三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【人体の不完全さを補う“環境”の創出】

2018年02月08日 07時49分27秒 | Weblog


テキスト部分は、5日月曜日の堀部安嗣講演の主要テーマから。
あまりにも平明に語られている主題なのですが、
ここのところ、いわゆる「環境住宅」を巡ってのさまざまな「対話」の
協同者でもある堀部安嗣さんの発言として明瞭だった。
また上写真は、大阪千里の民族学博物館での遊牧民族の住まい内観。

人間はこの地球上で歴史文化を揺りかごに生存発展し続けてきた。
およそ現生人類8万年のなかでは、
いわゆる「定住」住宅というものはおよそ2万年程度とされる。
それ以前は、狩猟採集段階でのキャンプ生活が基本。
さまざまな生存戦略を試してきた結果、農耕という手段を発見して
「定住」することが可能になったというのが歴史が教える真実。
それは同時に人口ビッグバンをも実現してきた。
この遊牧民族の住まいはその「繋ぎ」のような結節点を教えてくれる。
たぶん、狩猟採集経済から農耕に向かった多数派と
このような遊牧に向かった少数派とに分岐したと思われます。
こうした遊牧生活にではなにがもっとも「人間環境」要素として不可欠か、
そんなふうにこうした住宅を考えることができる。
そうすればかれらの暮らしようと、必要不可欠な環境要素が自ずと見える。
それが人間が生み出した住宅というモノの本質的要素。
いわばデコレーションをゴテゴテに追究するのではなく、
本然的な人間環境要素をシンプルに考える機縁。
かれら遊牧生活民たちは、ユーラシア大陸を東西南北に移動する。
その生活スタイルからウマを普通に使役する習慣を獲得し、
そのことが人間が生み出した権力争奪としての戦争に
大きく役立って一時期、世界をほとんど支配するような帝国も作った。
かれらの住宅はいろいろな地域での人間本然が求める
「環境」のありようを明確にしているのではないか、
堀部安嗣さんの発言から、わたしにはこんなイメージが生起した次第。

ちょうど日本建築学会「地球の声」の動きとも、この発言は
ひとつながりのように感じられる部分だったのです。
「環境住宅」というコトバが、ひとつのデザインエレメントとして
扱ってしまわれる危険姓から、
この堀部安嗣発言は、ひとつの脱出軸を示しているのではないか。
どうもカギはシンプルさにあるような気がします。
さまざまな地球上の「環境」に対して
シンプルな「応答方法」がそれに対置されて論議されるべきだと。
それがどんな「デザイン」を最適解として導き出すのかは
可能な限りシンプルに応答することだと思われる。
まぁわれわれは現代的な経済生活環境にあるので、
「遊動」を基本とする遊牧民族とは自ずとデザインは変わるとしても、
基本因子は見出しうるのではないでしょうか?
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【古代地形から歴史想像力を広げる】

2018年02月07日 07時39分35秒 | Weblog
Replan関西版を発刊するようになって、地域の成り立ちについて
基礎的な理解を深めたいと思い、考古や歴史、博物を探訪しています。
日本列島というのは温暖化や寒冷化、さらに火山活動などによって
大きく地形が変化してきた地域だと言われます。
その地形変化の上にさらにコメ農耕社会がアジア世界から集団移住してきて
盛んに地形改造を行ってきたのが日本史の基調だろうと思います。
大規模な地形改造は大きな農産物生産向上に資するワケで
そういう大規模土木工事を起こさせる力、権力集中が国家を生んだことは、
あきらかだと思っています。
後の世ですが、関西地域に比べて開発の遅れた関東地域は
すでに文字記録などが発達した時代にこうした開発が行われたので、
比較的容易にこうした経緯と歴史事実に連関が認められやすい。
しかし、関西は日本にまだ文字記録体系が一般化する以前に
こうした基盤的開拓行為が行われたので、痕跡をたどる必要がある。
どうして古代世界であれほどに「古墳」が営まれたのか、
推定ですがやはり権力者の死という動機が与った公共事業に関わっての
部分が大きかっただろうと想像を巡らせています。
地形改造、具体的にはコメ農地、田んぼをたくさん作るに際して
権力的な強制力を巨大な労働力を持って投入した結果、
大量の残土が生成された。
それを使って、権力者である大王の墳丘となした。
権力と権力者の死に際してそれをもっとも効果的に活用した結果、
あのように古墳は大量生産されたのではないか。
少なくとも初源的動機はそのようだったのではと思っています。

