ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

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山中康裕『少年期の心-精神療法を通してみた影』1978・中公新書-クライエントさんの「窓」を大切にすること

2024年08月31日 | 子どもの臨床に学ぶ

 たぶん2011年ころのブログです

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 精神科医で心理療法家の山中康裕さんは,じーじが40年くらい前に心理臨床の仕事についてすぐに,偶然,『少年期の心-精神療法を通してみた影』(1978・中公新書)という本を読んで,すごく感銘を受けました。

 以来,今日まで,山中さんの本を読ませていただいたり,お話をお聞きしたりして,勉強をさせてもらっています。

 山中さんはとても熱い先生ですが,学問的にも深く,尊敬できる先生のお一人です。

 その山中さんが,よくカウンセリングでクライエントさんの「窓」を大切にすることについて述べられています。

 カウンセラーがクライエントさんとなかなか心理的な関係を深められない時に,クライエントさんの得意なこと,こころの「窓」になるようなこと,に気づき,そこを大切にすることが関係を深める第一歩になるというお話だと思います。

 箱庭でも,絵でも,詩でも,音楽でも,クライエントさんが大切にしているものは何でもいいのですが,カウンセラーもそこを大切にすることで,おおげさにいえば,人と人との出会いが生まれ,関係が深まり,それが治療的になるのだろうと思います。

 山中さんの「窓」への興味の広さ,深さは,すごい,の一言につきますが,じーじたちも少しくらいならその真似ごとができるかもしれません。

 また,クライエントさんのこころの「窓」を大切にするためには,じーじたちの自身のこころの「窓」も日頃から大切にしておく必要がありそうです。

 いいカウンセリングができるために,自分自身もこころ豊かに生きていたいとつくづく思う毎日です。    (2011?記)

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 2019年5月の追記です

 先日の遊戯療法学会で山中さんのお話をお聞きして感動しましたので、本書を久しぶりに再読しました。

 やはりすごい本です。

 たくさんの遊戯療法による子どもの治療が報告されていますが、感じるのは山中さんの治療における即興性、応答性のすごさです。

 それと、今回気づいたのは、ここでも、こころの状態にあわせて、人物像が変わる、という問題が述べられています。

 精神分析でいうところの、記憶の書き換えのテーマがここでも述べられていて、驚きます。

 心理療法や遊戯療法の意義を再確認できます。

 子どもの治療とは、こどもの自由な時間と空間を保障すること、すなわち、遊びを保障するとと、秘密を保障すること、という山中さんの言葉がこころに響きました。     (2019.5 記)

 


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