ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

藤山直樹『落語の国の精神分析』2012・みすず書房-藤山直樹さんの(?)精神分析入門を読む

2024年12月07日 | 藤山直樹さんを読む

 2016年ころのブログです

     *     

 藤山直樹さんの『落語の国の精神分析』(2012・みすず書房)を再読しました。

 2012年に一度読んでブログを書いていますから(すみません、なぜか(?)消えてしまいました)、おそらく今回が2回目の再読です(たぶん?)。

 実はこの間に1回読んだような気もするのですが、記憶があいまいではっきりしません(藤山さん、ごめんなさい)。

 しかし、やはりとても面白かったです。

 そして、いい本です。

 前回のブログで、

 「藤山さんの精神分析の概念の説明がとてもすばらしいです。

  特に、エディプスコンプレックスの説明は、じーじがこれまでにいろいろ読んだり、聞いたりした中で、一番わかりやすい説明だと思いました。

  ほかの概念の説明も、とてもわかりやすく、しかも、レベルは高い水準をキープしているところがすごいと思いました。

  藤山さんには『集中講義・精神分析』(上・下、岩崎学術出版社)という本がすでにありますが(ブログがありますので、よかったら読んでみてください)、この『落語の国の精神分析』は藤山直樹さん版・精神分析入門と言ってもいいのではないかと思いました」

と書いたのですが、この印象は今回も変わりません。

 精神分析の考え方をおさらいし、さらには、最新の精神分析の考え方を藤山直樹さん流にわかりやすく、かつ、深く展開しているように思われます。 

 そんな中で今回、じーじが学んだのは、エディプスコンプレックスが死と密接な関係にあるという点。 

 ここは前回、まったくつかめていなかったのですが、とても大切なことと感じました。

 子どもが父親を認めることは、父親がいずれ死んでしまう存在であるということに気づくことだという考え、ここは斬新な印象を受けました。

 もう少し考えてみたいと思っています。

 他にも、自分は自分でいい、とか、今言ってもわからないことは言わない、とか、好きなものに打ち込めることだけでいい、とか、大切な言葉が出てきていました。

 今後も、もっともっと、読み込んでいこうと思いました。       (2016?記)

     *

 2022年2月の追記です

 今言ってもわからないことは言わない、というところは、わからないことに耐える、ことと関係しそうですね。       (2022.2 記)

 

コメント

沢木耕太郎『深夜特急2-マレー半島・シンガポール』1994・新潮文庫-ひとり旅を読む

2024年12月07日 | 沢木耕太郎さんを読む

 2018年のブログです

     *   

 沢木耕太郎さんの『深夜特急2-マレー半島・シンガポール』(1994・新潮文庫)を再読しました。

 これまでに書いてきたようないきさつで、なぜかジグザグに出発点に遡るような形で読んでいますが、じーじの場合、これもまたいいのでしょう(?)。

 この巻では、海外へのひとり旅に出ることになったいきさつやその前の大企業に就職が決まっていたのに一日でやめてしまったエピソードなどが語られ、沢木さんの破天荒ぶりにびっくりしますし、なるほどそういうことだったのか、と改めて了解ができるようなことが書かれてます。

 旅の仕方も後の巻に比べるとまだまだ初々しいですし(?)、ニュージーランドから来た同じような若者たちを先輩づらをする沢木さんも初々しく感じます。

 意識してそう書いているわけではないのでしょうが、そういうことがわかるって、文章の面白いところでしょうし、人生にも通じることなのかもしれません。

 そして、沢木さんの魅力は、へんな偏見がないところでしょうか。

 娼婦のいるホテルに長逗留をして、娼婦だけでなく、そのヒモさんたちとも友達になったり、食べ物は現地の人たちが食べるものが一番おいしいと言ったり、構えずに庶民的です。

 なかなかできることではありませんが、理想です。

 なお、今回の巻末対談のゲストは、なんと、高倉健さん。

 沢木さんがモハメド・アリの試合のチケットを高倉さんから譲ってもらい、そのレポートを高倉健さんに手紙で書いて送って以来の仲だそうですが、健さんが本当に信頼して、気を許している様子が窺えて、ほほえましいです。

 そして、お二人がお好きな国がポルトガル。

 やはり、ポルトガルはいい国のようです。

 じいじいのじーじでも、チャンスがあれば行ってみたくなりました。

 さて、残るは第1巻。

 年末の大掃除で見つかるといいのですが…。

 かなりの恥ずかしがり屋さんのようで(?)、上手にかくれんぼうをしていますので、どうなりますやら…。         (2018. 11 記)

 

コメント (2)