三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

おいしいと思える外観

2010年08月31日 06時17分14秒 | Weblog




飲食店の外観って、
それだけの情報で、そこで提供される食べ物が
おいしいか、おいしくないか、
即座の判断を求められる最たるものですね。
建築というものの意味が、
そのひとの経験値に組み込まれて、
総合的な判断として結果するように認識の仕組みが出来上がっている。
そば屋は、大体のパターンが存在し、
そういう了解の元で、印象のなかでの比較検討がある。
それは、定型的なパターンを踏む方向で大部分は向かうけれど、
一方で、革新的に違うパターンを創造しようとするケースもある。
こういう部分は、亭主の感覚の部分なので
そういう味を巡っての対話が
店ののれんをくぐる前に勝負が行われているのですね。
で、ある程度、納得してから客は店に入ってくる。
そこからが、雰囲気とか、器とか、
さまざまな勝負も続く・・・・。
まぁ、そういう全体を楽しんでもいるわけですね。

これって、一般の人と建築というものの関係性で
いちばん重要な意味を持っているかも知れません。
なにしろ、ことは、食べることに直接関係する本然的部分。
その時点での直接的しあわせに直結している。
そのような経験値は、外食の習慣が一般的になってくると
必然的に増えてくるものでしょうね。

一般的に、そういう経験値と比較して
「いごこちのいい家」っていうものの体験経験値は
一般の人には、どうしても不足するのは当然なのか?
自分が住むべき住宅については、
その選択の有り様を考えたら、
この飲食店舗を選択するほどの徹底した感覚の動員はないように思える。
いや、そうではないかも知れない。
たとえ、定型的なマンションを選択するときでも
その立地性に対しての鋭敏な選択はどん欲に追求されているものかも知れない。
そういう感覚動員はあり得るものかも知れない。
一般的に「注文住宅」っていうものの本質は
このような「どう暮らしたいのか」というイメージの世界。
納得できる暮らし方のための背景装置の必要十分条件検索は
そのひとによって違いはあるけれど、
いわば選択力、想像力の部分で、「施主」としての力というものはある。
建築的言語での知見はなくとも、
それを感受する力量、それを使いこなせる力量のようなものは存在する。
たぶん、わたしたちのように
年間で200も300も注文住宅を見続けていると、
そういった施主さんの力が見えてくるケースが多い。

そういう意味では、
まだ注文住宅を建てていない人は、
外食店舗への感受性を磨くことが、
いい家、というもの、雰囲気というものへの感受性を鍛えていく
格好の手段であるのかも知れませんね。
みなさん、いかがお考えでしょうか?






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中国との付き合い方

2010年08月30日 06時29分09秒 | Weblog




さてきのうのテーマからの続編的なことを・・・。

明治の時に、
世界の民族国家間戦争の時代に急速に対応した日本
鄧小平の指導によって改革開放し
グローバル経済の時代に急速に対応した中国

どちらもよく似た「開発独裁」的な政治と官僚機構とで
短期間に世界の最前線に自国の位置を押し上げてきた。
欧米的価値観世界に対応するのに
日本の方が、より小国なので、政治的には対応が早くできた
というか、その後の民主主義の浸透にも
歴史的に「野党」の存在があった分(江戸期の外様大名など)
長く皇帝権力体制が続いてきた「革命の国」中国とは
対応力に差があったということでしょうか。
今日、この時点で言えば、
開発独裁型は中国の国情に似合っている部分の方が色合いが強く
経済運営を強権的に進められる分、
中国の方が、対応が早い部分があって、グローバル経済の時代には
こういう政治体制の方が似合っているのではないかとも思える。
しかし、国内的にはまごうことなく「独裁国家」であって、
民主も法制も、浸透はしていない。
また、浸透したときにどうなっていくのか、予断は許さない。
そもそも、12億人の社会が機能的に民主主義を実現できるのか、
場合によっては、とんでもない「民主主義」が発生する危険も感じる。
いずれにせよ、
中国という国家は、そもそも多民族国家であり、
それも現状は、中央地帯を支配している漢民族主体の政権であり、
それがイデオロギーと武力で他民族を強制的に同族化させているプロセス。
そして三国時代ではないが、
結局、漢民族の世界も、大きくはいくつかの地域国家に向かう
地政的必然性を持った社会であると言えると思います。
ちょうど、ドイツとフランスと、南欧地域というような
ヨーロッパ・EUとよく似ている。
そういう社会の特徴は、多様性の受容という経験値が高い。
一方で日本社会は、多様性というものに対する寛容度が低い。
簡単にヒステリー的な民族主義・排外主義が興りやすい。
たぶん、中国を中心にするアジア世界での日本に対する反発の根源は
ここらあたりの部分に対する歴史的教訓が伏線としてあるのだと思う。

