三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

住めば都、かなぁ?~山里の春

2006年04月30日 06時46分42秒 | Weblog

仙台では社宅として賃貸住宅を借りています。
場合によっては、月に半分も東北にいることがあるので
ホテル暮らしも、いろいろ不便に感じられてくるのです。
山形・愛子方面へのトンネルを抜けたところにそのアパートはあります。
インターネットが常時接続可能で、駐車場がある場所で、そこそこ交通のいいところ、
という条件で探したところ、あったもので
あんまり考えずに、まぁなんでもいいや、ということで決めちゃったヤツです。
札幌で仙台の物件を探したので、例の藤原紀香のCMのもの。
まぁ、大きく宣伝もしているから、って軽く考えていたんですよね。

これがとんでもないんですよね。
まぁ、忙しくしているので、あんまり確認もしないで借りちゃったこっちもまぁ
非はあると思いますが、とにかく「寒い」。
半端じゃなく、冬はまず、札幌の感覚から言えば住めた代物ではありません。
でも、すこし落ち着いてから考えたら、仙台の木造賃貸物件という自体、
こんなレベルであるようです。
壁には、まず断熱はされていないと考えられる。
大きな掃き出し窓は単板のすりガラスのアルミサッシ。
よく見てみたら、雨じまいを考えて下のレールには穴もあけられていて
とてもじゃないが、寒冷地仕様という考えはまったくない。
そのうえ、火事を心配して暖房装置はエアコンが1台のみ。
これで、朝方はマイナス10度前後まで冷え込む
仙台市内の山の中で暮らすのには、
相当の覚悟が必要ですね。たき火を禁じられた山里で
テント1枚で過ごすのと、断熱的にはそう、違いはない。
むしろ最近のテントは、気密性が考えられているので
たぶん、それよりも厳しい環境で、みなさん過ごされているのだ、ということが
まさに実体験できた次第です。
とはいっても、ここで冬の夜を「耐え忍んだ」のは、都合10日前後でしょうかね。
こらえ性のないことで、申し訳ありません。
しかし、断熱気密の考えられた北海道の建物に住んでいると
「寒さを耐える」なんて、前時代の遺物的な感覚なんですよ。
ちょっとした仮住まいなので、軽く考えちゃったとはいえ、
選択の考えのどこかで、大手ハウスメーカーを無意識に信用してしまうような
そういうユーザー心理、っていうものが少し理解できましたね。
みんなきっとこうやって、新築だけれど、まったく寒い家を建てているんですね。
そしてそのあと、じっと寒い冬を「耐え忍んで」いるんですね。

ということで、たぶんもう契約はやめようと考えていますが、
ようやく寒さも和らいで、(とはいっても、夜はエアコンずっと運転)
朝方などの散歩もできるような気候になって
周辺を歩いていると、ごらんのような花の季節が巡ってきています。
やっぱ地元の人に聞くと、トンネルのあっちとこっちで
季節感は1ヶ月違いがあるのだそうですね。
花の季節も、普通の仙台で散り始める頃に、
ようやくほころび始めるのだそうです。
まぁ、ようやく東北のきびしい冬を越えたという
実感、身に迫ってくる喜びがあるわけですね。
しかしまぁ、耐え忍ぶ冬の寒さ、かなり辛いものがありましたねぇ。 むむむ。
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「3分間お花見」

2006年04月29日 05時24分37秒 | Weblog

もうとっくにお花見なんて終わっている地域の皆さんには
なんのことかいな、でしょうが、
東北から北海道にかけて、ことしは春が遅いんです。
おとといまで仙台にいたのですが、仙台がようやく満開で
って、たぶん2週間くらい遅い感じで
ごらんのようなお花見風景でした。
場所は、榴ヶ岡公園。最近は仙台、西公園よりもこっちが人気なのかなぁ。
ウィークデーど真ん中でしたが、けっこうのんびりしている方達も多く、
うらやましい盛り上がりの皆さんもおりましたねぇ(笑)。
事務所から大変近いので、ちょこっと花見。
とはいっても、札幌への飛行機の時間までのほんの「3分間お花見」。
でも、いろいろな種類の桜が、まさに響宴という感じで
そろそろ桜吹雪もはじまっていましたね。
なかなか、大急ぎの中にも風情がありまして、いがったです。(笑)って、なまってるなぁ。

