ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

田中千穂子『障碍の児のこころ-関係性のなかでの育ち』2007・ユビキタスタジオ-ユーモアのちからに学ぶ

2024年12月16日 | 子どもの臨床に学ぶ

 たぶん2017年のブログです

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 遊戯療法家の田中千穂子さんの『障碍(しょうがい)の児(こ)のこころ-関係性のなかでの育ち』(2007・ユビキタスタジオ)を再読しました。

 この本もずいぶんいい本なのにかなりのひさしぶりで、自分の勉強不足を反省させられます。

 この中では、知的障碍で何らかのご事情から困難に陥ってしまった人たちへの田中さんの心理相談などの援助の様子が描かれています。 

 かなりの事例が描かれ、その困難さを障碍者の人と一緒に少しずつ解決をしていく、あるいは、馴染んでいく田中さんの粘りとていねいなアプローチは感動的です。 

 また、何かとたいへんなご家族にもていねいにより添う田中さんの姿もすばらしいです。 

 そして、それらの援助活動の底には、やはりユーモアの力の大きさを感じさせられる場面が数多く描かれています。

 たくさん学ぶべきところがあった中で、今回、じーじが一番、すごいと思ったのは、ある障碍者の女の子とのプレイセラピー。

 女の子がカウンセラーの田中さんを刀で切り刻むというプレイをした時に、田中さんがその凄惨な場をユーモアで笑いに変えようと、手足をわざと間違えて再生し、プレイルームを笑いの場に変えてしまい、再生の物語に変えていくというプレイをしたところでした。  

 どんなに苦しい場面であっても、ユーモアで切り抜け、生き残り、クライエントを守るという治療者としての田中さんの姿に感動しました。

 あらためてユーモアの力のすごさを考えさせられました。

 もっともっと勉強と経験を積み重ねようと思います。         (2017?記)

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 2024年12月の追記です

 ご紹介した事例は、女の子の行動が激しくて、さすがの田中さんも困難さを感じますが、田中さんの機転のきいたユーモラスな対応で、笑いが生じて、すごく生き生きとしたセラピーになっています。

 田中さんの即興性やユーモアのすごさがとても印象的な事例です。         (2024.12 記)

 

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宮下奈都 『神さまたちの遊ぶ庭』2015・光文社-北海道の「大地」と「人々」の「大きさ」を味わう

2024年12月16日 | 北海道を読む

 2016年のブログです

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 素朴で,穏やかで,温かい小説をたくさん書いておられる宮下奈都さん。

 そんな自然体の宮下さんが北海道での自然たっぷりの生活を記したエッセイ集『神さまたちの遊ぶ庭』。

 とても面白く,興味深くて,一気に読んでしまいました。

 北海道を愛する夫の希望で,福井からトムラウシに移り住んだ宮下さんご夫婦と3人の子どもたちの笑い話のような,しかし,大自然での素敵な生活を綴ります。

 エゾシカやキタキツネ,さらには,ヒグマも出てくるという知床並みの秘境。

 トムラウシは日本百名山トムラウシ山のふもとにあり,大雪山国立公園の真ん中にあるので,当然といえば当然ですが,びっくりすると同時に,うらやましくなります。

 ちなみに,「神さまたちの遊ぶ庭」とは,アイヌ語の「カムイミンタラ」の訳で,大雪山のことを指します。

 大自然とその中にある小さな学校と温かい地域の人々の中で,子ども達はどんどんたくましくなり,おとなたちも変化してきます。

 広い大地と自然豊かな環境は,いつのまにか人々を癒し,成長のエネルギーを与えてくれるのかもしれません。

 近くのスーパーまではなんと車で30分!

 しかし,通勤に2時間以上かかる都会に比べて,どっちが不便だ?!,と著者は静かに訴えます。

 便利さに馴れて,大切なものを見失いがちな私たちに,いろいろなことを考えさせてくれる一冊だと思います。       (2016 記)

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 2023年10月の追記です

 子どもたちが小さかったころ、まだ家族がじーじと一緒に北海道旅行をしてくれて(?)、トムラウシ温泉の東大雪荘に泊まったことがありました。

 とてもいい宿で、特に露天風呂は最高でした。

 翌朝、朝食会場に行くと、登山客でいっぱいで、家族でまとまって座る席がありませんでしたが、登山客のかたが席を譲ってくださって、ありがたかった思い出があります。

 登山客のかたはこころが優しいんだなと思った記憶があります。         (2023.10 記)

 

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