コーちゃんのブログ

オートバイで遊ぶNice Middle(?)の気ままな日記
    

ホンダ ADV-150 インプレ

2021年02月13日 | バイク関連

ツーリングではBMW R1200GSを愛用、ヤマハのシグナスX-RSはママチャリがわりに使っている。そのシグナスは7年目を迎えるが特に買い替えなくてはならない理由などなかったが、GSをガレージから引っ張り出すのはチト億劫、片道100~150km程度のツーリングではGSで快走できる場所が無いどころか交通量が多く疲れるだけ。それならという事で小回りもきいて高速道路も走れる150㏄に乗り換えることにしたのだ。もう一つ特筆すべきは、走行距離が1万kmと少ないが7年落ちのシグナスX-RSの下取り価格が11万円と高額だった事だ、これで背中を押されてしまった。これもコロナの影響で電車やバス通勤を敬遠してバイク通勤が増えた事による特需らしい。

 

1.スタイル 

 

 

ADV-150を見なければシグナスを乗り換える事は無かったと言えるほどADV-150に一目ぼれしてしまった。それとアドベンチャー指向のバイクでオンもオフも楽しめるからだ。今一番人気のPCXや他メーカーの車種は全く眼中になく比較などはしなかった。

 

2.ポジション 

 

 

オートバイを楽しく安全に乗るためには自分の体に合ったものが良い。実はシグナスは身長178cm(高齢化に伴い2~3cm縮んでいるかもしれない笑)の私には窮屈なポジションしか取りえず、20~30kmの距離を乗ると腰痛や肩こりなんかもあったりして、頻繁に背筋を伸ばしたりシートの座る位置を変えたりしていた。ママチャリがわりに乗っていたのだから小型で小回りがきけばそれで良いと言えば良いのだが。初めて展示品のADV-150に跨った感じは自分の体格にはピッタリ、シグナスよりハンドル幅が広いので大きく感じたが全長で65mm、幅で70mm大きいだけ。ほぼ同じ大きさなのにステップは前後に長く足載せの範囲が広い、シートの前後への尻乗せ範囲も広い、なのでので走行状態や気分に応じてライディングポジションの自由度が高いという事だ。シートは高めと前知識はあったが跨った瞬間やはりチョッと高めと感じたがシグナスと比べてであって、高いシート高のGSに5年も乗っている者には何の問題も無い。オフ走行時の立ち乗りでニーグリップできないのは仕方ない。不満な点を一つ挙げるとするとハンドルの角度だ。ハンドルをいっぱい切った時、左に切ったとするとアクセルグリップを握る右手首の曲がる限度を超えていている。その時の体勢やシートの前気味か後ろ気味かの座る位置にもよるが、どうしてもアクセルコントロールを優先するから、ナックルストッパーに当たるまでハンドルをいっぱいに切ることを躊躇することになる。グリップ部の角度をもう少し内側に絞り込んで欲しかった。

ハンドル端からのミラーの突出が少ないのでシグナスよりすり抜けが全然楽だ。

3.ブレーキ 

 

 

ADV-150は前後輪ディスクブレーキ、前輪はABS装備だ。アドベンチャーという指向にあったこだわりのブレーキ設計なのか?二輪車においては前輪ブレーキの効き具合がそのバイクの制動力といってよいが、このADV-150低速域20km/h位だろうか効きがよくない、停まろうとする停止線でピタリと止まれないのだ。更にフロントブレーキレバーを強く握ると、フロントフォーク130mmのロングストロークが激しいフロントダイブを伴ってラインオーバーで停まる。これが初めて乗った時点の第一印象。余談になるがBMWを2台乗り継いでいて安全性と快適性に優れていることは間違いない、最初に乗った車種R1150RSは制動力を高める方法として油圧モーターを使っていた。ブレーキレバーを握るライダーの力以上の力を発揮する事で強力な制動力が得られるブレーキシステムであった、勿論ABSとセットでなければならない。そして今乗っているR1200GSのフロントは4ピストン・キャリパのディスクブレーキで高速から低速まで強力で安定した制動力を発揮する。もっともカックンブレーキになりがちなので低速(停止寸前)ではブレーキレバーをリリース、フットブレーキ(リヤ)に切り替えるか一本指でブレーキレバーを握るように心がけている。カックンブレーキはバランスを崩して立ちゴケというケースも多いですからね。余談はここでおわり。その後ADV-150で1,000km近く走り、60km/h程度の速度からの急減速で前輪ロック(ABS作動)は確認した。またワインディング走行でコーナー直前の急減速でもフロントブレーキは良く働いていて不安は無いし、割と低速で安定した効きの良いリヤブレーキとフロントブレーキのコンビは安心感ある制動力を発揮してくれる。

