ときどきこのブログでも紹介している地域工務店グループ・アース21で
今回、札幌市近郊の厚田近在の自然林を購入し、
それをグループとしてのメッセージ性を盛り込む運動の媒介にしようと計画しています。
昨日はその会、「北の森を楽しむ会」の設立発足会。
北海道の木を使って家を建てよう、とか、
地産地消というような掛け声はたくさん聞かれますが、
いったん、実際に行動しようとすると、
なかなかいろいろな問題点と直面せざるを得ません。
ちょっと前までは、輸入材に比べて高価格で、品質的にも問題がある、
というような問題点が一番大きかったのですが、
そういうなかでも、理念に共鳴してあえて火中のクリを拾うように
挑戦してきた北海道のビルダーさんも多かったのです。
ところが、最近ではそうしたビルダーさんすら
北海道産の木材を購入することが出来なくなってきている現実がある。
昨年から今年にかけての、輸入材の価格高騰が事情を一変させてしまった。
「そんなに高くなるなら、ちょうどいいから地産地消と、宣伝も出来るし・・・」
と踏んだ大手ハウスメーカーや、大手本州資本が
北海道の山の木を買いあさったのです。
突然降って湧いたような需要を前にして、北海道の林業界はあっさり応じた。
そういう結果、地元の中小工務店が一生懸命細々と続けてきた
本来の「地産地消」の動きが頓挫せざるを得なかった。
そんな事態が、進行していたのですね。
一方で、最近の木材の市況では、
あれほど大騒ぎしていた輸入材の枯渇宣伝はいったい何だったのか、
というような「高値の」材料の大量入荷・野ざらし状況があります。
苫小牧などのストックヤードには
空前の高値で調達されながら、買い手のついていない木材が
大量に放置されているのが現実と言うこと。
どうも、海外材の輸入システムのなかに
国内の民需全体の利益を考えて輸出先と渡り合おうというシステムが欠落している。
これは笑えない現実だと思います。
輸入商社とかが、海外の調達先から良いように利用されているのではないか。
その結果が、国内の「原材料高値による」最終消費の不調をもたらしている。
もちろんそれだけの要因ではないにしろ、ひとつの原因であることは明らか。
こういう現実のなかで、地域ビルダーとして、
林業の現実を知り、その未来を開いていく展望を得るためにも、
自分たちでも、森のオーナーになって考えていこう、というのが発会趣旨。
前記したような現実は現実として、
しかし、地域の地元の森をどのように活用して、
未来に向かって、システムとしてどうすれば良き環境を保全していくことが可能なのか、
考えながら、肩の力を抜いて、楽しみながらやっていこうという方向。
試行錯誤しながら、どんな活動が展開されるか、
楽しみながら、参加していこうか、と考えています。
それにしても、どう考えても儲かりそうにはない活動(笑)なんですね・・・。
写真は、ここんところの札幌の散歩道の様子。秋深し、です。