三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

道東・野付半島でシカとたわむる

2015年09月21日 06時42分54秒 | 出張&旅先にて


みなさんシルバーウィークいかがお過ごしでしょうか?
わたしは、カミさんとクルマで足を伸ばして道東へ。
一気に根室半島と知床半島にはさまれた野付半島まで。
ちょうどエビがカラダを丸めているような
形状の半島で、日本最大の砂嘴(さし)なんだそうです。




ということで、前に道東を走ったときには、
「あそこまで行っていたら、時間が足りなくなるよね」
ということで、先っぽの方まで行くのは断念していた場所。
今回は、時間にゆとりのあるシルバーウィークということで、
走ってみた次第であります。
天気もこっちの方に来るほど回復してくれて
雄渾な雲と青空というダイナミックな構成で楽しませてくれます。
やはり道東の魅力は、シンプルな天地のおおらかさ。
単純に雲のうつろいや形状の変化に驚くみたいな部分。
で、道路もどんどん走って行くと左右に海が見えるという
「海の中道」状態が眼前に展開致します。
で、ネイチャーセンターをさらに奥に走ったのですが、
いわゆる半島本体部に差し掛かるあたりからは
一般は通行できなくなっています。
ラムサール条約での自然保護という観点からの処置なのかなぁ。
で、ネイチャーセンターに戻って、ひと休みした後、
今度は、砂嘴の先端部分の「トドワラ」に向かって徒歩での散策。
往復にはたっぷり1時間はかかりますが、
その上、絶景が広がっていて、いくらいても楽しい。
広大な海の中のプールの中を歩いて行くようです。
広い天地にのんびりと癒されます。
そこからの帰り道、途中には野生のシカさんたちが草を食んでいる。
あんまり人間から危害を加えられることがなく、
またエサを与えるようなひとも少ないからなのか、
こっちを警戒する風もなく、また媚びるようでもなく、
ごく自然な様子で、周辺の植物をゆったりと食み続けておりました。
よく、野生動物との共有の時間は、
なにか、生き物としての原初的な脳の部分が働いて、
人間の意識を支配してくれるので、無上に癒されると聞きます。
時間的には10分程度の遭遇なのでしょうが、
そんなことを想起させてくれる時間を過ごすことができました。
シカさんたち、ありがとう。






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正調・ガード下焼き鳥店

2010年07月21日 07時45分06秒 | 出張&旅先にて




きのう、小石川の凸版印刷でセミナーがあり、
その帰り、銀座で知人と会う用事があり、
そちらへ向かうことになりました。
凸版印刷は、最寄り駅は飯田橋。
とはいっても、15分くらいは歩く。
ようやく飯田橋に着く頃には、猛暑で汗びっしょり。
いやぁ、35度以上の暑さは、カラダに効く。
で、飯田橋から銀座と言うことで、
移動が地下鉄ならば、ということで、有楽町線で有楽町へ。
下りてから、これも10分くらい歩く。
ということで、どうせならと、以前によく通ったガード下を見ていくことに。
この写真の場所は、有楽町から新橋方面へのガード下。
有楽町からは500mくらいの位置でしょうか。
ひっきりなしに電車が通って、
話していても、なんども聞き取れないくらいの騒音の中の店。
通路に対してほとんどオープンな店で、
混み合ってくれば、ビールケースを脚にして
板を渡して即席のテーブルを作って
どんどん通路が埋められていく。
独特の昭和の東京サラリーマン文化のメッカ的雰囲気になる。
とくにきのうのようなクソ暑い日になると、
こんな雰囲気の中で、ビールでのどを潤したくなる。
まさに垂涎というような、状態であります(笑)。
建築的にも、ガード下のコンクリート打ち放しの屋根ドームが
場末とも、近代そのものとも、
なんとも言えない独特の情緒性を持っている。
個人的には、歴史的文化遺産としてユネスコに申請したくなる(笑)。
ちょうど通りかかったのは4時前だったのですが、
早引けの人たちか、猛暑の中、盛り上がりはじめる寸前の
穏やかな空気感が漂っておりまして、
思わず引きずり込まれるような風情満点であります。

まぁ、東京の魅力って
いろいろにあるのでしょうが、
こういう廃れない人間くさい風情がしぶとく残り続けている、
そんなところもきわめて面白いと思いますね。
人を驚かす巨大で豪勢な建築もそれはそれだけれど、
こんな風景の中の建築とは言えない空間性も
ものすごい存在感を持って迫ってくるものがあります。
いかがでしょうか?






