らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

林住期

2024-02-25 | 雑学

皆様は「りんじゅうき」という言葉をお聞きになったことがありますか?
「臨終期」ではありません。漢字では「林住期」と書きます。
「林住期」とは、古代インドの考え方の一つで、人生の道しるべを示す「四住期」における3番目の期間になり、人生の最高の期間とされています。

日本では、15~16年ほど前に作家の五木寛之が『林住期』という本を出版したことで広く知れ渡りました。
この本は、50歳以降を人生のピークとする生き方を説くもので、世代を超えて反響を呼び、ベストセラーになりました。

「四住期」
では人生の道しるべを示す、四住期(しじゅうき)とは、どのような期間なのでしょうか?
四住期は、人生を4つに区切る古代インドの人生論でで、以下の4区分になります。
 ①「学生期(がくしょうき)」・・・まだ一人前ではなく、学び、心身の鍛錬を通して成長していく期間。
 ②「家住期(かじゅうき)」・・・・仕事を得て懸命に働き、結婚し、家庭を持ち、子を育てるために頑張る期間。
 ③「林住期(りんじゅうき)」・・・世俗を離れ、迷いが晴れ、自分らしく自由に、人間らしく生きる時期。
 ④「遊行期(ゆぎょうき)」・・・・人生の最後の場所を求め、遊ぶように何者にも囚われない人生の最終盤の時期。



「四住期の年齢区分」
①「学生期」
8歳頃~25歳頃が学生期に当たります。
先生や親など年上の人から学び、身体と精神を鍛え、生きるための術を学ぶ時期です。
さまざまな学びを通して独り立ちを目指します。
この年代は人生においてはまだ未熟であり、周りの大人のサポートを受け、視野を広げながら人生を切り開くノウハウを身に付けていく重要な期間です。
今も昔も、未熟な間はきちんとした鍛錬をおこない、目上の人の助言を聞きながら一人前の力を身に付けることが大切な時期となります。

②「家住期」
25歳~50歳頃、場合によっては定年頃までを家住期と呼びます。
この年代を迎えると社会人としての力を備え、パートナーとの結婚を考える人が多くなり、家族を養う責任が生まれ、貯蓄にも意識が芽生えます。
このため家住期は、一家の大黒柱として働き、仕事で成果をあげるために頑張る時期と考えられます。
学生期を経て身に付けた知識や技術が家住期で花が開き、子育てや仕事などを通して充実した人生が送れる期間となります。

③「林住期」
50歳~75歳頃になると、林住期に入ります。
家住期で家族や社会のために働いた人も、林住期ではその役目を終え、新たなステージを迎えます。
古代インドでは、社会的な義務のみならず家族とも離別して、林の中で修行や瞑想をすると言われていました。
現代では家族と離れるほど、厳格に林住期の生き方を全うするのは難しいですが、自分の内面と向き合い成熟を目指す段階と捉えられます。

林住期は「第2、第3の人生」や「収穫期」「黄金期」とも称されます。
子どもが自立し、定年を迎えた後にどのように生きるかじっくりと考えることが大切です。
社会のしがらみから離れた上で自分が本当にやりたいことを見つけ、充実した人生を送るためのチャンスの時期です。

④「遊行期」
75歳からは、四住期における最後のステージである遊行期に入ります。
これは、人生の終焉に向けて準備をする時期です。
この世に対する執念をなくし、巡礼を通して死ぬ場所や悟りを求めます。
インドのバラモン教では、居住地すら捨てて乞食として遊行をおこなうとされています。
ここまで徹底した生き方は困難ですが、近年は「終活」として遊行期に近い生き方を目指す人が増えています。
人生における悔いをなくし、気持ち良くお別れができるように、元気なうちから身辺整理や葬儀について考える重要な期間となります。

私は年齢的には既に「林住期」を過ぎて第4区分の「遊行期」、否「臨終期」かな? に入っています。
④に説明されているように、人生における悔いをなくし、気持ち良くお別れができるように、元気なうちから身辺整理や葬儀について考え始めてみようかと思っています。