 

4.エンジン(Power) 

初めて乗った(走った)のは新車引取りの帰り、ワクワクしながら取説を受けた通りにメインスイッチを指定の位置まで回してスタートボタンを押すとセルモータ音らしきものは全く聞こえないままに、耳を澄ますとエンジンは静かに回っているではないか!これはACGスターターというやつで、クランク軸に直結した交流発電機(ACG)をエンジン始動時にはモーターとして使うものだ。ギヤをかませてクランク軸を回すことはないので機械音は聞こえない。そして発進!あら?シグナスより遅いぞ!これは拍子抜けした。その後の力強い加速感でADV150のパワーに納得。不整地走行には適したエンジン特性と思う、現に凸凹で石がゴロゴロした登りの不整地を粘り強い低速で走破した。勿論これはサスペンションやタイヤ等アドベンチャー仕様車ゆえの走破性ではある。

150ccは、高速道路を走れるとは言ってもどんな走りを見せてくれるのか楽しみだ、イヤイヤ少し不安、そんな思いで西湘バイパス、首都高湾岸線、アクアライン、圏央道を走った。80km/h前後で流れる車列に混ざって走ることは何の不安も無いし追越しも不安はない。一気にゴボウ抜きするような鋭い加速や速度は得られないが、なまじPowerのあるバイクよりは安全運転できる(スイッチの入りようがないって事だ)。首都高湾岸線のベイブリッジとツルミツバサ橋は急勾配の登りがあり、トラックは速度を落とさず登り切りたいので手前から速度を上げることが多い。そんな登りでも80→100へと加速する、けして鋭いものではないが大したものだ、150ccでこれだけ走ってくれればありがたい。気になるのはアクセルのストロークだ全閉~全開までのアクセルグリップの回転角度、これが大きすぎるのだ。一握りでフルスロットルまで開けるには手首の曲げ限界を超えるので肩を落として全開まで回し込まなければいけない。ハイパワーのバイクであればアクセル全開まで持って行くことは少ないし全開にする時間も少ないが、150ccでは全開の必要は頻繁にあるのだからここは非常に残念だ(遊び調整で少しはよくなるかもしれない)。

 

4.サスペンション 

シートに手を置いて軽く押すとサスのフワフワ感が伝わってくる。乗り心地良さそうと思ったが大間違い! リヤのコイルスプリングはコイルのピッチなどを変えて傾斜的にバネ乗数を変化している。フワフワ感のある領域はシートに座ると体重によって圧縮されて消滅する。ゴールド色のリザーブタンクもカッコいいし、ストロークの長いサスの激しい動きにも安定したダンパー性能を維持してくれるはず。ただ乗り心地としては腰を痛めそうな程固めで閉口した。少し荒れた舗装路でも突き上げが結構来るので、シートの段差(シートバック)に尻を押し付け、ステップの立上った最前方で足を突っ張り、尻を気持ち浮くようにする、そしてふくらはぎから太腿の内側辺りを車体(シート側面)に付けて体重分散をする。そんなに無理な体勢ではないので疲れることは無い。こんなことをして走っている間に走行距離は1,000kmに近づき、サスの固さも少しマイルドになった気がする。夏場の気温上昇で更にマイルドになるかもしれない。

フロント130mm、リヤ120mmのロングストロークはアドベンチャー指向のバイクとしては重要なポイントだし、コーナリングでもフワフワのサスでは不安だしキビキビした固めが良い。因みにR1200GSはリヤのスプリングのプリロードとダンパーの調整はボタン1つでできる、こんな機能を要求する気も無いがせめて手動での調整機能は欲しかった。

 

