2015年のブログです
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河合さんと中沢さんの仏教と臨床心理学に関する対談の本ですが,10年ぶりに再読しました。
河合さんはユング心理学を基本に臨床心理学全般を深めたかたですが,晩年は仏教,特に,華厳経にも関心をもたれていたようです。
本書はそんな時期の河合さんが宗教学者の中沢さんに仏教全般に関する講義をお願いし,それを臨床心理学の観点から深めたものと言えます。
内容は多岐にわたりますが,西洋哲学と仏教,キリスト教と仏教,深層心理学と仏教,医学と仏教,科学と仏教などなど,どれもお二人の真摯な対話が続きます。
10年前には読み落としていた点がいっぱいあり,とても刺激になりました。
じーじもさらに謙虚になって,もっともっと勉強を深めなければならないと思いました。 (2015.6 記)
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2021年6月の追記です
久しぶりに再読をしました。
読み返してみると、お二人の間ですごく深い内容が話されています。
駄洒落好きだった河合さんが中沢さん相手にとても楽しそうに対談をされていますが、内容は深いです。
今回もいろいろと学ぶところが多かったのですが、印象に残ったのが井筒俊彦さんの存在。
一神教と仏教を貫く宗教のあり方とでもいうのでしょうか、宗教の本質について述べられているように思われました。
井筒さんの本はじーじも好きで何冊かは読んでいますが、さらに読み返したほうがいいように感じました。
新しい刺激をさらにもらえる、とてもいい本です。 (2021.6 記)
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2023年3月の追記です
数学教師からスタートし、軍国主義や精神主義への反発から、徹底的に科学性、合理性を追求された河合さんが、仏教に興味を持たれたことはとても面白いなあと思います。
真の意味での宗教性に触れる何かを感じられたのかもしれません。 (2023.3 記)
(さいしょに知ったのはハルキにハマっていた時で『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』という対談を読んだ時でした🐻)
言われてみれば、たしかに数学と仏教って、世界が通じているかもしれませんね。さすが、クリンちゃん。博学ですね。
村上春樹さんと河合さんの本は、じーじにとっても大切な本です。
信頼できるお二人の対談は、とても大切な世界を教えてくれているような気がします。