あっさりと決めてくれました、わが北海道日本ハムファイターズ。
もういろいろなメディアで洪水のように語られています。
セリーグの優勝決定と時期がずれてくれたので、よかった(笑)。
昨年、北海道に移転してくれて以来のひとつのドラマが
夢のように完成したので、ことしはまさか、
いくらなんでも、という思いがあって、負けても淡々と、
それでも若手の選手が想像を超えて元気のいいプレーを見せてくれて、
すごい、すごい、とは思っておりましたが、
なんと、ここまでたどりついてくれるとは想像だにできませんでした。
しかし、経営的に見たら、ことしのファイターズの戦いはすごい。
昨年は新フランチャイズ移転以来、新庄という広告塔があり、
小笠原という古い時代のファイターズを支えてきたバットマンがいる、
という、いわばそこそこに華もあるチームだったわけですが、
そういう高額年俸選手が相次いでチームを去り、
シーズン当初は3番を任せるバッターを固定できず、
試行錯誤していたのですね。
「まぁ、小笠原の穴はそう簡単には埋まらないよなぁ」という感じだったんですね。
それでもなんとか戦っていたのは、ひとえに投手陣と守りの強さ。
ダルビッシュくんを中心にした投手陣の強さは最近でもまれな強さだと思います。
昔の阪神、江夏や村山、小山というエース級が活躍したチームにも
比肩するような投手王国なのかも知れないと思います。
当時とは、投手の役割分担も確立している点での違いはありますけど。
そういうなかで、打撃陣に刺激を与え、
チャンスを掴んでいったのが、小谷野選手や工藤選手といった存在。
小笠原の穴を埋める、とまではもちろんいっていないけれど、
苦しいチームを何度も救ってくれましたね。
いずれにせよ、まだ、ダルビッシュが3年目と若く、
年俸もそうは高くない、稲葉などの野手陣もそうは高額年俸でない、
というような条件で、たぶん選手年俸総額は12球団でも下から数えた方が早いはず。
そのなかにさらに若くて生きのいい低年俸の若手が食い込んできている。
まことに景気の低迷している「地方経済」の
今後の方向性をいろいろに指し示してくれている希望の星。
金はないけど、元気でカバーしてきたチームの優勝です。
もちろん、この条件で優勝できたのは、
選手のマインドを実にうまく管理して、戦い方を冷静に分析して
数少ない「打てる手」を実に効果的に使ってきたヒルマン監督の采配が大きい。
昨年の成功で一番学んだのは、ヒルマンだったのだと思います。
だから、去年よりもさらに厳しい戦力で、打てる手を考え、
的確に打ってこられたのだと思います。
昨年は「たまたま」と言われ続けたと思いますが、
ことしのこの優勝は、現代野球の今後の方向性も示してくれた優勝ではないかと思います。
野球はかならずしも、戦力が充実すれば勝てる、金があればなんでも出来る、
のでは、ないのだ、ということを明確に示してくれました。
地域というもの、経済が良くない、という現実に、
勇気を与えてくれるような優勝だったと思います。ありがとう。
そして今年も再び、頂点を目指して、さらにがんばろう! 北海道日本ハムファイターズ!