その想像を膨らませていくためには、
古代地形のありようやその背景的地域分析が不可欠。
そんな思いを持って「大阪歴史博物館」を見学していて
写真のような資料にめぐり会うことができました。
「河内湖」といういまは存在しない湖沼が大阪中心部にはあった。
この図をみれば、大阪湾や淀川などとこの河内湖は
船での交通で連絡されていたことが容易に頭に浮かんでくる。
タモリさんではありませんが(笑)、こういうブラタモリ理解は
さまざまな想像力を刺激してくれます。ふ〜〜む。
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【堀部安嗣講演in新住協関西 “環境住宅”にも一石】

2018年02月06日 07時41分51秒 | Weblog


きのうは大阪梅田のTOTO DAIKEN YKK AP大阪コラボレーションショールームで
新住協関西主催の「勉強会」が開かれました。
ちょうど当社の「Replan関西版」も一部が印刷出来たので
協賛いただいた各社に一気にご挨拶も出来ることから
重たい(笑)荷物40冊弱をキャスター付きのバッグに詰め込んで
参加したみなさんにお披露目させていただいておりました。
講演の主役の堀部安嗣にも1冊差し上げたところ、
即座に表紙の住宅やその他のページの住宅を見られて
「レベル高いですね」とお褒めの言葉もいただきました、感謝デス。
仙台から駆けつけられた鎌田紀彦先生にも贈呈したところ、即座に
ある企画も先生から構想を聞かされ、さらに先生の最後の挨拶で
会場のみなさんに対してさっそく紹介されていました。
これは、Replanとしても取り組んでいきたいと思います。
詳細についてはまた、詰めた段階でこの場などにてご案内します。

講演は堀部さんの発表をたっぷり2時間。
3部構成で話されていました。
まずは、「パッシブ」ということにずっと取り組んできたように思う、
という自らの設計活動についての紹介が語られていました。
写真のバイオリン画像はいつも堀部さんのプレゼンでは出てきます。
バイオリンはもうすでにそのカタチは歴史的に決まっていて、
それに対してカタチを改変しようとは誰も考えなくなっている。
そういうことに本質的な「進化」要素はすでになく、
その「音色」「パフォーマンス」の進化向上が図られてきている。
ということとアナロジーさせながら、住宅建築も同じではないかと
論旨を展開させていきます。
最近、堀部さんとは新住協関連でも、日本建築学会「地球の声」関係でも
取材など接触機会がたいへん多い。
Replanの基調テーマとも同じ方向で論旨は非常に同意できます。
いわば「状態をデザインする」建築家として、
その「たたずまい」や「いごこち」の品質について高感度で解析する。
住宅建築が目指すものとして、たいへんわかりやすい視線だと思います。
講演の詳細は、もうちょっと内容を確認してReplan誌面もしくは
Replan-WEBマガジンなどの場で今後発表していきたいと思います。

さてそうした講演でしたが、
会場は満席近い盛り上がり。さらに食事会もなんと45名参加。
狭い会場で移動にも困難がともなうような状態でしたが、
大変盛り上がった会合だったと思います。
神戸で「職人起業塾」を主催される高橋剛志さんが挨拶で、
新住協関西のこの「勉強会」のレベルの高さに驚かれていた。
ボランティア活動である住宅研修会ですが、
ほぼ現在日本の最高レベルの論議内容だったのではないかと。
わたしなどからすると、北海道で高断熱高気密住宅運動が
大きく盛り上がった熱気が、温暖地・関西でいま大きく花開きつつある、
そんなふうな思いが強くわき上がってきた次第です。
「関西地域」住宅メディアとして、この熱気を共有していきたいと思います。
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【食物カロリー管理アプリ“Foodlog”1カ月】

2018年02月05日 06時52分33秒 | Weblog


先日触れた食べ物カロリー管理アプリ“Foodlog”です。
おかげさまですでに利用開始から1ヶ月程度が経過して
その利用実態からいろいろな結果や気付きが得られてきております。
まずは、1月月間(6日開始の26日間のデータが出てくる。
総トータル摂取カロリーは46,755kcalであります。
1日の平均摂取カロリーは、1,798kcal。
その結果、体重は朝の食事前の計量時で約3kgの減量、
というようになってきています。
次回のかかりつけ医での血液検査は3月初めが予定されていますが、
これからまだ、1カ月間でどのように推移するか、まことに楽しみ。
体調的にはまことに順調でして、
「三木さん、スッキリ痩せたんじゃない?」と
久しぶりに顔を合わせる人から言われること数度。
自分自身の別人28号化(笑)、どうも現実化しそうであります。

