「タイ・ユアン」の「パー・チョク」の模様で上から二段目の大きな菱形「プラー・ノック」の間にある小さな菱形を「ドーク・ケーオ」の花と紹介しましたが、「ドーク・ケーオ」は開花すると6~7cmの大きさになり模様のイメージとはかけ離れていました。
「ドーク・ケーオ」です。
同じ仲間で「ドーク・ケーオ・ムック・ダー」です。今満開で、強い芳香を放って、ミツバチやアリを誘っています。
めしべは緑色をしてかなり小さいです。
そこで少し調べてみると、「ドーク・ピクン」に辿り着きました。この花はラーンパーンでは「ドーク・サーンドン」、チェンマイでは「ドーク・ケーオ」と呼ばれているようです。スコータイ以南では「ドーク・ピクン」です。
2cmにも満たない小さなはなです。
北部から連行されてきた「タイ・ユアン」の人たちが「ドーク・ピクン」を「ドーク・ケーオ」と呼んでも何ら不思議なことではありません。
花には薬効効果があって、乾燥後に煎じて飲めば、解熱、息切れ動悸、喘息等々と万能薬に近い効能があるようです。実、葉、枝などもそれぞれ血行促進、利尿作用などと薬効があります。
また、花をデザインした装身具や衣類、陶磁器もたくさん作られています。
■サンカローク窯の「ドーク・ピクン」で800年前からデザイン化されていました。
■スコータイ窯の「ドーク・ピクン」模様です。
底面は「ドーク・ピクン」ではありません。窯道具が融着しています。