6.ハンドリング 

ステアリングに少し抵抗感があった方が不安なく回れることも多いものたがトレール値が小さいのだろう、どんな場面でもステアリングは軽さを感じる。これもアドベンチャー指向のバイクの特性だ。乗り始めた頃はステアリングダンパーが欲しいと思ったが慣れればメリットも多い。取り回しが楽だ、狭いガレージにハンドルを切って後ろ向きで入れる時など重さをさほど感じない、17kgも軽いはずのシグナスよりわずかな力で動く。

 

7.アイドリングストップ 

この機能は燃費を良くするのに大いに貢献している、街中ではやたらに信号が多いし複雑な交差点では待ち時間も長い。停車して2秒でエンジンストップする、アクセルを回せばエンジンがかかると同時に発進する。ここがスゴイところだ。アクセルを回せば一呼吸も置かずに走り出す。幾つかの技術がそれを可能にしているのだ。

AGCスターター

アイドリングストップシステムでは、エンジンの始動をより静かに行えるよう、「ACGスターター」方式を採用しました。「発電機」は、電気の流れを逆にすると「モーター」になります。これを利用して、バイクが使う電力を発電するACG(交流発電機)をそのまま始動用モーターとして使うため、シンプルな構造を持ちます。これによって静粛性が高く、スムーズな始動を行えるのが特徴です。(本田技研Webサイトより)

電子制御スイングバックとデコンプ

アイドリングストップシステムでは、エンジンの停止・始動を頻繁に行うため、スムーズで素早い再始動が求められます。そこで、エンジンを停止させた直後に、クランクを少しだけ逆回転させて助走距離を稼ぎ、勢いを付けてから回転させる「スイングバック」を行うことで、始動にかかる時間を短縮させました。※

※アイドリングストップによる始動時。スタータースイッチオンからの始動時は、始動直前にスイングバックを行います。

また、始動時には圧縮行程で排気バルブを開けて、圧縮にかかる圧力を逃がすことでクランクの回転に必要な力を小さくし、より小さいモーターの力で始動できるようにしています。(本田技研Webサイトより)

省電力でエンジンスタートする仕組みではあるが、ヘッドライト、ブレーキランプ、方向指示器これらが皆LEDであっても頻繁にエンジンストップとスタートを繰り返すような状況、例えばダラダラ渋滞などではバッテリーの消耗は気になる。またグリップヒーターONの状態では増々バッテリーが心配になるが、純正グリップヒーターはバッテリーの充電レベルが低くなると自動的にOFFになる。そうは言ってもキックペダルはない、しましてや押しかけも出来ないのだから渋滞時やグリップヒーター使用時はアイドリングストップ機能はOFFにしている。

 

8.その他  

スクーター・タイプのメリットはシート下の収納スペースだ。フルフェイスヘルが一つ入る大きさとカタログでは謳っているがアライやショウエイのものはサイズにもよるが入らないと思っていた方が良い。長さはあるけど深さがない。収納スペースは前方へ傾斜していて段差があり、しかもシート裏側には補強のリブがあるので収納できる物は限られる。

 

 

サイドスタンドは丈が短いので車体の傾きが大きい、一般的に道路には左側へ傾斜が付けてあるから路肩では今にも倒れそうなくらい車体が傾斜する。そのせいかネット通販ではサイドスタンドの下駄が多く売られている、私も買いました。

車体を形づけるフロントカバーやサイドカバーなどの外装プラ部品を外すのは大変難しい。どこでどう車体に固定してるのか分からない。分からないままに強引に外そうとするとブラ部品どうしを連結している爪が折れてしまうこともあるらしい。このプラ部品を外さずして配線をイジルこともプラグを交換する事も出来ない。外装の外し方を詳しく解説しているページを見つけましたので、外装外しに挑戦したい方は下記にリンクをコピーしましたので参考にして下さい。

完全保存版!ホンダ ’20~ADV150 プロテック製品取付け時の外装取り外し方法 | プロテックSTAFFブログ (ameblo.jp)

つい長々とADV-150のインプレを書いてしまった。中には苦言もあるが1,000km走った現在このオートバイにとても満足している、愛しみつつ大事に長く乗りたいと思っている。

※使用しているイメージ画像は自前のものもあるが、本田技研、モーサイ、オートバイ等のウエブページより借用しています。

コメント (6)
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