ひとそれぞれ、住んできた家って、
そういう居住体験って、違いがあるものだと思う。
わたし自身の居住体験って、
考えてみれば、たいへん変わった居住体験を過ごしてきていることに
あらためて気付いた次第です。
わたしは、いまは北海道岩見沢市に編入された「栗沢町」の農家住宅から
居住体験がはじまるようです。
3歳になる前に札幌に移転して、市内中心部に住み着いた。
その家で、家業が食品製造を営んだので
毎年のように、いまでいうリフォーム工事が行われていた記憶がある。
商売の関係で建物設備への活発な投資が必要だったのですね。
それこそ、まるで生き物のように建物が改造変化されていく。
でもついに間尺に合わなくなって
満10際になる頃には、全面的な建て替えを行った。
そのときには、仮住まいのために建設会社の土場の2階を借りていた。
それはそれで、面白い体験として強烈に記憶に残っている。
徒歩では通学できなかったので、バス通学も経験して
新鮮な感覚がうれしかった記憶がある。
商売を始めて7~8年くらいで工場設備付き住宅を
全面的に建て替えたのですから、まぁいい時代だったのですね。
その住宅も、毎年のように手を加えていた。
工場の棟はブロックで作ったりしていたのです。
新築の家には、ずいぶん思い入れを感じていたように記憶している。
大工さんの作業を飽きずに眺め続けていた。
一度、大工さんの工具に手を触れたら
それまで優しかった大工さんの表情が一変して
「だめだ!それにさわるな!」とこっぴどく叱られた。
家族が多かったので、その家族の個室を全部は作れなかったのですが
やがて、工夫して個室をくれたりした。
その家も、建てて7~8年で
前面道路の拡幅工事のために敷地が買収されることになったので
わたしが高校に通う頃、15~16の頃には
売却して移転することになった。
それまで60坪ほどの敷地でやっていたけれど、
移転先は300坪ほどの敷地を確保することができた。
・・・、そんなような居住体験を経てきています。
考えてみると、ずっと建築工事と付き合ってきたような
そんな少年時代だった気がします。
13~14年くらいの間に、実に多様な家に住んでいた。
そんな経験が、いまのような仕事のベースの体験として
何らかの影響があるのかも知れないなぁと、
最近になっていろいろと考えてきている次第です。
で、そういう体験って、
生き方とか、暮らし方っていうようなものに
どんな影響をもたらすものなのか、
ちょっと興味を持ち始めているところなのです。さて・・・。
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