今日は11月の第三木曜日で、フランス政府が定めているボジョレーヌーヴォーの解禁日です。
ボジョレーヌーヴォーとは、フランスのブルゴーニュ地方のボジョレー地区で作られた新酒のワインのことを言い、「ヌーヴォー(Nouveau)」とは英語の「new」と同じ「新しい」という意味です。
「解禁日の由来」
ボジョレーヌーヴォーの解禁日が制定されたのは1960年代のことですが、その背景は、ボジョレー地方の新酒がおいしく、大人気であったことから、まだ熟成していない粗悪品が市場に流通するのを防ぐためでした。
そのために、解禁日を定めることにし、その日を11月11日としましたが、その後11月15日に変更されました。
11月11日は、カトリックの祝日のひとつ「聖マルティヌスの日」という「聖人の日」にあたるので、縁起がいいとされていたようです。
しかし、その後、11月11日は「休戦記念日」という別の祝日になってしまい、「聖人の日」ではなくなったことから11月15日の「聖タルベールの日」を解禁日にすることになりました。
ところが、今度は 商人の人たちから異議が申し立てられました。
「もし、11月15日が土曜日や日曜日になると大変だ」という声が上がったのです。
この頃のフランスは土・日はお店も流通業者もほとんどが休みで、販売業者を中心に「土・日と重なった場合に販売チャンスを逃がす」という声が上がったのです。そこで、「曜日を固定しよう」ということになりました。
その結果、「解禁日は木曜日に固定しよう」という意見が出て、1985年よりボジョレー・ヌーヴォーの解禁日を「毎年11月の第3木曜日」に改定したということです。
なお、ボジョレー・ヌーヴォーと呼ばれるワインには、赤ワインとロゼワインしかありません。
その理由は、ボジョレー地区で作っている白ワインは、「ボジョレー・ヌーヴォー」として販売できないと法律で決められている為です。
・フランス・ボジョレー地方の場所です。
「販売促進(sales promotion)」
でも、何故、ボジョレー・ヌーヴォーは世界中でこんなに有名になったのでしょうか?
それは、醸造家の「ジョルジュ・デュブッフ氏」の美味しいワインを広めたいという熱い思いからのようです。
ボジョレー近郊でワインを作っていたジョルジュ・デュブッフ氏は、以前からボジョレーのワインの美味しさをもっとたくさんの人に知ってほしいと考えていました。
そこで、1970年代に、パリのオペラ座の近くでボジョレー・ヌーヴォーの解禁を祝うイベントを催したところ、そのイベントは大成功を収めました。
この成功をきっかけに、デュブッフ氏はその後も世界中でさまざまなイベントを仕掛けるようになったのです。
その結果、ボジョレー・ヌーヴォーは世界的に有名なワインになり、現在に至っているのです。
この功績からデュブッフ氏のことを「ボジョレーの帝王」と呼んでいるということです。
「結び」
ボジョレーヌーヴォーの解禁日が決定された経緯は、解禁日が土・日の休日に重なることを危惧した地元のお店や流通業者の商魂によるところが大きかったようですね。
それにしても、フランスのお店や流通業者の発言力は強いのですね。
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