ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

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成田善弘『セラピストのための面接技法-精神療法の基本と応用』2003・金剛出版-成田善弘さんのていねいな精神療法に学ぶ

2024年12月13日 | 精神療法に学ぶ

 たぶん2017年のブログです

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 精神科医で精神療法家の成田善弘さんの『セラピストのための面接技法-精神療法の基本と応用』(2003・金剛出版)を久しぶりに再読しました。

 この本も、とてもいい本なのに、じーじの怠慢ゆえに、かなり久しぶりになってしまいました(成田さん、ごめんなさい)。

 四十台後半、じーじが家族療法学会や思春期青年期精神医学会、さらには、精神分析学会などで学びはじめた頃に読み、以後、参考にさせていただいてきている基本的な本です。

 内容はとても深く、今でも学ぶところがいっぱいありますし、今回も勉強になったところがたくさんありました。

 いい本というのは、こちらの経験が深まるにつれて、学べるところも多くある本のようです。

 懐かしかったのは、成田さんが編者のお一人だった『転移/逆転移』(1997・人文書院)と『共感と解釈』(1999・人文書院)に載った二つの論文。 

 じーじはこの頃、共感や逆転移のことで悩んでいたこともあって、とても勉強になった記憶があります。

 また、この二つの論文集には、当時はまだ大家になる前の藤山直樹さんと松木邦裕さんがすばらしく切れのいい論文を書かれています。

 以来、じーじはお二人の本を読んだり、精神分析学会でじっくりとお話をお聞きするようになったという、じーじにとってはとても大切な本でもあります。

 もう一つ、今回、勉強になったのが事例検討についての論文。

 特に、参加をする際の心構えが丁寧に論じられていて、参考になりました。

 事例提供者にも、参加者にも、両方に役立つあり方が述べられていて、優しく、温かい、成田さんらしい心配りに感心させられます。

 じーじも新潟で事例検討会に参加させてもらっていますが、事例提供者のかたに少しでも役に立ち、かつ、自分でも勉強になるような参加の仕方をさらに考えながら、続けていきたいなと思いました。

 まだまだ、勉強を深めていかねばならないなと思わせられるいい本でした。        (2017?記)

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 2024年4月の追記です

 逆転移は今もじーじの大きな課題。

 患者さんに陰性の感情を抱く時や患者さんに陰性感情を向けられた時はなかなか大変です。

 ただ、精神分析では、治療者が患者さんに陰性の逆転移を抱く時、患者さんも同じような感情になっていることが多いので、その時の患者さんの陰性感情についてさまざまに考えることが大切になると述べられます(これで合っていると思うのですが…)。

 実際にはなかなか難しいことだと思いますが、逆転移からの少しの心的な距離が、新しい展開に繋がることもあるのかな、と思ったりします。       (2024.4 記)

 

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立原正秋『冬のかたみに』1981・新潮文庫-その1・勁く、凛とした、おとなの小説

2024年12月13日 | 立原正秋さんを読む

 たぶん2017年のブログです

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 本棚の上に積み重ねられた文庫本の中に、立原正秋さんの『冬のかたみに』(1981・新潮文庫)を見つけたので、ものすごく久しぶりに読んでみました。

 おそらく30代に読んで以来なので、30年ぶりくらいの再読です(立原さん、ごめんなさい)。

 立原さんは、じーじが20代から30代にかけて集中的に読んでいた小説家ですが、今では同年代の人達くらいにしかわからないかもしれません。

 名作『冬の旅』が有名で、じーじは非行少年たちが主人公のこの小説を読んで、結局、家庭裁判所調査官になりました(この小説を読んで調査官になったという人をじーじはほかに2人知っていますので、この小説の影響力はすごいと思います)。

 『冬の旅』もしばらく読んでいませんので、そろそろ再読をしようかな、と思っているのですが、なにせ、昔、何度も読んでいるので、じーじにしてはめずらしく(?)、まだあらすじをぼんやりと覚えており、こちらはもう少ししてから再読をしたいな、と楽しみにしています。

 さて、『冬のかたみに』ですが、やはりよかったです。

 まったく色褪せていません。

 というか、年を取ったことで、ようやくわかってきたことも多くありました。

 立原さんの小説は文章が美しく、力強く、正確な日本語が特徴ですが、この小説では、特に、これらの点が際立っています。

 主人公が幼少期から韓国の禅寺で育ち、禅の世界でよき師匠に出合い、厳しくも温かく見守られて成長し、精神形成をしていくという小説ですので、物語と文章が鮮烈で、凛として、とても美しいです。

 ともすると、私達は、時代に流され、欲に流されがちですが、そんな弱い自分に喝を入れられそうな感じがしました。

 今後もまた読みたい、いい小説でした。        (2017?記)

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 2020年11月の追記です

 立原さんの『冬のかたみに』を読むと、一度、韓国のお寺に行ってみたいな、と思うことがあります。

 わが家の美人ちゃんばーばが、韓流ドラマに熱中している(?)今がチャンスかもしれませんが…。        (2020.11 記)

 

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