北のくらしデザインセンター
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街角の招き猫

2010年07月20日 08時02分58秒 | 出張&旅先にて




きのうは朝、札幌を出て
午前中の東京へ移動。
本日、業界関係の講演会・イベントに参加であります。
で、きのうは熱中症で19人が倒れたという炎暑の中、
都内を仕事で行脚しておりました。
さすがに、35度以上という暑さはきびしい。
でもまぁ、湿度はそうは高くない感じがいたします。
カラッとした暑さで、
いつもの、高温の大気にたっぷりと含まれた湿度が
全身にまとわりついてくるような感覚はそれほどでも。
暑さの感覚を科学すると、
こういった湿度と温度と日射線の強さ、
それに風とかの体感的部分が複合的に感覚されるものなのでしょうね。
北海道・東北では、
寒さの感覚について、かなり研究が進んでいると感じますが、
このあたりの暑さの体感感受性について
どのように論議すべきか、まだ目盛りがないように思います。
まぁまだ不勉強ということなのか、
そういう論議には意味が見いだされていないと言うことか。

っていう次第で
歩いていたのですが、ふと地下鉄後楽園駅の近辺道路で
こんな置物を発見しました。
配置されている位置が微妙で、
ちょっと隠れるように鎮座しておりました。
空間としては、公園敷地なのかと思われるので、
公共的意味合いがあって置かれているのでしょうか。
でも、招き猫とこの公園には連関性は認められない。
公園管理者の側で認識があるとすれば「黙認」くらいか。
だとすると、お地蔵さんのような意味合いで
縁起物をあえて撤去すれば後難があるかもと心配している。
というような推測が働きますね。
ちょっと不思議ながら、
まぁユーモラスな姿形に、思わずシャッターを切った次第(笑)。

さて、今週土曜日に迫ってきました、イベント。
Replanがプロデュースする、実際に建っている建築家関与の住宅を見学できるバスツアーの企画です。
今回は、4事例のご紹介で、
宮島豊さん、遠藤謙一良さん、平尾稔幸さんの事例。
参加費は無料。詳しくは、
北のくらしデザインセンターイベントのご案内
で、ご確認ください。以下、案内文の抜粋です。

「北のくらしデザインセンター」フェア 2010夏 開催!
~建築家に「なんでも聞ける」家づくり相談会
「北のくらしデザインセンター」フェア 2010夏 ~
◎ 開催日時 :2010年7月24日(土)10:00~17:00
◎ 開催場所 :パナソニックリビングショウルーム札幌(札幌市北区北9条西2丁目1) 3階ショウルーム・6階会議室・7階ラウンジ
◎開催内容
 ●建築家住宅・バス見学会
 ●建築家と一緒にまわるショウルームツアー
 ●家づくりの相談コーナー
 (セミナー/スライド上映/パネル&模型展示/ワークショップなど)
◎参加費用 :無料
ぜひ、お申し込みいただきたいと思います。どうぞよろしく。






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好きな花・ルピナス

2008年06月12日 05時47分59秒 | 出張&旅先にて

ことしは、余裕を持てなくて
ひたすらこもって作業するような仕事が多く、
外を楽しむようなことがなかなかできません。
ということですが、2日間ほど会議参加で車で遠出したもので、
車窓から、初夏の北海道の季節感を感じて参りました。
出かけたのは、旭川・美瑛・白金温泉。
きのうは帰り、富良野に下りて、そこから林間道路を走って
高速道路は三笠に抜けるコースを取りました。
白金温泉から札幌まで、約3時間の時間ですが、
この林間コース、この時期に人気が出てきているのか、
以前からは考えられない車列が続いておりました。
ふだんは、というか、わたしも5~6度くらいしか走っていませんが、
まぁ、ほとんど人家もまばらで、途中町もありませんから、
かなり走れる(笑)、道なのですが
あまりスピードは出せませんでして、助かりました(笑)。
ありがとう、たくさんの観光バスのみなさん!

