ヨシムラ・サイエンス・ラボ

身近な物を材料視点で解説「サイエンスライター」
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精練(せいれん)と精錬(せいれん)

2020年06月21日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

先日、会社の食堂で昼食をとっていると、テレビでNHK番組「サラメシ」が放送されており、軽やかな中井貴一さんのナレーションと共に、福島県にある絹織物会社の絹製マスクが紹介されていました。
その番組の中で、織りあげられた絹マスクをお湯で洗って油や汚れを取る、「精練(せいれん)」という工程紹介されていました。

金属でも「製錬(せいれん)」と「精錬(せいれん)」という工程があります。
前者の「製錬(せいれん)」は鉱石から金属を取り出すこと、後者の「精錬(せいれん)」は不純物の多い金属から純度の高い金属を取り出すことで、たびたび両者の漢字を混同して使用される場合もあります。
もともと「練」は物をこねる意味で、練る(ねる)と読むようで、金属を鍛える意味の錬る(ねる)は常用外漢字のようです。

ちなみに、国語辞典で「せいれん」と調べると、「清廉(せいれん)」という言葉もあり、この意味は「心が清らかで私欲がないこと」だそうです。

金属屋の私にとって「せいれん」と言えば「製錬」と「精錬」でしたが、その他に「精練」や「清廉」もあるとは。
1つ勉強になりました。

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