手紙を書くことがなくなりました。
十数年前の現役時代は挨拶状や案内状、お礼状、詫び状、通知状などのビジネス文書を書くことがありましたが、リタイアして毎日が日曜日になると全くありません。
親せきや友人などへの用事はすべて電話やメールで済ませています。
それで十分なのです。
しかし、読者の皆様の中には手紙をお書きになる方もおられると思います。
そこで今日は手紙について取り上げます。
手紙には色々なマナーがあります。
その中の一つ、「頭語」の「前略」には「結語」の「草々」で結びますが、何故、「前略」には「草々」で結ぶのでしょうか?
一般的に手紙を書く時は、「拝啓」で始まれば「敬具」で結び、「前略」で始まれば「草々」で結びます。
私はこれをルールとしてそのまま覚えていましたが、「草々」を使用するのにはそれなりの意味があり、「敬具」や「敬白」などを使用してはいけないのです。
「草々の意味」
「草々」を広辞苑で調べてみると、①いそがしいさま。②粗略なさま。③くずして書くさま。④手紙文の末尾に添えて、取り急いで走り書きした意を表す語。
と説明しています。
「前略」とは、手紙の冒頭の時候のあいさつを省きますという意味で用いる言葉です。
そして、「草々」とは、忙しい様子、粗略な様子を表わす語で、手紙の最後につけることで「取り急ぎのご連絡でした」というニュアンスを伝え、時間のない慌ただしい様を表しているのです。
この言葉には簡略に物事を伝えている様子から、十分に心をこめていないことをお詫びしていることの意味も含まれているということです。
このようなことから、「前略」に呼応する結びの言葉は「草々」なのです。
この「草々」は「前略」以外にも「冠省」「急啓」、また手紙のやりとりが続くなかで用いられる「拝復」「再啓」という言葉で始まるときにも使用することができます。
それに対して「拝啓」や「謹啓」という言葉には「草々」は用いません。
何故なら、「拝啓」の「拝」は拝むということから相手を敬う語であり、「啓」は申し上げるという意味を丁寧に伝える言葉なので、そんな言葉を使う相手に心配りの不十分な手紙を書くのは不自然だからです。
「参考」
参考までに手紙の頭語と結語(初めと終わりの言葉)のよく使われる一般的な組み合わせは次の通りです。
(手紙の書き方大辞典・・・ネットより)
(頭語) (結語)
【一般】 拝啓/拝呈 敬具/拝具など
【より丁重な場合】 謹啓/謹呈/恭啓 敬白/謹言/謹白など
【急ぎの場合】 急啓/急呈 草々/早々 など
【前文省略する場合】 前略/冠省 草々/早々 など
【重ねて出す場合】 再啓/再呈 敬具/拝具など
【返信の場合】 拝復/復啓 敬具/拝具など
なお、「前略」は、どのような場合でも使うことができ万能と思われますが、文字通り「前文を省略します」という意ですから、目上の人に使うのは失礼にあたる恐れもあり、避けたほうが無難ということです。
よく読むと、「手紙・挨拶文の『前略』には『草々』で結ぶ」 の方でした。
本来、「早々」と書くところを、慌ただしすぎる文言なので忌んで「草々」にしたのかと思っていました。
また、浅草の行事に「草鹿(くさじし)」を連想しました。流鏑馬と一緒におこなわれます。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/845dacdd2b0b89568995a12564a7aecf
「九州」に九つの県がないと知るものの、詳しくは覚えてなかったです。
九州男児iinaより
草々