東北で桜と言えば、弘前か、角館か、というところが名所ですが
取材で弘前に行っていたスタッフが言っていましたが、
ことしは弘前、もう「桜祭り」始まっているのに、
開いている花びらが、1輪とか2輪とか、という話題で観光客の皆さん
「盛り上がっていた」とか言うことでした。
弘前の桜祭りというと、例年、ホテルも超満員で「どっからこんなに人が集まるの」
状態が一般的ですが、ことしは急に入れた出張の予定でもホテルがとれたんだとか。
この調子なら、GWにも全然間に合わないんじゃないか、ということ。
って、きょうからですねぇ。

さて、それにさらに輪をかけているのが北海道。今週始めには
帯広じゃぁ、雪が降っておりまして、吹雪です。当地の方から
「本当に地球は温暖化しているのかいな」という疑問の声が上がっていました。
一進一退とはいえ、ことしの春は「一退」が続いているようです。
それこそ遅いところでは、花見は6月じゃないか、って言う様子でございます。
ま、それでもすこしずつは春の歩みもあるようで
ややぬくもりのある日も、たまにありますね。
さてさて、いつころ札幌では花見ができるやら、でございます。
ということで、きわめて貴重な仙台の「3分間お花見」写真でした。
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盛岡再生15_外壁・窓まわり

2006年04月28日 05時54分32秒 | Weblog

防風防湿のタイベックシート施行の後、
外壁材が張られます。ここではガルバリウム鋼板が施工されました。
写真左側、真ん中のように窓周りの気密処理を同時にはかりながら行います。
外壁材は、現在の考え方からすれば、基本的には
その内部の断熱層や通気層を保護する、という役割が大きくなっています。
いろいろな素材が使われていますが、
こうした通気層工法が取られるようになって、はじめのころは
もっぱら施工がしやすいサイディングが主流を占めていました。
それは大きくは変わってはいませんが、サイディングもけっしてメンテナンスフリーではなく
つなぎ目のコーキング処理(ようするに糊づけですね)など
きちんとしたメンテナンスが必要です。
それと、やはり素材自体が工業化学製品であり、
どうしても建物の質感に乏しい仕上がりにならざるを得ない。
そういうことから、現在はあまり積極的には採用されていませんね。
通気層工法初期には、施工方法が確立していなかったモルタルも
きちんと工法が出来上がってきたので、
採用が一般的になってきています。やっぱ塗り壁の魅力は捨てがたい美しさがあります。

また、もっと個性的な外観を求めて
この現場のように、ガルバリウム鋼板を使うというケースも増えてきています。
実は私の自宅も、これを15年ほど前に、札幌でも珍しいという頃に使ってみました。
当初は本当に珍しくて、いろいろな設計者の方達が、見に来ていました。
この素材は、鉄板表面をメンテナンスフリーに処理したもの。
サイディングのように化学製品ではなく、本物の素材であり
いろいろな曲げ処理をほどこして独特の質感を楽しめます。
ここでは角波状にしてあって、陰影感が面白い、表情豊かな外観を演出しています。
慣れていない方は、壁に鉄板を貼る、ということにびっくりする方もいます。
いずれにせよ、北海道で結構採用されてから、各地に広がっていったものです。
「北海道で大丈夫なら・・・」ということなんですね。(笑)
車の試験場も北海道に多く、北海道で問題がないなら
どこでも大丈夫というケースはいろいろな業種でみられます。
まぁ、住宅ももちろんそうなっているというわけなんです。
なんか、半分誇らしくもあるけれど、モルモットかよ、というのもあります(笑)。

でもわが家の外壁では、建築後15年ですけど、なんの問題も発生していません。
けっこう、外壁っていろいろなトラブルのあるものですから
そういう意味では、この素材は確かに外壁材として適しているとはいえるでしょうね。
ただ、見た目では角波はシャープな印象を出すのにはいいんですが
柔らかいとか、やさしさとかの印象などは難しい。
そこで、今度は壁面で違う素材を張ってコントラストを演出する、って言う作戦もあり、かと。
わが家の場合は、レンガを積んで対比させてみたりしたものです。

いずれにせよ、建物の印象をいちばん左右する部分です。
性能面をしっかり検討した上で、個性を演出する、調和を考える、など
いろいろな工夫を楽しんでみたいですよね。
また、施主さんの好みが最も表現可能なものでもあります。
みなさん、おおいに悩むのを楽しんでくださいね(笑)。
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盛岡再生14_外壁下地工事