それもこれも、やはり食事のカロリー管理の効果。
手間は若干かかるとは言える。食前に必ず食品を写真撮影する。
それもiPhoneを必ず持っていなければならない。
いちばんの困難はたぶんこれですね。
家の中で食事するのがとにかく圧倒的に多いわけで、
そのたびにiPhoneの携帯が絶対不可欠。
わが家の場合、わたしの居室は1階で台所食堂は2階なので、
「あ、iPhone忘れた」ということが多発する。
1カ月以上経過してきたので頻度はだいぶ減少傾向。
服装も胸ポケット付きのシャツが忘れなくていいようです。
メニュー1品1品をiPhone画面上で指で画像選択して
それに対して食品名を特定し、分量を概算で計量する。
1カ月分データになると、たくさん食べた食材が画像表示される。
わたしの場合、ごはんが1番で2番目が牛乳、3番が焼きうどん、
4番がバナナという結果になっておりました。
焼きうどん系は娘の好物なのでこの間頻繁に作っていたのです。
バナナと牛乳はヨーグルトをかけてデザートとして食する習慣から。
バナナがごはんに対し40%くらいになっているのが可笑しい(笑)。
ということで完全に「習慣化」してきていますが、
問題は出張時などやお酒を飲むときなど。
酒量はグラスの杯数でおおまかに管理している。
写真を撮れるときはそれで話題が盛り上がったりするけれど、
お酒は基本的にコミュニケーションなので撮影までは難しいですね。
飲酒時は、おつまみ食品メモを忘れないこと。
外食もコンビニで購入する食材には、写真のように「熱量」表示がある。
こういう習慣が付いてはじめてこういう情報をマジメにみた(笑)。
できれば外食店舗などでも提供しているメニューに対して
表示してくれるとうれしいなと思っていますが、なかなかない。

しかしこの習慣化は新しい発見をさせてくれて、
日々まったく気付きに満ちた新生活になっております(笑)。
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【道産野菜ランチビュッフェで誕生祝い会食】

2018年02月04日 06時31分06秒 | Weblog



きのうは娘の誕生日前日。きょうからわたしは出張に出るので
1日前に娘の誕生祝いで食事してきました。
先日知人と一度行っていた札幌近郊の長沼にある
「長沼リストランテ・クレス(野菜のランチビュッフェ)」にふたりと同行。
このお店、農園のなかにあっておいしい野菜料理が食べられる。
わたしはビュッフェスタイルが好きなんですが、
おいしい野菜料理が彩り豊かに満艦飾で食べられて楽しい。
ということで、娘とカミさんのかしましい談笑を聞きながら
たのしい食事のいっときであります。

このランチビュッフェスタイル、1人料金は1,700円のワンメニュー。
冬の間はずっとこのワンメニューなんだそうですが、
どうやらだいぶ人気になってきたようで、きのう
わが家は開店と同時に入ったのですが、その時ですでに10人以上。
開店後も続々とお客さんが押し寄せてきてすぐに満席に。
郊外店とは思われないほどの人気ぶりでした。
なんといっても、最近はスーパーなどで野菜が高いこともあって
日頃のビタミン不足を一気に解消したいという人が多いようです。
このお店のことをカミさんに話したら、
日頃ダイエット食でつらい思いをしている反動からか、
また「野菜たっぷり」という、食べる後ろめたさを封印してくれる
最強のコンセプトが効いてか、
カミさんと娘の表情がみるみる柔和にうるんでいった(笑)。
「そうよね、野菜たっぷり、いいわね」であります。
そういうコンセプト優位性からか、お客さんは女性客が多め。
なにやら幅広い年代層での「女子会」にちらほら男の姿、といった店内風景。
周辺は日高山系の馬追山丘陵が東側に見晴らせ、
西側ははるかに石狩湾・日本海までいたる広大な平野部が広がっている。
農園の中なので、のどかな雰囲気の雪原風景。
3枚目の写真は同店のHPに流れる動画からの夏場外観キャプチャー。
札幌市内からはだいたい1時間くらいかかる立地ですが、
農園のなかの雰囲気を味わえる意味では
これくらいの遠出はむしろ非日常感が適度でたのしい。
パスタや肉料理もあるのですが、
なんと言っても野菜料理がたくさんあって、目にもうれしいメニュー。
このコンセプト、わが家には相当にキラーコンテンツのようです(笑)。
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【性能進化が可能にする“環境”デザイン】

