2015年のブログです
*
精神科医の黒田章史さんの『治療者と家族のための境界性パーソナリティ障害治療ガイド』(2014・岩崎学術出版社)を読みました。
いい本です。
境界例の治療に詳しい黒田さんの丁寧な実践が紹介されていて,とても参考になります。
こまやかで温かく,かつ冷静な黒田さんの面接はすごいと思います。
実は,じーじの記憶に間違いがなければ,黒田さんがだいぶ以前に家族療法学会にデビューされた時に,たまたまその発表の場に私もいました。
黒田さんが哲学者のヴィトゲンシュタインさんの考えをもとに境界例の患者さんの治療について発表をされ,その丁寧で刺激的な内容にずいぶん感心させられました。
そしてその会場にいらっしゃった下坂幸三さんが,いつもは厳しくてとても怖い先生なのですが(下坂さん,ごめんなさい),黒田さんの発表を大絶賛をされたことをとても印象深く覚えています。
その後,黒田さんは下坂さんらと一緒に勉強をされ,その成果が本書につながっているのだろうと思います。
今後も時間をかけて学んでいきたい本だと思いました。 (2015.5 記)
*
2021年冬の追記です
今、考えると、境界性パーソナリティ障害のかたも、白か黒かにはっきりさせないと落ち着かないかたがたで、あいまいさに耐えることが苦手なかたがたなんだな、と思い当たります。
ビオンさんのいうあいまいさに耐える能力、消極的能力の大切さが理解できるような気がします。 (2021.2 記)
*
2023年秋の追記です
ヴィトゲンシュタインさんにはその後も何度かチャレンジしているのですが、やはりなかなか難解です。
ただ、なにか大切なことを書かれているらしいことは感じられます。
今後も勉強していこうと思います。 (2023.9 記)
*
ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通う。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事する。
1995年頃、調査官でも落ちこぼれ、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com