で、道端のあちこちに
咲いているんですよね、この時期、ルピナス。
和名では「昇り藤」という呼び名。

ルピナス属(-ぞく、Lupinus、英 lupin)はマメ科の属の一つ。ルピナスの名はオオカミに由来し、吸肥力が非常に強い特徴を貪欲な狼にたとえたものである。和名はハウチワマメ属(葉団扇豆属)。根生葉が掌状複葉であることから付けられた。また、花の様子がフジに似ており、花が下から咲き上がるため、ノボリフジ(昇藤)とも呼ばれる。
耐寒性または半耐寒性の一年草または多年草、一部灌木状になるものもある。地中海沿岸地方と南北アメリカ、南アフリカなどに200種以上が分布している。葉には長い柄があり、草丈は50cm~180cmくらいになる。春から初夏にかけて、雄大な総状花序をなし、蝶形花を多数咲かせる。宿根ルピナスの大きな物では、花穂が60cmにもなる見事な花になるが、暑さに弱く、暖地の気候にはあまり合わない。この属は、アメリカ、地中海沿岸地域などに分布し300種類以上ある。古代には食用、飼料用として利用された。日本では、明治期に緑肥用作物として導入されたが、現在はもっぱら園芸植物として栽培されている。
(以上、wikipediaからの抜粋です)

という花なんですが、
わたしなど、北海道の生まれの人間には、
野の花の代表っぽい感じを抱く花。
小さい頃、ようやく温暖な季節が到来するこの時期に
そのよろこびを表現するかのような花ぶりが印象に残っているのです。
3歳まで暮らした田舎でも、その後、札幌市内でも北大の広大な構内で野遊びしていて
巨大な夕焼けが空を染めるまで過ごすこどもの時間、
この花が記憶の背景を成していて、
ひとりで、車を走らせている時間、そういう想念で満たされておりました。
わたしだけなのでしょうか、
そうした幼い頃の記憶を呼び覚ませてくれるような花、
というのは、なんとも甘美な、いとおしさが募ってくるものです。

wikipediaでの記述を見ると、
日本在来種ではなく、北海道の土壌改良を目指して
欧米から輸入され、それが気候風土にマッチして
いまでは野生化したようにどこにでも咲き誇っている、ということなのでしょうか?
いっとき、楽しい時間を取り戻すことができた気がしました。


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応援したくなるキャンペーン

2008年05月26日 06時03分31秒 | 出張&旅先にて
負けましたね(笑)。
今回は岩手県安比高原から車で仙台まで戻り、
そこから新幹線で東京に移動したんですが、
高速パーキングエリアで、なにげに目に飛び込んできたのが、
ごらんのボード広告看板。

どうも、こういうめんこい子どもを使われると弱いのは
広告の基本中の基本ではありますが、
わたしはもう、無条件で降伏してしまいます(笑)。
でも、この手できたか! という爽快感があって、すばらしい。
あ、わたし、基本的には広告畑出身なので、
広告手法的な部分で、そのコンセプトとか、考えたりするワケなんですね。
ヒットする広告って、色々な条件が重なり合ってのものなんですが、
そのなかで一番大きいのが、
いまの世間の感覚っていうような部分に対する感受性。
そういう条件のなかで、いかにして与えられた広告主の条件にマッチした
訴求ポイントを打ち出すか、が最大の考えどころなんですね。