2018年02月03日 06時28分25秒 | Weblog
写真は今回の1.29-30「地球の声」北海道住宅見学の鈴木理さん自邸。
鈴木さんは東京で設計活動を始められてその後北海道に移られた。
この地で設計活動をして行くのに、住宅性能面では
作り手の工務店組織の蓄積された経験知に大きく支えられてきたと
率直に語られていました。この写真はある居室の様子。
北海道では住宅性能が大きく発展したので、
工務店一般の技術レベルが高く、このような大胆な空間デザインが
破綻することなく実現している。
東京でのあるセミナーで建築家の堀部安嗣さんが
住宅性能が向上してきてそれまで無意識にあった設計制約、
たとえば「寒さが避けられないから」北側には居室を配置するような
プランを頭の片隅にも入れていなかったのが、
家中の温度差がなくなって、躊躇なく自由な設計が可能になった、
というように話されていました。
そのような自由は、まったく新しい「住む」体験をユーザーに提供できる。
この写真は、そういった「設計の自由」が端的に表れている。
間仕切りなしで室内に開放された浴槽が
しかも森の眺望に向かって大きく木製窓で開口している。
こういった設計デザインは家中に温度差がないことから
可能になっていることがあきらかです。
一方では雪がもたらす反射光環境というものの積極的な利活用も
再発見的に自然に起こってきているように思います。
雪は寒さももたらすけれどその反射光バウンド光の美しさもある。
写真のようなしずかな雪明かりを快適な室内環境から楽しめている。
日本人の花鳥風月感にあたらしい感覚も芽生えてきているのではないか。
窓面の結露をほぼ心配しないで済む「室内気候コントロール」が実現して
はじめてこういった設計プランは実現している。
内外温度差が冬場であれば常時30°を超えるような環境でも
窓面結露のない入浴を住む人に生活デザインできる、
そういった環境性能の力はなによりも得がたいものだと思う。
北海道にいる人間はこうしたことが実は稀有なことだという感覚すら、
徐々に薄らいで来ているのかも知れない。

冬場の日常生活から室内気候のバリアフリーが実現している。
冬や雪に対してごく自然にあった感覚、寒さや辛さといった感覚を
北海道の住宅では克服する技術がほぼ完成したことで、
こういう性能進化が、北国の生活環境を一変させている事実。
「室内気候をコントロールする」という意味での
環境住宅というコトバの実質を語ってくれているように思われます。
北海道では住宅の作り手たちは、ごく普通に
「環境との応答」のなかでデザインの可能性を探究し、
新たなデザインのためにむしろ、最新の環境工学との協働を志向している。
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【“環境住宅”はデザイン系だけの領域か?】

2018年02月02日 06時56分22秒 | Weblog
さて2日間の日程で、月曜火曜と日本建築学会・地球の声委員会の
北海道住宅見学&セミナーの協力をしておりました。
さすがに15-6人のみなさんの応接なので
はじめてじっくり接触する方もいてあれこれと気働きする部分もあり、
自分の意見を申し述べるという状況にはありませんでした。
また会社を2日間空けていたので、処理対応すべき案件も多く、
ようやくすこし対象化して見られるようになって来た次第です。

建築には、構造、計画、環境工学、意匠といった「領域」があります。
それぞれが一定の独立性を持って絡み合いながら進んでいる。
構造は基本的力学の世界のことなので、
いわばモノそのものの物理の世界。
計画とは、一般的には「都市計画」のような領域でしょう。
で、近年になって住宅などでその室内気候について研究解析が進んだ。
とくに日本では北海道という積雪寒冷条件地域への総体的対応が
明治以降の150年の間に急速にテーマとして浮上し、
どうしたらこの地で安定的に日本人が定住できるか、
その基盤としての住宅建築技術の試行錯誤が繰り返されてきた。
従来の日本家屋技術で建てたのでは、写真のような「お寒い」現実だった。
このテーマについては当然ながら地域としての当事者意識から
北海道がフロンティアとして研究解析に取り組んできた。
そういうなかで領域としての「環境工学」は急速に進化してきた。
この建築領域の協働がなければ現場設計者や工務店組織は
「どうつくったらいいのか」の手掛かりが得られなかった。
意匠とは、こうした基本テーマを踏まえて実践的に「つくる」立場。
もちろん意匠には「芸術」に通じる部分もあるけれど、
まずは環境工学での研究が最優先され、それを尊重してきたといえる。
今日「環境」というコトバは、この「環境工学」的立場が切り開き、
それを「意匠」の立場が咀嚼しながら高断熱高気密住宅として
ある領域形成に至ってきたのだと思う。
だから、北海道ではこうした「環境工学」の立場からの関与が大きく、
荒谷登先生や鎌田紀彦先生などの研究開発努力が基盤を形成した。
鎌田紀彦先生はこうした基盤に立って実践的工法研究開発という
日本の柱・梁で構成される木造工法の技術革新に取り組んできた。
こうした基盤的な研究開発があってはじめて
住宅においての「室内気候のコントロール」ということが可能になった。
外気候にただただ翻弄される「環境」の住宅から人間は解放された。
北海道・寒冷地の人間からすれば、これが「環境住宅」という概念の基本。
現実の建築を作っている設計者や工務店組織は
こうした最新研究に対しリスペクトを持ち、実験にも大いに協力してきた。
高断熱高気密住宅の工法開発はそのように生まれてきた。
今日北海道の住宅からはおおむね氷柱は解消された。