歴史的には、
日本は、この超大国国家と、ずっと向き合い続け、
朝鮮のように近すぎなかった幸運の元、
比較的、相対的独立性を維持できてきた。
いまは、経済的には切っても切れないような関係性の中にあって
付き合いが、深くなって行かざるを得ない。
隣人関係は選べない以上、調和的関係を志向していかねばなりません。
そう考えれば考えるほど、
歴史的な関係性の把握って、きわめて重要だと感じさせられますね。

写真は、旭川郊外の「大雪窯」さんの庭にあった茶室。
きのうは、このお庭の中で、いろいろな
催事が行われて、参加しておりました。
そのうち、書きます。





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明治の国家デザインからの脱却

2010年08月29日 07時15分17秒 | Weblog




さて、きのう書いたことの続きです。
地方政府レベルで、北海道という自治体のなかでの
30年後論議が行われたわけですが、
傍聴していて、感じ続けていたのが、
日本の基本的人口、社会問題の視点の欠落です。
まぁ、言ってみれば基本哲学の不在、という問題です。

人口減少予測というのは、ずっと行われてきているのですが、
それは、これまでのような社会体制を前提としてのことであり、
それが永続的に続いていくのなら、という前提条件なんですね。
で、この「前提条件」について、非常に疑義を感じている。
日本の経済は、近代国家としてスタートを切った明治から
富国強兵、戦後で言えば経済大国という明確な目標を持って、
そのために官僚制度が、合目的的に仕組みを作ってきた。
で、その場合の「前提条件」は、
「民族国家」概念だったと思うのです。
それまでの、鎌倉時代以来~徳川政権に至る、
封建的武権による国家体制が転覆された段階で、
欧米と肩を並べるような国家を想定したときに、
徳川政権を倒す、ひとつの有力手段として天皇制の徹底活用があった。
この時代の世界の基本的趨勢であった、「民族国家」を日本で構想するときに
天皇制という存在が、効果的と考えられた側面が大きい。
それまでの、直接的権力を持たない形式的存在であった天皇制を
そのように生な、統治手段に持ってきたのは、薩長政権の基本戦略だった。
明治の段階で、天皇制は大きく変化したことが歴史的な事実。
そして、その段階で生まれた近代国家(を志向する)官僚機構にとって、
この天皇制はきわめて有用だった。

で、今日、この「民族国家」概念というのが、
世界的に大きく揺らいできて、
とくに、経済のグローバル的な進展の結果、
企業には基本的に国家意識というようなものは存在する必要はなく、
市場と経済原則にのみ忠実に従えば、
もっとも安く生産できる場所で生産し、もっとも大きな市場に対して
商品を投入していくことのみが、追求されることになる。
コストの高い場所で生産を維持する必要は企業の基本原則からすれば
まったく意味を持たないことになった時代に、
「民族国家」単位で、国家経済をどうするという議論をしても
そもそもからして、意味がないと思える。
逆に言えば、こういう時代に国家というのはどうあるべきなのか、
もっと論議が起こらなければならない。
今の世界では、アメリカと中国という
一方は歴史的な移民国家と、他民族国連型国家という存在が
大きくなってきているのが基本的な趨勢。
伝統的な民族国家集合・ヨーロッパも、
EUという共同体・国連型に移行しようとしている。
中国というのは、基本的に多民族国家であって、
ほぼEUと似たような国家であり、その先達とも言える。
中華、というひとつの世界観の中で多様な民族が覇権を争い続けてきたのが
中国という世界だということができます。
近代の歴史で見れば、清朝を滅ぼし最後に中華世界を支配しようとしたのが、
日本民族だったのかも知れない。