この広告主は「半田屋」さんという仙台発祥の大衆食堂。
まぁ、安くて、腹一杯食べられますよ、
というわかりやすい企業メッセージを持った会社なので、
きわめてオーソドックスにいっても、メッセージ性は強いとは言える。
イメージ的に「どんぶりめし」というものがあって、
それを引き立てる脇役に、このめんこい子どもの表情を持ってきたのですね。
うん、いい、うまい!
とくにこどものほっぺたに御飯粒がくっついている辺りの
自然な演出がまことにハマっている(笑)。

この宣伝広告、いつ頃から始められたかはわかりませんが、
どのような反響になっていくのか、
興味が湧いてきますね。
国が進めている「メタボ」撲滅キャンペーンに対して、
「メガ」メニュー流行、というような反発の流れが出てきていますが、
この子どもの笑顔には、「メタボ」撲滅キャンペーンをまとめて粉砕するような迫力がある。
まぁ、それはそれ、なんですが(笑)、
なんとも応援したくなるキャンペーンです。

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新高輪プリンス・飛天の間

2008年05月25日 06時12分52秒 | 出張&旅先にて

プリンスホテルというと、いろいろ問題が指摘された経営で名高くなったのですが、
ちょうどきのう、卒業した大学の同窓会が表題の場所で行われていましたので、
前から一度、見学もしたかったので、行って参りました。
で、バブル時代の華やかさを表徴するようなエントランスでした。
表側から入っていくと、こういう室内噴水装置が来客を迎えます。
きのうの場合は、それほど多くはない参加者でしたので、
まさにゆったりとこういう装置を見学することができました。
おとといは日本を代表するデザイナー・亀倉雄策さんがデザインした
過剰な造形感覚のリゾートホテルを見た次第なのですが、
それにも増して、まぁまぁ、「よくやるなぁ」と唸ったところ。
地上階から、地下の飛天の間にいたる回廊が
機能としてのこの空間の意味なのですが、
こういう妖艶な空間装置をイメージするというのは、単純にすごい。
非日常性を訴求し、来るものの期待感を高める、というのがデザインの目的なのでしょうが、
ひたすら人工的素材だけで、都市的に造形してみたというところ。
なにか、歴史的建造物をみるような感覚に襲われました。
そうかも知れません。
20世紀終盤の都市・東京のある時期の
ある切実なリアリティが、ピンナップされたまま、時間が経過してきている。
そういう感覚が受け止める側に生まれてくる気がしますね。

きのうはなぜか、こういう同窓会とかのラッシュ的特異日なのか、
高校の同期会も、東京支部会総会が行われていました。
そちらのほうは気の置けない仲間内で2次会に顔出し。
東京での夜は、なかなか更けていかないようで・・・(笑)。

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馬を見に行く

2008年05月10日 06時13分27秒 | 出張&旅先にて
久しぶりに「競馬場」というのに行ってきました。
昔はときどき(汗)行ったことがあったのですが、
まぁ、さすがに最近はギャンブル系はとんとご無沙汰。
っていっても、ギャンブルが目的ではありませんで、
坊主が「馬を見たい」ということで「ばんえい帯広競馬」に来たわけです。
そういう目的なので、競馬場の出入り口手前にあった
「馬の博物館」みたいな建物にふらふらと・・・。
写真は、そこのなかで「馬の歴史」みたいなスライドショーがあって、
その一コマ。馬の先祖の動物、なんだそうです。
後ろ足なんか、ちょっとネズミの足に似ていなくもなくて、
きっと体高も低くて、小動物と言えるくらいだったのかも知れませんね。

