「遺跡番号18」は「ワット・クローン・スワンキーリ」の奥にあります。
お寺の敷地内にある「バン・クー・ブア博物館」です。
クー・ブアの住民組織が設立した博物館で、1階は「クー・ブア環濠遺跡」からの出土品、蝋人形による博物館設立の過程やタイ・ユアン族の生活様式を展示、2階はタイ・ユアン族の織物、パー・チョクを中心にラーチャブリーに居住する少数民の衣類が展示されています。
クー・ブアのタイ・ユアン族は1804年、タイ北部のチェン・セーンから奴隷として連行されてきた人々が始まりです。
階段を下りて行きます。
1階の展示室です。「クー・ブア遺跡」の出土品が展示されています。
ドヴァラヴァティー仏の複製品です。
こちらも複製品のようです。
発掘品です。
漆喰製の菩薩像です。
小品の漆喰製頭部です。
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地域の民具が展示されています。
「バン・クー・ブア博物館」建設の会議中です。
妊婦と産婆さん、お産です。
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再び2階へ上がってきました。
2階は「タイ・ユアン」族の織物を中心に展示されています。
織模様の見本帳です。
「ティーン・チョク」を用いた「パー・シン」(筒スカート)が展示されています。
「パー・シン」は基本3部位から成り、裾部分が「ティーン・シン」、真ん中で一番幅の広い「トア・シン」、そして上部の腰部分の「フア・シン」から成り立ち、写真の品は「フア・シン」が赤色の「パー・デーン」と白色の「パー・カオ」そして継ぎ部分の白色の小さな布「パーオ(テープ・パー・シー・カオ)」で構成された伝統的なものです。
引き出しの中にも古布が保管されています。
「タイ・ユアン」の部族です。
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クー・ブアの織物を販売している区役所の敷地内にある「ラーチャブリー・タイ・ユアン協同組合」の運営するOTOPへ寄ってみました。
クー・ブア遊覧の記念に安いものがあれば買おうと思ったのですが、2人の美女が穿いている「パー・シン」で17,000バーツの値札が付いています。
「ティーン・チョク」だけなら安かろうと棚から出してもらったのですが、どれも15,000バーツです。
「パー・シン」が17,000バーツで「ティーン・チョク」がこの値段は高すぎるのでは・・・との申し入れに対して13,000バーツまで値下げると言うことでした。
全幅をチョク織りされた生地です。
すごく気に入ったのですが19,000バーツ。製作期間は8ヶ月ですが、高すぎます。
来客のタイ人の女性一行が価格交渉をしていましたが、一切値下げしないようです。
一般の店にも寄ってみました。
多少価格は安いようです。
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織物工場を覗いてみました。経糸を用意しています。
伝統工芸と呼んでいいのか分かりませんが、若い女性は従事していません。技法が伝承されず、いずれ消えていく運命にあるようです。
こちらの女性がチョクを織っています。「コン・メン」と呼ぶヤマアラシの毛で出来た針を使い、模様に合わせて経糸を拾い、色糸を通していきます。彼女の話では1日に4、5cmしか織れないそうです。
織物の上に載っているのが「コン・メン」です。
こちらでは水色の生地を織っています。
手間暇のかかる織物です。
模様として織り込む緯糸です。
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結局お土産に一品購入してしまいました。
それぞれ模様に名前が付いています。
「フア・シン」と「トア・シン」の縫い合わせを「コット・フア・メンダー」と呼びます。
「メンダー」(タガメ)です。
「トア・シン」の模様です。
一番上が「コー・リョウ・チョーン・カン」、次のナーガ模様のような大きなジグザグは「クー・ソン・シア」、その上下にあるある花を「ドーク・チャーン」。
中央部の菱形は「プラー・ノック」二羽の鳥が横向きで魚の形をしている所から命名されたようです。その間の小さな菱形は「ドーク・ケーオ」と呼びます。
「ドーク・ケーオ」の花です。
「ティン・チョク」です。
「コン・メン」です。
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■帰路は「メー・クローン」沿いの道路を「サムット・ソンクラーム」から国道35号線に出てバンコクへ戻ります。
ソム・オー(ザボン)を買うため「バン・ノイ水上マーケット」へ寄りました。
「陳森合博物館」があるので覗きます。以前は倍の広さで展示していたのですが、縮小して再開館したようです。
中国製の壺です。コンテナーとしてタイに入って来ました。
メー・クローン川沿いで焼かれた土器鍋です。
こちらはシンブリーの壺です。
国道沿いで「リンチー」を購入、粒の大きいが1kgで360円です。市場で買うよりは割高です。