条件に当てはまらない場合は、例え風速8メートル以上の南よりの強風であっても「春一番の観測なし」とされます。
因みに、昨年の大阪での「春一番」の観測は3月2日でした。
春が待ち遠しいですね。
「春一番」は観測されなくても一向に構いません。
一日も早く、穏やかに春がきてほしいものです。