三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

東京大学で講義をします

2013年04月30日 06時57分13秒 | Weblog



わたし、この連休明けの5月10日(金曜日)に
東京大学工学部4年生向けに講義をすることになっております。
「え、えええ~」と自分でも驚いたのですが、
正式に依頼があって、事務的な手続きも進められておりますので、
本当のところであります。
最近、住宅省エネ基準の改定などで、東大の前真之准教授と親しくしていて
その線から依頼があったのです。
先生は寒冷地が経験してきた住宅建築の性能向上について
それを日本全体の省エネ技術のベースとして活かそうという考えですので、
そんなことからご指名があったものと思われます。
わたしは、北海道東北で住宅雑誌を主宰していますが、
さりとて大学では工学部ではなく、至って普通の大学の法学部で学んだ身。
そういう意味では最高学府からお呼びが掛かるというのは
まさに驚天動地であります。
しかし、北海道東北地域での住宅取材経験は豊富です。
そういう現場的な実態についてはそれなりに知見があります。
きっとそうしたメディア的なとらえ方から見た
現代の住宅建築のリアルなところを学生さんたちに伝えたい、という
大学側からのリクエストであると思い至り、
その立場からということで、謹んで引き受けることに致しました。
まぁ、こんなことは一生に二度とはないと思いますので、
寒冷地北海道や東北で、これまで住宅取材を通して
経験してきたこと、考えたことなどをまとめて、お話しさせていただく所存です。

まぁおおむねは、このブログでも書いてきたことが
講義、というか、発表のベースにはなると思いますが、
やはりいろいろ常識的で多角的な見方になるように、
PPTデータ作成は、時間を掛けて取り組んでおります。
別に突然改まる必要はないと思うのですが、
日本の温暖地域と、北海道・東北の寒冷地域との認識のズレを
多面的に情報構築したいと思っている次第です。
こういう機会を与えられるというのは、なにかの巡り合わせだと思います。
あれこれと、テーマの考えが膨らんで参りますが、
時間は90分ということ。要旨を明確にしてコンパクトにまとめ、
学生のみなさんに参考になるように、興味を持っていただけるように
頑張りたいと思っております。

ということで、このゴールデンウィークは格好のデータ作成期間(笑)。
ちょうどおあつらえ向きに、天気はさっぱりですので、
パソコンに向かい続けて、一心不乱に集中して・・・と言いたいのですが、
しかし、他にも東北住宅復興関係の記時作成なども貯まっておりますので、
時間はいくらあっても足りないほどであります。ふ~~~。
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ニラを食べたくて・・・

2013年04月29日 14時25分31秒 | Weblog



きのう朝、カミさんの母親からコール。
聞いているカミさんの声音がだんだんと変調していく。
最初はなにげない話しぶりだったのが、
やや緊張感の迫ってくるものに・・・。
どうやら、庭の菜園で植えているニラが、なんともおいしそうに青々しく、
これはぜひ食べてみたいと、普段は杖をついて歩いているのに、
つい忘れるほどに、食欲が昂進して、摘みに行ったと言うこと。
で、なんとか半分程度、摘み終わってよいしょと腰を上げたら、
ちょうど強い風が吹き付けてきていた。
で、菜園から玄関までの半分程度の距離で転んでしまったと言うこと。
で、背中を打ったようで、
建ち上がるに立ち上がれず、という状況に立ち至ってしまったという。
庭の菜園までの距離なので、家族への通信方法もなく、
なんとか動かせる部位を使って、自力で玄関までたどり着いて
痛みをこらえつつ、娘まで電話をしてきたというのです。
ちょうど救急車を呼んで、ちょうど救急で受け付けていた普段からお世話になっている
近くの病院へ搬送されると言うことに。
で、夫婦ふたりで駆けつけることに致しました。
大体、こういう看護や介護、ということになると
男というのはあんまり役には立たない。
娘という存在は、いちばん力強い存在になります。
母親にしてみても、やはり娘は頼りになる存在で、
娘たるカミさんには、安心しきって、相談しやすいのだと思います。
あれこれのこと、どれをとってもテキパキと処理できていく。
で、息子の方は、ちょうど運転免許の書き換えもあったので駅まで送って
カミさんとわたしで、お医者さんとの話し合い、
入院のお願いから手続き、身の回りの世話などをしておりました。
まぁ、骨折とかの重症症状はないようですが、
やや痛みは大きいようで、
より精密な検査は休み明けまで待たなければならない。
でもまぁ、なんとか、入院もさせてもらったので
安心は出来たようで、やや落ち着いておりました。
で、カミさんといったん家に戻って、わたしは帰宅。
カミさんはふたたび病院に戻って看護に当たっておりました。