今回の日本建築学会“地球の声”委員会in北大では、
この「環境住宅」というテーマについて、主に意匠系の研究者や
実践者としての設計者だけによって議論が展開されていた。
流れなどもあって、そのこと自体はあるいは自然なのかも知れないけれど、
これまでの北海道での住宅論議ではいわゆる「環境工学」的意見と
現場的な意匠の立場とが相互にリスペクトを持って対話してきた。
このあたりは「主催」としての日本建築学会“地球の声”委員会の考え方と
北海道「環境住宅」との相違というようにも受け取れた次第です。
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【レトルトカレー=松山容子ボンカレーだけの量販店】

2018年02月01日 07時25分29秒 | Weblog
わたしは自分で家事料理に積極的に関わっています。
感覚的にはカミさんとほぼ半々くらいにシェアしていると思っています。
だいたい生鮮食品については週末の「買い物」でまとめ買い。
それぞれでみなさん、お好みがあろうかと思いますが、
わが家の場合は、その機会が結構重要な夫婦の共有時間になっていて
そこでの「ライフスタイルの考え方共有」の部分が大きい。
食べるもの周辺は、やはり生き方の基本だろうと思う次第。
まとめ買いなので重量が重たくなって、
そういうのはやはりわたしの側、男が女に対して優越できる部分。
日常の買い物とはいえ、夫婦の重要な会話機会でもあると思っています。
カミさんも日常性の中の非日常性というような部分で
普段着のまま「モノを選ぶたのしみ」という感覚はあるようです。

で、写真は年末に行った京都の街の「高級スーパー」京都八百一本館。
街のど真ん中にあって、相当に地価も高そうで、
会社自体は百貨店の中の生鮮食品コーナーを運営したりしている。
スーパーマーケット一般としては郊外のいわゆる住宅街の
ターミナル周辺へと展開するのが常識的でしょうが、
業態の古い企業の場合、都市中心部での生活者需要が根強くあるだろうし、
また、集合住宅化してきて人口が漸増傾向にある地域も珍しくはない。
また、周辺の「店舗」などからの需要も多いと思われる。
たぶん周辺のひとびとの所得も高めということを踏まえて
商品えらびについては相当の研究が日夜行われているようでした。
たとえばレトルトカレーは特定商品名ですが、ボンカレーの
それも松山容子さんの笑顔のタイプのみを扱っていた。
ちなみに松山容子さんは1968年の発売以来、
長らく「ボンカレー」(大塚食品)のパッケージモデルを務め、
CMやホーロー看板でも知られる女優さん。ことし50周年と言うことで
記念イベントまで開かれたということです。
1937年生まれと言うことですから御年、80を超えられている。
まぁそのことは置くとして、レトルトカレー商品はほかにもあるだろうし、
消費者側としては商品や価格帯で選びたい部分もある。
それに対して、スーパー側としてこれを「押してくる」。
たぶんそういった個別の商品領域で、京都八百一の目力に叶ったモノだけが
展示販売されていると感じました。
ユーザーに選択機会をたくさん提供するというやり方ではなく、
「これ、オススメ」というように「絞り込んでくる」販売スタイル。

いわゆる「大衆」という平均値が大きくゆれ動いている社会で
こういった販売業でも、生き残りをかけてチャレンジが続いていると
興味深く「買い物」させていただいておりました。
ちなみにわたしは「さつまいも」を1本買って来ました(笑)。
いや、お店の目力が感じられ、その姿形が美しく感じられたのです。
しかも札幌に帰ってから料理して食べたら、出色のうまさだった(笑)。
消費最前線、人々の判断力の推移、教えられる部分が大きい。
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