2006年04月27日 06時06分28秒 | Weblog

外壁面の断熱が終わった後、今度は写真左のように
通気層、外壁材下地の胴縁が取り付けられます。
真ん中の写真はその詳細。
縦に取り付けられた胴縁に重ねて、上から横の胴縁が
取り付けられ、「空気の通り道」が確保されています。
「通気層」と言われるゆえんですね。
電気配線工事の結果、開けられた断熱材の穴も
丁寧に気密材で処理されています。
また、縦の胴縁には、構造用合板の端材が使われています。

細かい部分ですが、現場で使われたものを無駄なく使って
あまりゴミを出さず、全部工夫して使い切る、というのは大切な部分。
工務店って、こうした細かい積み重ねが
経営上のポリシーであり、基本的な姿勢なのですよ。
現場がゴミだらけで、ごちゃごちゃと整理もされていない、というのでは
コスト管理への意識というものを疑わざるを得ないし、
口では立派なことを言っていても
単にお題目としてきれいごとを並べているに等しいんです。
ユーザーの皆さんは、ぜひこういう細かい部分からも
「作り手の姿勢」というものをつかんでほしいと思います。
コスト管理の意識がしっかりしていないと
結果的には、無駄の多い工事になり、必要以外のコストまで
ユーザーが負担させられた上に、
そういう経営をやっていては、行き詰まってしまうことにもなりかねない。

さて、その後、防風防湿のシートが外壁面に張られます。
これは、室内側からの万一発生した場合の水分を外に排出するけれど
外側からの水分、一般的には雨などの侵入はシャットする
タイベックという紙製品です。

こうして外壁の下地処理が完成します。
この上から、外壁材が被覆されていくわけですね。
このシリーズ、順に見ていってくだされば、
新築工事でも考え方は、ほぼ同様の工程で行われているので
高性能な家作りの基本的な流れが見えてくると思います。
ぜひ、参考にしてください。
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盛岡再生13_外壁基礎断熱

2006年04月26日 07時39分39秒 | Weblog

屋根断熱に続いて、基礎と外壁の断熱の様子です。
基礎は外側から断熱して、外壁断熱と連続しています。
外壁の断熱が屋根の断熱とも連続しているのは、既出の写真でおわかりいただけると思います。
こういうように構造体全体が、すっぽりと覆われていることが重要。
板状断熱材に印刷されていますが、
これは東北電力さんのグループ会社・エルクが、こうした外張り断熱による
リフォーム用の工法として、推奨しているシステムのポイントマーク。
断熱材の表面側がシルバーに被覆されています。
断熱性能の向上を意図して開発されているということだそうです。
左側の写真には横にタル木が張られています。
これは外壁材の下地を構成すると同時に、通気層を確保する意味合いもあります。

どうでしょうか?
このシリーズで紹介した既存の建物とは大きく様変わりしていますよね。
こういうようにきちんと断熱され、気密化されて、
はじめて室内環境のコントロールが可能になります。
夏に涼しく、冬には十分に暖かい住まいが、こういう仕様で実現します。
ここでは外張りでしたが、GWの充填断熱でも工法は確立しています。
住宅の性能って、実際に経験してみないと
言葉だけでは、なかなか伝わりにくい。
口だけでは、高性能住宅です、暖かいです、とどんな営業マンもいうのですが、
一冬過ごせば、おのずと本物・ニセモノははっきりすると思います。

便利な機能とか、設備の快適性ばかりを考えず
長期にわたってのこうした「ここちよさ」にぜひ、
理解を持っていただきたいところです。
とくにこのお宅のようなリフォームで性能向上が図られると、
その快適感は、とても表現できないほどになります。
住み慣れたわが家が、まさに一変しちゃうんですよね。
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朝日の「国家戦略」連載

2006年04月25日 05時57分30秒 | Weblog

あんまり政治系の話題は、避けてきたのですが
でも、最近、やっぱりよき政治が大切なのだと感じます。
すこし、ブログでは書いてみたいな、ということで
住宅ネタとはちょっとかけ離れますけど、お許し願います。
このあいだちょっと、中ロの露骨なエネルギー国家戦略に触れたのですけど
こういうエネルギー問題などの「国家戦略」を考えることは、
家庭での身近な「熱源」問題にも直結すると思います。
けっして無縁な話題ではないんですよね。