今朝は坊主も連れて、顔を見せてあげて、
わたしは家に戻り、カミさんは看護、という状況であります。
後期高齢者なので、やはりいろいろ体には出てきます。
こういう状況になると、やはり家族の支えがいちばんの薬でしょう。
とくに孫の笑顔とかがいちばん楽しい。
そして娘の気遣いの力が、やっぱり大きい。
家族の中で、こういう状況になるのに次に一番近いのはわたしでしょう。
やはり自分の娘には、こういう役割の姿がダブって見えてきますね。
結局人間は、優しさがなければ生きていくのは厳しい。
そんなことが頭のなかで渦を巻いてきますね。
ふむふむ。
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iPhone4Sから5へ機種更新

2013年04月28日 06時07分38秒 | Weblog



これまで定置的な通信環境がない場所でのパソコンでのネット接続には
Pocket-WiFiを使っていましたが、
わたし自身としては、そういった通信の頻度はそう多くはありませんでした。
しかし、そうはいっても、時々、
移動中の車内でとか、突発的に通信をする必要自体はあり、
実際に使用はしておりました。
必要性は、完全に必須というのではないけれど、やはり必要には変わりはない、
というような実際状況だったのですね。
一方で、頻度の高いスタッフがいまして、かれの環境の費用が月に7000円超。
で、わたしの方は4000円ということで、
契約満了時期のことと重なっていたので、チェンジして
わたしは、パソコンでのモバイル通信環境を喪失しました。
そこで、というか、玉突き的に
それならば、iPhoneの5で利用が可能になった、
テザリング機能を利用することにしたのです。
わたしの使用状況からすると、専用のPocket-WiFiよりも合理的です。
よくいわれるバッテリーの消費が激しいという問題は、
使用時はiPhoneをMacとUSB接続させて使えば、
バッテリー使用はMacの側の大容量タイプを使えるので、まぁいいだろうという判断。
当方の場合、会社で統一してiPhoneにしているので、
この機種変更では、追加の費用は「大丈夫」という担当者の判断でした。
ということで、機能の喪失をした翌日のきのう、
近くのauショップで機種交換の手続きをいたしました。
4Sから5への交換なので、大きな問題はなかったのですが、
1120件ほどあった、電話帳の移動がまぁ多少問題ではあったのですが、
MacのiTunesを介して、「同期」「復元」を行うことで、
トラブルもなく、簡単に全部移動を完了させました。
この「電話帳・連絡帳」環境は、MacとiPhone、さらにスキャナー、
Macの基本ソフトの「連絡先」との間で、iCloud上で
常時同期される環境が出来ているので、
大変便利にiPhone1台ですべての連絡先情報にアクセスできて
しかも常時、更新させながら利用することが可能になっています。
ことしの正月から実現させたのですが、飛躍的にコミュニケーションが
広がっております。
で、この機能はまったく問題なしでした。
問題はひとつだけ発生しまして、「ezweb.ne.jpのパスワードを」という
アラートが出て、auの通信環境からのデータがトラブル。
このパスワードって、まったく記憶がないのですね。
で、auショップに行ったら、ここでも初めてのトラブルだそうで、
先日のauの通信途絶を原因とした対応も処理したりしましたが、
問題の所在は全然違うことのようで、
どうもauの内部的な部分での未解決領域のようなことのようでした。
窓口の方からauの技術本部からの指示対応を伝えられた次第。
でもまぁ、結果としては大きな問題にはならないので、
それで問題なく通信が出来ることを確認して、これは無事終了。
ただ、最後の問題として先日わが社のメールサーバーを変更したので、
それに関連して、iPhoneでの送信処理に設定変更が必要のようです。
これについては、わが社のITスタッフからも先日の変更の際に
注意喚起があった問題なので、
連休明けてから対応してもらう予定です。
やっぱりなにかかにかはありますね。

