2019年のブログです
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広瀬徹也さん編集の『精神療法の実践的学習-下坂幸三のグループスーパービジョン』(2004・星和書店)を再読しました。
この本は広瀬さんが帝京大学精神科の教授をされていた時に、下坂幸三さんから若手精神科医がグループスーパーヴィジョンを受けた時の記録で、下坂さんの前には土居健郎さんが同じようにスーパーヴィジョンをされていたようで、夢のように贅沢な研究会の記録です。
実際、今回、再読をしてみて、改めて勉強になるところが多々あり、いい本だな、と今さらながら感心をしました。
2004年の本で、じーじが購入したのはいつだったかはっきりしませんが、それにしてもずいぶんのご無沙汰で、もったいないことをしてしまいました。
しかも、前回は、アンダーラインがあまり引かれておらず、当時のじーじは何をしていたのでしょうか、やや不明です。
今回は、アンダーラインも付箋もすぐにいっぱいになりました、エッヘン!(もっとも、どれだけ内容を正確に理解できたかどうかはなぞですが…)。
今回、印象に残ったことを一つ、二つ。
一つめは、患者さんにマイナス感情を抱いた時には、少し冷静に学問的に両者の関係を捉えるようにすると、マイナス感情が薄まることがあるということ。頷けます。
二つめは、最近、よく出てきますが、治療者が早わかりをしないで、患者さんの言葉を、一つ一つ細かく聞いていくことの大切さ。耳が痛いです。
特に、世間的にも常識になっているような言葉、たとえば、共感とか、過保護とか、過干渉とか、そういうなんとなくわかる言葉を勝手に早合点することなく、患者さんにとってのその言葉の意味するところを再確認していくことが大切になるようです。
三つめは、問題行動の中にポジティヴな要素を見出すこと。
しばしば患者さんの回復の兆しが問題行動の中に潜んでいることをスーパーヴィジョンの中で下坂さんは指摘されます。
すごいな、と思いますし、本当に患者さんのことを考えているんだな、ということがわかります。
ひとつだけびっくりしたのは、下坂さんでも仕事が大変で抗うつ剤を飲んだ時期があったということ。
そういうことを正直に話される下坂さんは信用できます。
まだまだ他にも有益な箇所がたくさん出てきます。
こんどは早めにまた、再読をしたいと思います。 (2019.4 記)
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2022年9月の追記です
患者さんにマイナス感情を抱いた時の対応が参考になります。
じーじは未熟者ですので、そういうことはよくありますが(?)、下坂さんが、学問的に、とおっしゃっていますが、少し距離を取って、第三者的な目で見ると、やや冷静になれることもあるようです。
むずかしい実践ですが、頑張りたいと思います。 (2022.9 記)
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2024年12月の追記です
同じ言葉でも人によってその意味する内容が全然違うということはとても大事なことですが、ひょっとすると同じ光景を見ていても、人によってそのその意味する内容が全然違うのではないのかな、と最近、思ったりします。
夫の妻への言葉が、夫は何気ないつもりが、妻には暴言に聞こえる、妻には暴力に体験される、ということはありそうです。
同じように、親の子どもへの言葉が、親はしつけのつもりが、子どもには虐待に聞こえる、虐待をされているように思う、ということもありそうです。
言葉だけでなく、ある人の行動が、他の人には違った意味合いを帯びて体験されるということが、人間関係の争いやこころの傷つきなどには多くあるのかもしれません。
そして、そういうことが、離婚の裁判での主張の違いや、虐待の裁判での主張の食い違いなどに現われているのかもしれないなあ、などと考えたりしています。 (2024.12 記)