叔父が亡くなった。
仕事にも仕事以外にも、闘病にすら命懸けで精一杯生き抜いた人生。
今は、ただひたすらゆっくりと安らかに休んで欲しいと真剣に思う。
段取りのいい叔父は生前にも葬儀を行っていて、それはごく限られた
親族のみを招待するものだったが、今回の葬儀は喪主である息子が
取り仕切り、叔父の遺言に沿いあくまでも整然と執り行われた。
会社関係からはお志を固辞させていただいたが、それでも多くの方が
参列してくださって、人格者だった叔父の人柄を再認識させられた。
親戚も、普段あまり会うチャンスのない親戚も含めて総勢が集合、
自分達のつながりやルーツを確認し合う機会ともなった。
亡くなった叔父も、茶道、旅行に登山、社交ダンスと多趣味な人だったが、
あの親戚一同の中では極々普通で別段目立つ存在ではなかった。
一族の中には、登山家、声楽家、フラダンサー、演劇人もいて何かと
役者は豊富らしく、「遊び」や「芸事」を愛する血が好むと好まざるとに
関わらず自然に受け継がれており、私の落ち着きのない音楽好きの
ルーツはここにあったのかと、1人勝手に納得していた。
不思議なのは、特に私など、この少し遠い親戚の方々と話すのはほとんど
始めてのようなもので、何をしててどんな人たちなのか全く知識もないのに、
話せばなぜか同じような感受性で感じていたり、似たような行動様式で動い
ていることに気づき「私の個性は私だけの個性じゃないんだ」みたいなことを
発見したり、『DNAの連鎖』や隠しても隠し切れない『血の繋がり』について
何世代もかけ証明に至った実験結果を見せ付けられた気がして少し怖く
なったりもした。
我らがご先祖様の『好きもの精神』は今ここに
生きる私達にしっかり受け継がれているようです。
「有難いな」
叔父を亡くした「哀しさ」と裏腹にそんな感情も覚えた。
人の最期はいろんなことを考えさせる。
”生まれるときひとり 最後もまたひとり だから生きてる間だけは
小さなぬくもりや ふとした優しさを 求めずにはいられない(みんなひとり)”
今日の月はほんとにきれいだな。
梅も咲いた。春は来るのかな。
![]() |
みんなひとり 松たか子 BMG JAPAN このアイテムの詳細を見る |