で、こういう政治と経済の世界的な変化の時代に
急速な近代化の結果として、人口の急増と急収縮という
問題を抱えることになったのが、日本の現状。
これを、民族国家という考え方だけで乗り切っていこうというのは
どう考えても時代認識が間違っているとしか思えない。
そもそも、弥生から中世に至る時代には
日本はむしろ、積極的に移民を受け入れ続けた国だった。
百済王敬福という百済の王族系統は、
600年代の東アジア国家争乱の結果、日本に亡命・移民した民族の末裔であり、
当時の王朝から、関東への移住定着を命じられたというような歴史もある。
かれらは優秀な金採掘集団を抱えていたようで、
東北地方での金発見・採掘に尽力したことで
のちに「陸奥守」に就任している。
日本の黎明期には、そういった事例はそれこそ無数であり、
大陸の進んだ制度・文化をもった渡来人は
日本の国家建設において基本設計に携わったのが現実だったのだと思う。
そもそも日本、という国号自体、また、中国皇帝に対する天皇という表現自体、
深く中華世界との関係性、その発想の基盤において
「渡来人」たちの知的レベルに大きく依存していたに違いないと思われます。
日本というのは、中華世界から見て
「日の出ずる方角にある」ことから命名されたことが明らかですね。

こうした出自から考えて
そもそも日本は、移民型の国であったというように言えると思います。
これからの国家運営を考えるときに、
こういった視点が、どうしても不可欠なのではないか、
いつまでも明治の時の、世界に追いつくための民族国家概念に縛られていては
これから、行く末を間違えるのではないか、
そういった思いを感じ続けているところです。







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30年後の地域計画

2010年08月28日 08時06分39秒 | Weblog





きのうは札幌市内で2つの会合とシンポジウムがありました。
ひとつは新住協の断熱耐震同時改修・長期優良先導事業についての会合。
これは、リフォームで最大200万円の補助金が受けられる
工事の内容説明と、申請事務などについての打合せ。

で、もうひとつは
写真のような会場風景でのシンポジウム。
建築工学系の室蘭工大・鎌田教授が
なんと、コーディネーター役になって
それも、どちらかといえば、都市計画的なテーマについて
司会進行していくという催しだったのです。
それもテーマが30年後の北海道の地域計画を考えるというもの。
人口が減少していって、
それでも豊かに暮らしていく基盤を考えようという企画。参加者は
パネリスト
長野 克則 氏(北海道大学大学院工学研究院 教授)
五十嵐 智嘉子 氏(社団法人北海道総合研究調査会 専務理事)
平野 浩司 氏(北海道美幌町経済部 部長)
鈴木 大隆(北方建築総合研究所環境科学部建築環境グループ 研究主幹)
コーディネータ
鎌田 紀彦 氏(室蘭工業大学大学院工学研究科 教授)
という構成でした。

さぁ、なかなか論点整理も出来るのかどうか、
たいへん難しそうなシンポジウムだったわけです。
パネラー各人の発表もバラエティに富んでおり、
福祉と経済、建築と都市計画、エネルギー戦略というような
大きな領域特定はかいま見えていたと思います。
とくに、北総研の鈴木さんから
1次産業・2次産業人口構成の発表があり、
そのなかの2次産業構成が北海道は他地域と比較して
たいへん少ない、という現実が示されておりました。
わたしも、実家が2次産業なもので、
つい、意見を書いてしまったら、シンポジウムで一定時間、
題材にされまして、そのうえ、「職」を作る
ということが、すべての問題の基本になる、という方向に話が進んで
ちょっと、話の論点を惑わしたかも知れないと、反省しておりました。
鎌田先生からは、
「北海道地元出身の人からはこういう見方があるんだとびっくり」
「それも、リプランさんからこういう意見が出るとは思いませんでした」
などと、論評を加えられまして、困っておりました(笑)。