そういう、まことに勉強になるところを抜けて、
いよいよ、競馬場ですが、
一日5レースとかで、到着してから1時間ほど開始まである。

で、ふと見ると、
「ビギナーのための案内所」みたいなのがある。
最近の馬券って、マークシート方式で自動販売機で買えるのですね。
なので、記入の仕方を教えてくれている、ということ。
「で、アタリ馬券はどう買えばいいのですか?」
ってとぼけて聞いてみましたが、
残念ながら、そういうのは「わたしにもわかりません(笑)」ということで。
やむなく、お馬さんをパドックに見に行く。
わからない。
しょがないので、タダでもらった出走予定表と、オッズ掲示板をみながら、
人気を見て、馬券購入するお馬さんを3頭選定。
で、くだんのマークシートに記入。
そうすると自販機から馬券が出てくる。
わからないし、適当なので、購入は100円券で2枚、200円。
こういう少額のでもいいのですね、最近は。
レースが始まって再びびっくり。
なんと、途中で停まっちゃうんですよ。
障害の坂が3カ所ほどあって、そこを超えるのに息を整えて
一気に登るのですね。
さすがに人気の馬は力強く乗り越えていきますが、
何頭かは、いちばんの山場でへたり込んでしまうようなのもいる。
立ち上がれなくなって、重いソリを外してもらうようなのまでいる。
っていうようなようすが、間近で展開していて、
馬券がどうこうよりも、馬がかわいそうになってくる。
レースの結果はそっちのけで、
さぼっているのか、反抗しているのか、の馬の方が心配になってきます。

っていうような体験で、都合400円ほどの投資でしたが、
めでたくオケラということで、
嵌らなくてすんでホッとしております(笑)。
負け惜しみですが、それよりも、馬の人間くささ(?)に
わが身の境涯なども重ね合わせるような気持ちになってしまった次第(笑)。
まぁ、お馬さんも大変だ、という体験でした。
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売上目標を持たない企業

2008年05月09日 05時55分28秒 | 出張&旅先にて

六花亭本店の正面壁面に張られていた告知です。
「吉野家に学ぶ」と題されて、発表されていました。
吉野家は米国産牛肉の輸入停止発表の時点で、牛丼の販売を休止しました。
「早い、安い」というキャッチフレーズの企業ながら、
その企業姿勢には、うなずく部分が大きかったと思います。
米国産牛肉というよりも、牛丼としてのうまさを追求していったら、
ある特定部位の牛肉に行き着き、
それが入手できないということになって、代替を考えられなかったということなんですね。
いや、「考えなかった」ということでしょう。
当然売上はまったく低下する。
吉野家は苦しかっただろうと思います。
それでも、あえて、代替牛肉を使わないで、豚丼やらのメニューで
なんとか乗り切ってきた。
多くの消費者は、こうした姿勢の吉野家をどう評価したのか?
一消費者としてのわたしは、けっこうその後も足を運んでいました。
新聞などのメディアも、好意的に「吉野家の業績」などを掲載していましたね。
米国産牛肉問題では、こうした吉野家の姿勢に米国は感謝すべきだと思いました。

今日、国内産のバターが生産量の低下に追い込まれているとか。
お菓子屋さんとしての六花亭にとって、
こういう事態って大変な事態だろうと思われます。
で、六花亭としては入手できる納得できる品質のバターの総量の範囲に
生産そのものを少なくします、と宣言しているのです。
そして、食に関わる企業として、
「売上目標を持たない」というように自らを規定していたのです。
売上目標を持たない企業。確かに、今日の右肩下がりの経済、
人口減少社会での企業活動を考えれば、そういった考え方も理解はできる。
しかし、企業とは常に最大効率を求める存在でもある。
このような宣言を生み出す企業の論理はさてどういったことになるのか?
経営の指針は、いったいどう考えていけばいいのか?
場合によっては、外部の株主から訴訟だって提起されかねない。

こういう宣言を可能にして、しかも企業存続させていける
そういう経営方針って、どのようなものなのか、
ふと一枚のこのメッセージペーパーに目が釘付けになって
深く考えさせられてしまった次第です。
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中札内美術村