朝日新聞で最近、というか2~3日前の紙面から中面で
「日本の国家戦略」についての特集企画記事が、連載開始しています。
初日の記事には「日本では国家戦略アレルギーがあり・・・」というくだりがあって、
思わず、苦笑してしまいました。だって、アレルギー的にいちばん嫌ってきたのは
ほかならない朝日新聞だったと思うからです。
「あんたがいちばん、戦略論を妨害してきたんじゃないか」というわけですが。
批判はあるけれど、でもきちんとこういう論議を社会にし始めたという意味では
朝日新聞の、オピニオン自体はいいことだと思います。
ぜひみなさんこの連載、読んでほしいな、と思います。
逆にいうと、朝日新聞もこういうことを正面からいよいよ
取り上げねばならなくなったのかなぁ、というのが正直な実感。
さて読みはじめて気づくのは、記事では、
日本には明確な国家戦略はない、なかった、という前提で構成されていること。

さっそく、ここで疑問。
戦後の国家運営をほぼ一貫して担ってきた自民党政権には
本当に国家戦略はなかったのか、という点。
その論の根底には、よくいう「対米従属」が、日本の国家戦略に値しない、
という考え方があると思いますが、
それって、すこしおかしいのではないでしょうか?
民主主義国家、選挙を通しての国民の民意によって
政治が運営される国家にとっての「国家戦略」とは、その大部分が、
国民の基本的な権力選択・選挙によって、国民の意思として
反映されているのではないのでしょうか。

日本という国、国民って、歴史始まって以来、初めて明確に国家として
「敗戦」を経験して、そこでまことに潔く、そのことを受け入れた国民だと思うのです。
天皇制の維持、という1点だけは条件としたと思われるのですが
それ以外については、まったく「無条件降伏」を選択したと言えます。
こういう国民性というのは、戦勝国家アメリカにとっても
多分はじめての経験だったのではないでしょうか。
まことに希有な敗戦態度だったことが、
まず戦後を大きく規定した、明確な「国家戦略」だったといえるのではないか、と思うのです。
基本的には、日本の戦後社会はそこからスタートしました。
戦争を戦って、負けた相手に対しての
誠意ある従順なる態度、が基本的な「国家戦略」だった。
まぁ、そうでなければ国家としての日本の存続はありえなかったし、
それが日本人の国民性にも合致した態度だったのではないでしょうか?

社会党などの反対勢力が、こういう潔い外交態度を支持しなかったことが
自民党支配という、長期固定的な権力のありようをもたらしてきたと思います。
日本人的には、真っ正面から戦った相手には敬意を持てるけれど
火事場泥棒的に領土を簒奪した「社会主義陣営」に味方しよう、なんて、
一貫して訴えてきた「野党」の政治センスのなさは、驚きですよね、一種の。
権力は常に腐敗するし、そういうことは自民党政権で数多く発生したけれど
国民は、その度にお灸はすえながらも、基本的には権力運営は
一貫して、自民党にゆだねてきたゆえんだと考えられます。
で、この国家戦略、単純に悪い言葉で言えば「対米従属」という路線と、
こう書けば、だれだって「それはちょっと」とはなりますが、
冷静に考えて、それ以外の選択肢って、ありえたのか、
そして、それ以上の選択肢はあり得たのか、と考えたら
ある意味で、非常に優れた国家戦略だったのではないか、と思えるのです。
この「国家戦略」は、基本的に戦後の平和国家・日本を創造するのに
大きな原動力になったと思います。

戦後世界の中で、最強の軍事国家アメリカときわめて友好的な関係を
常に心がけてきたというのは、「国際紛争の解決手段としての戦争を永久に放棄した」
平和指向国家ニッポンとしては、まず第1級の最善手だったと思うのです。
そして、こうした路線を国家戦略とはいえない、と否定ばかりする必要は
けっしてない、と考えるのですが、いかがでしょう。
日本の国家戦略を考えるとき、こういうポイントから
きちんと確認していくことが、大切なのではないでしょうか?
自分たちの立っている位置、その流れをわきまえておくことが
冷静に国家のありようを論議していく出発点になるのでは、と思う次第です。
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盛岡再生12_屋根断熱気密