しかし、北海道は
この春から、独立行政法人として、6つの研究団体が統合して
道総研というかたちに変化して、
地方公共団体としてのシンクタンク機能を果たしていくことになります。
発表の中では、地方自治体の経営問題への切り込みなど、
きわめて実践的な視座も示されて、斤未来的な論議のテーマが見えました。
建築の利用の仕方、再生利用の仕方、エネルギー節減によって
地方自治体の予算規模を圧縮させるという取り組みなど、
建築と地域計画のクロスする部分が明瞭になったと思います。
わたし自身もたいへん興味を持った次第で、
今後とも、こういう領域のテーマ、考え続けていきたいと思っています。







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小沢一郎の立候補

2010年08月27日 07時09分54秒 | Weblog






どういう経過なのか、
よくわからない部分があるけれど、
小沢一郎が、民主党代表に立候補した。
菅直人、という男の考え方がどこらあたりにあるのか、
よく見えないけれど、
お金の問題で、ずいぶん叩かれている小沢が
このように立候補するというのは、
相当の考えがあってのことなのだと思う。
それが、単に先のダブル辞任からの菅直人への意趣からなのか、
それとも、それ以降の菅直人の政治運営への危機感からなのか、
どちらともまだ言い切れない。

せっかくの鳩山と小沢のダブル辞任で
民主党に追い風が起こったのに、
それをすべて帳消しにしてしまった菅直人の消費税発言。
向こう6年間は、ねじれた状態に日本の政治を追い込んでしまった、
その責任は、きわめて大きい。
そうではあるけれど、だからといって
お金の問題で、スキャンダルを執拗に追求されているかれが、
正面から、そういう問題を突破しようと考えるのは
かなりの覚悟を感じさせる。

ここは有権者の側も、よく考えるべき所だと思う。
日本の現状にとって、なにが「もっとも大切なのか」という点。
いうまでもなく、日本と世界の現状を見たら、
非常時であることは明白だと思う。
今日の世界の情勢の中で、日本は強いリーダーシップを必要としている。
経済の問題も、結局は強い市場へのメッセージが
権力の側から感じられない、という要因が大きい。
中国のような開発独裁型の権力でもない限り
世界中の民主主義国家は、こういった事態への対応がむずかしい。
そのような情勢の中で、日本が今、切りうるメッセージカードとしては
小沢一郎というカードは、確かにもっとも強いカードにはなりうる。
権力というのは、結局中心人物の個性が色濃く出るものなのだと思う。
まぁ、確かに小沢になったからといって、
それだけでなにごとかの進展や変化があり得るのか、
明確ではないけれど、
ひとつひとつの政策に、強い意志が見えてくる可能性は高い。

検察がなんども立件しようとしたけれど、
叶わなかったような問題程度で、
こういうカードを使用不能にすることは、
日本にとって、国家にとって、
どこまでの意味があるのか、わたしにはわかりません。
ただ、そういう不条理は克服すべき問題として
どのように対処していく考えなのか、
そのあたりも、確かに注目すべき点ではあると思う。
9月14日まで、経済や市場はこの結果を待たねばならないのかも知れませんね。






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雲の記憶

2010年08月26日 06時07分20秒 | Weblog






わたしは、記憶が残っている範囲でいえば
3才から住んでいるので、成長期の記憶はこの地でのもの。
なので、ほとんど札幌っこ、といってよく、
自然の記憶も、原風景的にはまったくそのようであると思っています。
雲の記憶、っていうような言い方って
そんなのがあるかどうか、わかりませんが、
折に触れて、季節感や自然への感じ方の部分で
あ、と思えるような瞬間では、そういう記憶がよみがえるようです。