2008年05月08日 05時56分39秒 | 出張&旅先にて

十勝といえば、やはり六花亭。
お菓子屋さんですが、地場産業として有力な企業。
もともとは札幌の千秋庵さんの十勝での別会社としてのスタートらしいのですが、
いまでは、堂々たる北海道を代表するような企業。
お菓子に文化性を盛り込んで、それを楽しませるような姿勢がすばらしい。
わたしが一番、感激したのは「ひとつなべ」というお菓子。
これは変哲もない、なべ状のモナカの中にあんが入っているお菓子なんです。
でも、そのネーミングに込められた物語がいい。
十勝は、晩成社という民間の開拓団が入植した地域なのですが、
国からの支援もなく、まさに自力更生のイバラの道だったそうです。
お金もなく、希望だけを持って北海道の大地に挑んだのですね。
そういうひとたちには、たくさんのお鍋を持参するゆとりがなかった。
で、開拓に必要な家畜もいっしょに連れて行った。
なべは、一家にひとつしかない。
しかたなく、ひとも家畜も「ひとつなべ」で食事を作って食べた。
そういうことを今でも忘れないように、という意味でお菓子に名付けた、
ということなんだそうです。

十勝のひとからこんな話を聞いたんですが、
ちょっとうつむき加減に話す、そういう語り口にも、
心打たれる部分が感じられて、素朴な風合いのお菓子に感動したのです。
で、やっぱり、そういう名付けのお菓子を作る企業姿勢に親近感を抱かされる。
その六花亭が運営しているのが、この写真の中札内美術村。
中札内の道の駅から5分ほどの場所にあります。
この美術村は、広大な柏の森の中に美術館が点在しています。
現在は4つの美術館と、食事のできるレストランなどがあります。
十勝でも大変好きなところで、何回か来ています。
今回は中谷有逸さんという地元の画家さんの風景画の一品に感動しました。
のですが、ここは一番ステキなのは
ゆったりとした柏の森を周遊しながら美術鑑賞する、という仕掛け。
「この森、美術館をわざとこんなところに作っているの、いいね」
というような坊主の感想でしたが、
やっぱりそういう部分は、誰にもわかりやすい。
背景としてのこの森は、美術品との出会いをさらに豊かに演出してくれる。
ちょうど、去年の枯れ葉が冬を越して残っている様子。
木でデザインされた小道も、脚にも目にもやさしくて
気持ちのいい時間を作り出してくれている。
六花亭では、この木の道をモチーフにしたチョコレート菓子も作っていました。
自分たち自身で、ブランドを作っていこうという姿勢に
いつもながら、畏敬の念を感じさせてくれます。
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満開・展勝地の桜

2008年04月24日 06時13分15秒 | 出張&旅先にて

きのうは盛岡の石割桜をご紹介しましたが、
ものの本や情報を見てみると、石割桜の品種はやはり、
エドヒカンザクラというのが正しいようです。
わたしの欲耳(?)のせいで、エゾと聴き間違えたものと思います。
この品種に何かを掛け合わせたのが、ソメイヨシノだとも聞きました。
って、申し訳ありません、これも伝聞ですね(笑)。
どうも桜の品種がどうこうというのは、不粋ということでしょうか。
単純に桜の美しさを楽しめればいいと思います。

今回の出張では、岩手県がメインでしたので、
仙台からの行き帰り、どうしてもここを見たくて、
早朝、行って参りました、北上・展勝地。
北上川の流れに沿って広がる河岸公園一杯に植えられた桜並木。
東北各地、色々な桜の名所がありますが、
便利が良くて、いちばん見に行くことができる場所です。
っていっても、今回のような満開ぶりは初めて。
芽吹きはじめる新緑と、淡いピンクの桜のコントラスト、
ゆったりとした北上川の流れ。
やはり、東北中でも1,2を争う名所と言えるでしょう。
早朝、7時台だったので、まだ散策している人も少なく、
まるで、満開の桜をぜいたくに楽しめました。
桜の木の間には、ツツジの木も植えられています。
こちらはもう少し後から、これもいっせいに花開きます。
こっちもいい風情で、楽しみではあるのですが、
今時期は新緑で、桜にコントラストの色合いを提供しています。

この展勝地、みんなの篤志で植えられた桜が育ってきて名所になったものとか。
弘前城の桜や、角館の桜が武家由来の歴史性を感じさせるのに対して、
大変庶民的で、好感ももてる次第です。
いっとき、癒される光景にうっとりさせられておりました。
大変、命冥加な思いをいたしました、ありがとう。
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