2012年のブログです
*
クリストファー・ボラスさんの『終わりのない質問-臨床における無意識の作業』(館直彦訳・2011・誠信書房)を読みました。
精神分析の初心者のじーじにとってはなかなか難しい本でしたが、著者が精神分析において解釈よりも自由連想を大切にしたいという思いは(それで間違っていないと思っているのですが…)、ひしひしと伝わってきました。
これはひよっとすると全く的外れの感想かもしれませんが、じーじなりには、最近の精神分析が解釈よりも「もの想い」を大切にしていることとどこかでつながるのではないかなとも思いました(当たっているといいのですが…)。
とはいえ、まだまだ理解できていない面も多いと思います。
二度 三度と読み込んでいきたい本だと思いました。 (2012 記)
*
2018年の追記です
久しぶりに再読をしました。
なんと6年ぶりです。
しかし、やっぱりなかなか難しい本だと思いました。
このような本は、臨床経験をていねいに重ねながら、何度も読み込んでいく必要があるようです。
それでも、今回、気がついたことを一つだけあげると、自由連想は解釈と一体である、ということでしょうか。
よい解釈、よい理解をするためには、フロイトさんがいったように無意識に開かれていなければならず、そのために自由連想やもの想いが大切になってくるのだろうということ。
つまり、クライエントさんにより添いながらも、クライエントさんの論理、物語に流されずに、無意識に耳を傾けることが大切になるようです。
ボラスさんは、ジャズの即興性との類似を指摘されていますが、確かにそんな感じがします。
ケース検討などでも、つい、論理的な解釈に走りがちですが、無意識を大切にして、じっくりとそこにとどまり、わからないことに気づくことが大事になるのではないかなと思いました。
さらに学んでいきたいと思います。 (2018 記)
*
2020年5月の追記です
今、ボラスさんの『対象の影-対象関係論の最前線』(館直彦監訳・2009・岩崎学術出版社)を再読しています。
この本もなかなか刺激的で、いい本です。 (2020.5 記)
*
2023年3月の追記です
今ごろ気づきましたが、ここでも、わからないことに耐えること、がテーマの一つになっているようです。 (2023.3 記)