ヨシムラ・サイエンス・ラボ

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北陸の大雪 × 金属タイヤチェーン

2021年01月11日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

本日も富山の大雪の話題です。
先週末から降り続けた雪は、ようやく峠を越えたようですが、道路には押し固められた雪があり、まだまだ交通状態が悪いようです。

冬道に欠かせないのがスタッドレスタイヤ。
スタッドレスタイヤは、いわゆる雪道に対応したスノータイヤで、普通のタイヤと比べて駆動力や制動力をより大きく路面に伝える工夫がされているそうです。
私が子供の頃は、スタッドの付いたスパイクタイヤが主流でしたが、路面のアスファルトを削ってしまう問題があったので、現在はスタッドのないスタッドレスタイヤとなりました。

更に雪が厳しい道路で活躍するのが、金属製タイヤチェーンです。
今回の大雪では、富山市内を運行している市内バスの多くは、このタイヤチェーンを装着しています。



早速、ネットで金属製タイヤチェーンの材質について調べてみると、
金属製タイヤチェーンは、「JIS D 4241:2000 路上走行用自動車―タイヤチェーン」として日本工業規格に規定されていました。
その規格を見ると、金属チェーンの材質は、軟鋼線材SWRM材でした。
SWRM材は含有する炭素量も少なめな鋼材で、あまり硬くはないようです。

金属チェーンが硬すぎると路上のアスファルトを損傷させてしまうからかもしれませんね。

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