2006年04月24日 07時02分04秒 | Weblog

この住宅は外張り断熱を採用しています。
断熱は構造体の外側で、ぐるっと建物全体を「隙間なく」断熱材で包み込む工事になります。
写真で紹介しているのは、屋根の断熱の様子と、
構造体と取り合う部分などの気密工事の詳しい様子。
とくに右の写真は、壁の立ち上がり部分と屋根断熱の合わせ部分ですね、
すっぽりと建物全体を覆うと同時に、
その断熱層がきちんと連続していくように気密化させなければなりません。
断熱材同士の接合部など、慎重に気密化されている様子が分かります。

関東以南地域で、よく言われる言葉に「あんまり高気密にすると、湿気がこもったりして
健康にも良くないから、中気密でいいんだ」みたいな論議があります。
どうなんでしょうか?
どうも、換気計画、および開口部の位置や大きさによる通気の工夫と
この気密化をあえて対立概念に仕立てて、筋違いに反論していると感じます。
室内の空気環境の保全はしっかりした換気計画が基本。
そのうえで、夏場など、日射の遮蔽や、風の通り抜けを工夫する必要があると思います。
それと、温度環境をコントロールできるようにする
建物本体の「気密化」は、別のことでしょう。
このようにきちんと気密化することではじめて
暖房や冷房の計画がきちんと立てられるようになるのだと思います。

北国の住宅性能の核心的な部分ですので
ぜひ、ユーザーの皆さんは、こういう工事内容について
自分の建物の性能を一番担保する事柄なのだと、認識してほしいと思います。
こういうベースに立って、そのなかでの楽しい「暮らしをデザインする」ことが、
本当に豊かなものになっていくのだと思います。
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盛岡再生11_壁構造補強

2006年04月23日 06時18分20秒 | Weblog

軸組の柱や梁の継ぎ足しや取り替え、金物による補強などを
入念に行って、それだけでも十分なほどに構造はしっかりされてきますが、
この現場ではさらに、耐震性の強化、構造の更なる強化を図る意味で
構造用合板による壁の耐力向上を行っています。
写真左は既存のモルタルをはがした状態のもの。
既存では軸組の柱。間柱に対して横板が張られ、その上に塗装下地のフェルト
その上にモルタル塗装が施されていました。
今回は、写真中央のように一度柱・間柱に還元してから、
写真右のように、構造用合板が壁の全面に張り渡されています。

こういう構造用合板による、在来工法の強化は
やはりツーバイフォー工法の影響があると思います。
在来軸組工法は、柱・梁といった線で持たせる考えの工法ですが、
それをもっと進めて、面的な剛性も持たせていく考えなのですね。
同時に気密性もしっかりはかられるので、
高性能住宅では、一般的によく行われているスタイル。
こういうリフォームのときに、考えうる現代の構造技術をしっかり織り込むことで
ここからさらに長期に、この建物の延命をはかっていく
そのために「できることはやっておく」というのは、こういうポイント。

少なくとも、大掛かりにリフォームを考えるのなら
表面的な使い勝手の機能性アメニティ向上ばかりに目を奪われず
こういった基本的な耐久性向上のためにコストを幾分か、
配分するように考えていただきたいと思います。
もちろん予算って言うものは、必ず限りがあるものですが、
案外、こういう構造補強に要するコストというのは
ピンからキリまでの設備機器の幅のようには、そう大きくはならないと思います。
ただし、こういうきちっとした工事がしっかりできる工務店を
しっかり選択しなければなりませんね。
北海道などの寒冷地で仕事している工務店ではあたりまえに
こういう技術は、きびしい競争の中で自然に身に付いてきているのですが、
性能競争というよりは、目先の「受注競争」に目を奪われている
地域のビルダーの中には、首を傾げるようなところも散見されます。
ぜひみなさん、賢い消費者・施主さんになってください。
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盛岡再生10_大工技術

2006年04月22日 06時13分35秒 | Weblog

盛岡の家、シリーズ10回目です。
前回に引き続き、構造の補強の様子です。
最近は新築ではプレカット、と呼ばれるシステムが圧倒的に普及してきています。
これは、CADに書かれた設計図を入力してやると、
自動的に必要な構造材を、マシーンカットしてくれるもの。
建築現場に運び込んで、現場ではほぼ組み立てるだけで
きわめて短期間で、「建て方工事」が終了できるのですね。
木造の工事が合理化されたという意味では、すばらしいと思います。
でも、たとえばこうした写真のような「構造補強」といった現場では
左下写真にあるように、その現場の状況に合わせて柔軟に対応できる、
大工造作技術が不可欠になります。
長い年月を耐えてきた古い構造材をできるだけ生かしながら
その建物の建築当時以上の構造強化を図るためには
継ぎ足すように「新材」で補強していかなければなりません。
そうすると必然的に、現場で採寸しながら、組み手部分も「工夫しながら」
長期的な構造性能を発揮させる大工技術が求められるのです。