なんか、わかりにくい書き方で申し訳ありません(笑)。
こんなことを気にするようになったのは、
大学生の頃に、東京で生まれ育った人たちと知り合うようになって、
「わたし、地平線を見たことがない」
みたいな会話があって、信じられずに問い返した経験があるんですね。
自然への対し方で、こういった経験の差って大きいなぁと思ったのです。
たぶん、単位面積あたりの建築物の数が、
首都圏地域では圧倒的に多くて、
自然を感受するにも、そういう人工物が必ず介在するのだ、
というような新鮮な驚きを感じたのですね。
でも、その後、関東での暮らしも経験すれば、
確かに、人工物は多いけれど、
いかにも、「板東太郎」的な雄大な雲の流れもあるし、
天地の大きさを感じる自然の景観も数多く体験もしました。

まぁ、そんな体験って、
きっと多くの人が感受していることだろうと思います。
で、わたしの場合、札幌にいて、
どっちかというと、北側の空を見続けてきた経験が多い。
札幌は、南が大きな山塊に区切られていて、
むしろ北側に向かって視界に広がりがある街。
北側には、石狩川の流れがあって、
その石狩川に沿って、雲が異形な姿で盛り上がる、
というような光景を繰り返し見続けている気がします。
写真は、けさの、わが家から見た北方の景色。
低い位置にさまざまなかたちの雲が発生している。
嵐のときには、この形成される雲がまるで地をはう、恐竜のようで
子ども心に、畏怖とも憧れともつかない、
印象を持ち続けていたように思います。

雲は、その地域の地形や、
季節風の方向などの条件から、ある程度決定される部分があるでしょうから、
こういったわたしの印象にも
何らかの根拠はあるのだろうと思っています。
小学校で、なんとか雲っていうのは習った記憶がありますが、
地をはうような雲と、上空のうろこ状の雲、
なかなかにドラマチックだなぁと思えます。
考えてみると、こういうふうに
小さいときからの記憶に残っている自然感覚につつまれて暮らせる、
っていうのは、しあわせなことなのかも知れません。
本日は、まことにとりとめのない、
それこそ、雲をつかむようなテーマで申し訳ありませんでした(笑)。







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基礎の断熱

2010年08月25日 05時55分13秒 | Weblog






次号、Replanでのリフォームページでは、
北海道R住宅の施工事例と同時に、
新住協による、長期優良住宅先導事業の
「断熱耐震同時改修プロジェクト」についての特集記事も掲載します。

この「断熱耐震同時改修プロジェクト」は
かかる費用に対しての性能パフォーマンスがきわめて高く、
断熱と気密についての原理原則を理解しているビルダーが施工すれば、
金額的に廉価に、暖かく耐震性能も向上するリフォームが実現します。
まぁ、実際のリフォームでは
外壁が傷んできたから、直そうか、
っていうような動機が多く、その時点をとらえて
ちょっとの工事金額プラスで、断熱も耐震も向上させる、という提案なわけです。
どうしても内容はテクニカルな部分が多いのですが、
ぜひ、わが家の暖かさ向上に、お読みいただきたい記事です。

で、そのなかで、
この写真は、施工前の住宅の様子なんですが、
基礎から、コンクリートで縁側的に出っ張っている部分が必ずありますね。
玄関や、ここは「勝手口」ですが、
出入りする部分は、おおむねこういう構造になってしまう。
ところが、こういう部分は、断熱的に考えると
きわめてやっかいな部分なんですね。
一般的に多い、床断熱の考え方ではまずそのまま断熱欠損部分。
大きなコールドブリッジ、冷気を外部から住宅内部に導入するのですね。
基礎断熱でも、外側から断熱するということが事実上、できない。
たぶん、多くの家で「床が寒い」ということの大きな原因なわけです。
で、施工側の工夫は先端的に進んできていまして、
こういう部分については、基礎の内側から吹き付け断熱するのです。
基本的には基礎外断熱で外周を断熱してきて、
この部分に掛かったら、内側との合わせ技での断熱になるのですね。
素材技術的には、ドイツから
こういうコンクリート熱橋対策がもたらされているのですが、
既存改修には役立たない。
そこで、内外連携した断熱作戦を行うということです。
あとは、外断熱と吹き付け断熱の重ね合わせ部分を
どの程度考えるか、というのがポイント。
利便性と、断熱技術の整合性を取るという部分、
なかなか実際的で、興味深いなぁと思った次第です。

