ゆずりは ~子想~

幼い葉が成長するのを待って、古い葉が譲って落ちることから名付けられた「ゆずり葉の樹」。語りつがれる想いとは・・・

映画「引き出しの中のラブレター」

2009年10月21日 | 観劇・読書・感想記
月曜日は、長女サーヤの振り替え休日でした。

前の日まで、明日は何をするか、どんな一日を過ごすか決めかねていました。

月曜の朝、次女を幼稚園バスに乗せて「いってらっしゃい!」をしてから、

宿題をするサーヤに

「今日どうする?」

「映画なんかやってるかなぁ?」

新聞を見ます。

「ヴィヨンの妻」 「私の中のあなた」 「カムイ外伝」などがある中で、

サーヤが見つけたのは、「引き出しの中のラブレター」

ふと思い出したように教えてくれたのは、なんと実家の母から聞いた話。

「ママ!この映画にババ(おばあちゃん)の造ったステンドグラスがばっちり映ってるって言ってたよ!」

そういえば、、、

函館を舞台にした映画で、私のいとこが経営する喫茶店で撮影が行われたとか言ってたっけ。。。

その喫茶店が開店するときに、お祝いに贈った母のステンドグラスの大きなスタンドライトが、喫茶店のシーンで真正面にばっちり映っているらしい。

10:00になりそうな時間。
映画は、10:05!

いそげーーーーーー!!!

宿題はあとよーーー!!!

と言いながら、私は着替えもそこそこに車に乗り込んだ。


映画は途中からだったけれど、スクリーンに映る函館の街と渡島当別町の景色は、

八戸から帰省するときに必ず通り行く場所ばかり。

美しい街並みと空気感が、すーっと鼻の中に入ってきます。

心地のいい雰囲気が漂います。 なんだかあったかくって、包み込むような雰囲気です。

東京でラジオのパーソナリティーをしている女性と、彼女の友人、恋人、そしてラジオのリスナーである人たちによる人間模様が描かれています。

函館は、函館市内に住む高校生リスナーという男の子が出てきます。
彼のおじいちゃんが、当別町に住み漁師をしているのです。


喫茶店「WEST COAST]は、国道228号線の渡島当別と茂辺地の間の海岸沿いにあるカフェです。
経営者がいとこに変わったのは、もう5年以上前になるでしょうか。



私が中学生の頃にでき、そのときは幼馴染のお母さんが働いていたので、よく家族で遊びに行きました。
建物の下には小さな海岸があり、話すことに飽きたら降りていって石を投げたりして遊んだものです。

店内から見えるのは、すべてを吸い込む空と、すべてを流してくれる海と、
確かに存在する函館山。晴れていたら、素晴らしい景色。

いとこの父である、私の叔父が、ここの景色が大好きで、閉店になりそうだったここを買い取ったのです。
その念願叶った叔父は、息子に店を持たせると、昨年天国へ還っていきました。
映画は、叔父がまだ生きている時に撮影。とてもありがたい出会い。


近くに、「トラピスト修道院」があり、ここも舞台になっています。
とても緑の濃い、そして海へとまっすぐに伸びる馬車の幅の坂道。
神秘的で、厳かな雰囲気の漂う場所で、大好きなところです。
函館市内からは、結構遠いかなと思ったけれど、車で30分くらいで着きます。
「トラピスチヌ修道院」とはまったく違った、自然の美がそこにありますので、ぜひ足を伸ばしてほしい場所です。




思いを素直に伝えられないこと、たくさんあります。
それは血のつながった者同士でも、恋人同士でも、友人同士でも、
いろんな形で伝えていないことがあると思います。

あなたは、誰に 何を 伝えたいですか?

わたしは、この映画をサーヤと観れたことにとても意味を感じました。
サーヤとの、また深いつながりを感じることができました。

ぜひ、親子で、夫婦で、自分の親と観てください。
きっと、素直な気持ちで伝える言葉が、ふと浮かんでくる、優しい映画です。

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