こうした技術は、しかし、プレカットの普及とともに
かなり希少なものになってきていると思います。
もちろん合理化自体は当然のことだし、それを後戻りさせることは難しいと思います。
でも一方で、いまある建築の再生利用とか、
サスティナブルな建築を考えていけば、当然こういう技術の延命も必要。
技術って、案外簡単に「消えてしまう」ものでもあるのです。
私たち自身だって、昔はできたことが、必要がなくなって
今もう一度やれと言われても、にわかにはできない、ってこと多いですよね。
身近な例で言えば、わが社の建築工事のときに頼んだ電線の露出配線。
あのときは、北海道でもうその技術を持っていたのは
たったひとりだけで、ホントに技術が消えてなくなる寸前だったんですよね。

そういう意味では、リフォームは、技術を持っている工務店にとっては
大きなチャンスなのだ、ということはできますね。
量的には日本の所帯数の総計を大きく上回るストックがある住宅業界。
必然的に、「いまあるものを、長く延命させて利用可能にする技術」
というものが、社会から求められてくると思うのです。
そのときに、適切に建物を診断し、良好な性能を足していけるような
頼りになる工務店であってほしいと、思いますね。
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PDAタイプのケータイ

2006年04月21日 07時40分22秒 | Weblog

Vodafoneって、あんまり繋がらない3Gとかで有名になったりしていましたが
このたびわたし、めでたくこのケータイをゲットしました。
メーカーはノキアという確かスウェーデンの会社から出ているヤツ。
前から気になっていまして、Winを使っているとフツーにできるようなことが
Macユーザーにはけっこうハードルが高いものがありまして
ケータイとのスケジュール同期など、専用ソフトを使わないとできないとかの
制約が多いのですよ。
まぁ、このあいだブログで触れたように
WindowsをMacで起動させて、そういうWinでしか使えない環境というのは
そのように利用するのも手ではあるのですが、
って、いろいろ試し始めてはおります。が、
イマイチ、めんどくさい。
そこで気になっていたのがこいつなんですね。
なんといっても、bluetooth接続ができる、っていうのがいい。
面倒なケーブルを使わずにケータイとMacでスケジュール同期が一発。
というのは、ほんの序の口の使い方で
このケータイのために1冊本が出るほど、マニアックな使い方ができるんです。
いろいろなフリーソフトが出回っていて、初期のパソコン普及期のような
ユーザーの雰囲気が感じられるんですね。
ケータイで究極までいろいろな可能性を広げていくというツールなんですね。

でも、便利さの陰には「思いっきり使いづらい」という側面もあります。
って、なんかおかしい書き方ですが、
確かに便利なんだけど、そのソフトのインストールとか
めっちゃマニアックな世界なのですよ。
メーカーのヘルプを受けられない世界で勝手に盛り上がっているので
スマートなインストーラーとか、存在しないんです。
だから、呪文としか思えない、見たこともない拡張子の
データをあっちへやったり、こっちへ置いたりと
わけわかんない手順が複雑にあるんですね。
なんか、チョー不自由なんだけど、めっちゃ自由な世界,って言う感じです。
とはいっても、わたしはそんなフリークではありません。
ほんのちょっと、2~3の基本的なものが使えればいいくらいなので
あんまりハマってはおりません。
ちゃんと住宅関係の仕事はやっておりますので、ご安心を(笑)。

でもまぁ、若かったらこういうの面白そうですよね。
最新のPodcastなんかも、見ることができるようです。
満員電車の中でこれでPodcastニュースを見ていて優越感に浸っています、
なんていう投稿をユーザー間の意見交換の中に、見たりします。

さて、すこしづつ中年親父としても新規参入してみようか、と。
いつだったか、兄貴にお前はオタクの先駆けみたいなヤツだ
と言われたこともあるので、やっぱすこしわくわくしております。
いい年して、っていわれるかなぁ?
ちなみに、値段自体はヨドバシで「1円」でした。
難しいから売れていないのか、キャンペーンなのか?
って、購入決定動機は、そのあたりでしょうかね。やっぱ、ケチ男くんということで(笑)。
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