らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

春を告げる「テントウムシ」

2024-02-13 | 家庭菜園

今年の啓蟄は3月5日です。
啓蟄とは、土の中で縮こまっていた虫(蟄)が穴を開いて(啓いて)動き出す日のことです。
先日、畑の草取りをしていたところ、2匹のテントウムシが動き回っているのを見つけました。
大阪南部の当地では、先週末から平年並みの気温に戻り、昨日はそれを上回る暖かさになり、更に今日以降の今週は3月~4月並みの暖かさになるとの予報が出ています。
啓蟄を前にしてテントウムシが動き始めたのはこの暖かさのためでしょうか。

「テントウムシ」
テントウムシは、コウチュウ目テントウムシ科に分類される昆虫の総称で、世界では約6,000種が知られ、日本では約180が確認されています。
いまだに生態がよくわかっていない種が多く、半数以上は5mm以下の小さなテントウムシです。
赤や黄色といった派手な色彩をもつものが多く、「春の訪れを告げる虫」と言われることもあります。

虫を嫌がる人は多いと思いますが、テントウムシを嫌いな人は少ないのではないでしょうか?
テントウムシは漢字では「天道虫」と書き,「お天道様の虫」という意味を持つことから、太陽神の使いの虫であると考えられていたようです。
北米では縁起の良い虫で殺してはならないとされており,指輪やブローチのモチーフとしてしばしば用いられています。
虫のイメージの良し悪しは国ごとに異なっていますが、テントウムシはどこの国でも「よい虫」として認識されているようです。

・啓蟄前に動き出したナナホシテントウムシです。

「名前の由来」
テントウムシは漢字では「天道虫」と書き、太陽へ向かって飛んでいくことから、「太陽神の天道」が由来とされ、縁起のいい虫とされます。
英語では「Ladybirds」と呼ばれ、聖母マリアの鳥を意味しています。

「益虫テントウム」
テントウムシには肉食と植物食の種類が知られています。
肉食の種類であるナナホシテントウやナミテントウは,農作物の害虫であるアブラムシを食べることから,特に農作物の生産者にとっては,益虫として知られています。
最近では肉食性のナミテントウの中から「飛ばない(飛行能力が低い)」ものを選抜し「生物農薬」としての実用化がすすめられています。
「飛ばない」個体を選抜するのは,行動範囲を制限し,農場から逃亡するのを抑えるためです。
近年では農薬に耐性を持つ害虫が増えていることから、より強力な農薬を開発するよりも生態系の中にある「食う・喰われる」の関係をうまく利用して環境や生産者の健康に影響がない手法で害虫の被害を抑えることが一般化しており、その一翼を「飛ばないテントウムシ」が担おうとしているようです。
 
「害虫テントウムシ」
一方で植物食のテントウムシは害虫として認識されています。
ニジュウヤホシテントウの仲間はジャガイモ,ナス,ピーマンなどを食べて葉をボロボロにしてしまうため,生産者にとっては厄介な虫と言われています。

・益虫と言われているナナホシテントウムシです。


テントウムシが動き出すと間もなく春がやってきます。
能登の被災者の皆様にも早く春がきてほしいですね。