の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

ナークの陶製品

2014年08月25日 | 陶磁器(タイ)
■織物に「パヤー・ナーク」(ナーガ)の意匠が多いと言うことで、陶器を改めてみてみると、陶器の絵付けには一切使われていません。
勿論、織物は古い物でも、目にするのはせいぜい200年前のものですが、陶器は700年から600年前の物で、比較するのに無理があるのかもしれません。
しかし、タイ族がシャムに覇権を確立する前からナーガは仏陀を守る神聖な生き物として崇拝されてクメール寺院、神殿装飾にもたくさんの像を見ます。
スコータイ時代に急激に発展した、皿、鉢、碗などの陶製品には描かれていないし、誰に聞いてもナーガの絵付けは見たことがないようです。


寺院装飾としてのナーガ像です。仏殿の入り口で邪悪なものを見張ります。(全高:43.8cm)




ナーガと思われる鉢飾りです。頭部が把手になっていたようです。
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中国から伝わった龍の鉄絵です。(長辺:9cm)

鉄絵青磁の龍です。焼成温度の上がり過ぎで、器形を維持できませんでした。高台内には「マンコーン」(龍)の銘です。(長辺:15cm、高台径:10.3cm)
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この陶片はライオンです。ずいぶん擬人化されています。(長辺:15cm)

この2点もライオンです。シャムには棲息していないので、中国から伝わった図像が基になっているのでしょう。
ドヴァラヴァティ時代にもライオンは寺院装飾にたくさん用いられていますが、意匠の感じが全く異なります。



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人頭魚を2点、どちらもスコータイ窯の台鉢です。



パーヤン窯の鉄絵人物像で、碗の陶片です。西方の雰囲気がします。(長辺:8.5cm)
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スパンブリーの古窯近くのター・チーン川で拾った陶片です。
象狩りの意匠はたくさんありますが、これは珍しい蛇の意匠かなと思っています。
なお、同じ印花技法の象やライオンの低温焼成陶片は北北東に約100kmのドヴァラヴァティのチャン・セン環濠遺跡から多数出土しています。