いずれにせよ、
この新住協の「断熱耐震同時改修プロジェクト」
たいへんユニークな試みで、
しかも、「工事金額の1/3以内で、上限200万円」という補助金が受けられるのです。
ことしの規定では、他の工事についても
「総工事金額」ということで含まれるということなんですね。
水回りや外壁の改修をお考えであれば、
こういうチャンスを生かさない手はないと思います。
リフォームに対しては、国の施策、相当に手厚く今後も継続するようです。
ぜひ情報を上手に活用してください。
あ、Replanは北海道は9月末、東北は10月21日発売です(笑)。







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緑の窓と書斎

2010年08月24日 05時44分51秒 | Weblog




写真は、先般の建築家住宅バス見学会での家。
書斎生活、っていうのが多くの日本人にとって
高齢化とともに、多くなってくるライフスタイルだと思います。

人口もそう大きく増えることはなく、
ましてや、これまで継続してきたように
アジア世界からの積極的な移民政策も採らないだろう。
そうなれば、高齢化が基本的に進行するのみの静かな社会。
まぁ、それがいいのかどうかは、
国民が何回かの選挙を通して意思表示することになるのでしょうね。
ただし、そのように人口静止から減少社会になって、
じゃぁ、どういう「豊かな生活」ができるのか、
もうすこし、突き詰めた論議は起こって欲しいと思います。
明治以来の拝外主義的な、純粋日本人みたいな常識って、
歴史を学べば学ぶほど、異常だと思う。
日本という、極東の島国は、その歴史はすべてといっていいくらい、
アジア大陸からの移住民によって形作られてきた。
それが、天皇による支配を肯定するために
「万世一系」的なイデオロギー教育を進めてきた結果、
今日に至ってもなお、拝外主義的な固定観念に凝り固まっている。
逆に、インターネット時代になって、一部に威勢良さげに
排外主義を歌い上げるような傾向すらある。
アメリカのように、その成長性を
開かれた移民政策で補おうとするのか、
現状では、大きな開国は避けて、ガラパゴス化するのを
基本的には追求しているのが、日本だと思う。

って、あんまり関係ないですね(笑)、写真とは。
で、わたしも取材に行くと、こういう書斎に関心が高い。
この家では、いい雰囲気でピクチャーウインドが開いていて
まるで、森の中の思索生活、っていう
そんな、なりたい自分イメージが迫って参ります(笑)。
インターネットによって、知の拡散が起こり、
そして高齢化、という事態が日本で、
最先端的に進行するのであれば、じゃぁ逆に、
今後の日本の可能性を引き出していくのは、
高齢化と知的産業立国という方向性かも知れない。
いわば、高齢化社会の実験場的な位置づけで、
これから世界が体験する高齢化社会の先鞭を付けていくのもアリなのかも。
こういった書斎風景の先に、
あらたな産業的な視点を見いだせるのかどうか、
見方によっては、静かな風景の先に違った考え方も出来るのかも知れません。

たぶん、こういう写真のような知的老後生活を
1000万人単位でする人間が増えていく、と考えると、
じゃぁ、どんな社会変化があり得るのか、
かえって面白いかも知れませんね。









