夏を代表する野菜のひとつでもあるゴーヤは沖縄の代表的な野菜で、夏バテの防止にもなると言われています。
今では沖縄に限らず、国内の各地で栽培されており、グリーンカーテンとして植えているご家庭も多いのではないでしょうか?
このゴーヤは、嘗て沖縄では「ウリミバエ」という恐ろしい害虫に見舞われて、人々を震撼させた出来事があったようです。
そこで、今日は我が家のゴーヤと沖縄における「ウリミバエ根絶の戦い」をご紹介します。
・赤丸内の右下に向いている「↘」のようなものが出蕾して間もない雌花の蕾です。
「ウリミバエ根絶の戦い」
沖縄は昭和47年に本土復帰を果たしましたが、その年に人々を震撼させる出来事が起きました。
その出来事とは、東南アジアから「ウリミバエ」と言う恐るべき害虫が飛来したのです。
体長わずか8ミリの害虫は、カボチャ、ピーマンなどの野菜に寄生し、卵を産み付けると、野菜には瞬く間にウジが沸いて腐ってしまいます。
天敵のいない沖縄の島々で、ウリミバエは大繁殖し、次第に北上し始めました。
もし、本土に上陸すれば、日本の野菜全体が壊滅的な被害を受けることから、日本政府は「植物防疫法」により、沖縄県からの野菜の持ち出しを厳禁しました。
「沖縄全域からウリミバエを根絶しよう」を合言葉に、沖縄県農業試験場の研究者を中心に、プロジェクトチームが結成され、必死の根絶作戦が始まったのです。
しかし、農薬を持ってしても根絶出来ない最強の害虫を前に、プロジェクトは行き詰まってしまいました。
ウリミバエは沖縄本島を席巻し、九州上陸は時間の問題でした。
日本政府は、ウリミバエ根絶のため、思いも寄らぬ方法を沖縄県に提案したのです。
それは、放射線「コバルト60」をハエに照射して、生殖細胞を破壊する方法です。
そして繁殖力を失ったハエを増殖させることで、何十年もかけて撲滅するという、気の遠くなるような作戦でした。
この作戦は、生殖能力を失わせた雄のウリミバエを大量に放って雌と交尾させ、世代を重ねるごとに着実に数を減らす方法でした。
作戦が始まって 一年、二年と過ぎる中、ハエが減り始めました。
放たれた雄のウリミバは累計で625億匹になりましたが、この効果で1993年までに沖縄や鹿児島・奄美の全域で根絶が確認されたということです。
・上記の蕾から数日経過すると幼果の先端が膨らんで開花が直前の状態になります。
「ゴーヤ」
ゴーヤの標準和名はツルレイシと言いますが、一般的にはニガウリ、またはゴーヤと呼ばれています。
ウリ科の植物で、主に未熟な果実を野菜として食用に利用されます。
ツルレイシは、イボに覆われた果実の外観と完熟すると仮果皮が甘くなるという形質がムクロジ科の果実であるレイシ(ライチ)に似ていることに由来します。
・上の画像の幼果の先端が開花したゴーヤの雌花です。
「雌花が付かない」
ゴーヤの雌花が中々咲きません。
その原因をネットで調べると、「やまむファームさん」のページに次のように書かれていました。
それによると、雌花が付かないのは、雌花は短日条件でつく性質があるため、生育初期は雄花が多く咲き、雌花は少ないという事です。
6月下旬の夏至を境に短日になりますが、実際は8月頃から盛んにつくようになるので心配しなくてもよいという事です。
また、雌花は子づるに多くつくので、親づるを本葉6〜7枚で摘心して子づるを伸ばすとより多く収穫できるという事でした。
・雌花が咲いて受粉が成功すると、開花から3週間余りでゴーヤが収穫できるくらいに太くなります。
・収穫できる大きさに成長しました。