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書き始めてみる・・・

2010年08月23日 07時27分29秒 | Weblog





前から構想していた物語、
おととい、スタッフのみなさんと取材に向かう車中で
構想として少しお話ししたら、
後ろを押されてしまう羽目になってしまいました。

っていうか、やはり、
もうそろそろ、熟成期間が終わって、
実際の時代背景の特定や、登場人物のキャラクタリングなど、
想像力の作業が必要な段階になってきたのかも知れません。
考えているのですが、
こうやって毎日欠かさずにブログを書き続けるって、
「文章を書く」ということにとって、
基本的な条件をクリアするのに非常に役立つと思っています。
まぁ、ブログなんで、
ある程度は気軽に取り組める部分があるわけですが、
さりとて、毎日書く以上、
自分の基本的興味分野にたいしてウソをつくわけにも行かない。
そういう意味では、思索の方向を深めるという
そういった効用はきわめて高いなぁと思います。
しかし、物語(小説、という書き方はしたくない)というのは、
そこで息をする登場者、人物が必要なわけで、
かれら、彼女らが、
どういった「生き難き世を生きたか」という部分への想像力が
最大のテーマになりますね。
なぜ、どうして、という動機の部分の構想が
人間的判断とともにあって初めて、
その人物への共感というモノがありうるのだと思います。

こういったテーマは、
さすがにブログで深く考えるということは難しい。
断片的なことがらや、事象について考えるには適しているけれど
生き方を考える、というのは難しいというところ。
考えてみれば、人生を構想する、
っていうようなことって、現代では
非常に狭い範囲にとどまっている部分がある。
最盛期のイギリス人の青年の中には、
世界中に冒険的に人生を探しに行くような若者が多かったという。
たとえば、チンギスハーンのような人物は
そもそも民族自体が、放牧牧畜を基本にして、
パオと呼ばれる移動性のテントを住み処として暮らす民族。
そういうなかから、どういう人生構想を持つのか、
そういった想像力が現代日本では極めて希少になっていると思う。

過酷に見えるような人生行路であっても、
そこにやすらぎもあり、豊かな愛情生活もあったに違いない。
もうちょっと、生き方の枠を広げて考える方が
楽しい生き方を発見できるのではないかと思います。
さて、長編なので、すこしづつ、頑張ってみたいと思っています。







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週末の野菜摘み暮らし

2010年08月22日 11時02分44秒 | Weblog





きのうの予報では雨と言うことでしたが、
あさ起きてみたら、曇り空。
雨の心配はなさそう、ということで、
ここんところ習慣化している野菜つみ取り作業であります。
インゲンと、ササギ、その他ナスや、キューリ、トマトなど夏野菜。
主としてササギでありまして、緑一色の世界に没入しての作業。
背丈を超える高さの蔓草の中に分け入っての探索です。
1週間時間を空けると、もうこれでもか、
という大きさのものが、どっさり、であります。
とてもじゃないけれど、週末農業の不確かな探索作業では
時間もかかる。
けれど、無上に楽しい。
義母の計算違いによるササギ大豊作なわけですが、
せっせと食べたりしなければもったいない。
坊主には無理矢理、野菜たっぷり生活を強いていると
最近は向こうの方から「きょう、野菜もの足りないね」
なんて、殊勝な言葉が返ってくる。
そのうえ、最近は沖縄産のもずくが安くスーパーで売っているので、
甘酢で味付けして、試しに食べさせたら、
これが大好物になってくれた。
わが家の朝食、野菜系のサラダなどと、このもずく酢で2品は確定。
あとは味噌汁・塩鮭などで、メニューは完成いたします。
若いときから野菜をたっぷり食べさせれば、
あんまり病気もしない健康な体力を作れるのではないか、
などと、ほくそ笑んでおります。

まぁ何はともあれ、
景気は悪いけれど、天気は思いっきりいい。
北海道は、暑い日が続いているけれど
適当に雨が降ってくれているので、
モノなりが最高にいい条件なのではないでしょうか。
お米や、農産品、これが良くない、という話題は
ここんところ聞かないので、
まずは下支えの農業は、そこそこなのかなぁと思われますね。
とくに農業依存性の高い、十勝などは
景気条件が上向いてくる可能性がありますね。
政治が悪いとか、日本経済は最悪だ、など
メディアなど、世間の状況を映し出す世界では
悪いことばかりが強調されていますが、
足下や、自然の移ろいを見れば、底堅いものもあると思います。
自然の恵みに感謝しつつ、
せっせと野菜を片付けております。









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