というような次第ですが、
やはり実験したテザリング環境は想像以上に快適です。
iPhone自体は、軽量になってよりスマートになった、という使用印象。
天地が長くなったので、話しやすくなったように思われます。
変更に伴って知ったのですが、
Appleでは、首から下げて使うカバーを推奨していないのですね。
しかしこっちは、そういう携帯方法が身についている。
迷うことなく、首から提げて安心感に包まれながら使用しております。
ユニークユーザーで、どうもすいませんね(笑)。
という機種変更顛末でした。
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東北人の感受性

2013年04月27日 09時02分57秒 | Weblog



写真は、青森市の発祥伝承のある善知鳥神社の看板であります。
この神社、うとうじんじゃと読む。
うとうというのは、中型の海鳥(ウミスズメ科)で
非常に個性が強く親子の情愛が深い保護鳥。
嘴橙黄色.嘴峰線は黒く、繁殖期には上嘴基部に三角形の突起物がある。
翼、尾は灰黒色。顔、腮、喉、頸、胸は灰かっ色で
頭には二条の白色糸状飾羽がある。腹は白く腹側灰かっ色。
で、古代人は、ウトウ鳥が天空の神々より与えられた神意を
地上の世界に使わし、
人々を善へ導く聖なるものと考え神使の象徴として善知鳥の字を充てた。
とされている。
『アイヌ語地名辞典』西鶴定嘉著では、
烏頭 ウトウ u-toのuは、名詞の接頭語として場所を示す。
toは沼を意味する。よって、u-toは「沼のある場所」となる。~
『郷土誌うとう第40号』中道 等では、
ウトウはウタ・オタ・アイヌ語の沙だ。
ヤスカタは砂のある場所の陸の水神、ヤシオカタだろう。~
新村 出(言語学者)
ウトウはアイヌ語で「突起」を意味する語であり、
この鳥の嘴が突き出ているので「ウトウ」と呼ぶようになった。 ~
っていうような一連の探求が行われているようです。
でも一番印象的なのは、
親子の情愛が深い、とされていることで、
親鳥が空からひな鳥を「うとう、うとう」と呼びかけ、
一方、ひな鳥は「やすかた~」(この神社の所在地名は安方)と叫んでいる、と
人口に膾炙しているというお話しが、東北人的な感受性に似合っている。
どうも、このような優しさがいろいろな口承の中に多いと感じる。
それと、この看板であります(笑)。
お世辞にも、うまい、美しい、という感嘆的な印象ではなく、
なんともでっぷりとしていて、ユーモラス。
棟方志功さん的な、ヘタウマ感がどうも伝統でもあるのかと
そのように感じてしまうのですが、
こういった絵がいいと感受する精神性にも、
いかにも東北人的だなぁと思ってしまいますね。

ここんところ、
ずっと面接などを通して、多くの人と接してきて、
こんな思いが強く感じられてなりませんでした。
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クルマの断熱性能向上

2013年04月26日 05時12分41秒 | Weblog



きのうクルマの断熱性能向上についての研究について
若干触れましたが、記憶がだいぶん甦ってきて、
それがある研究団体での研究だったことを思い出しました。
で、その「研究目的」は・・・

電気自動車は,その一次エネルギーから駆動力への変換効率の高さから、
今後の一層の普及が期待されています。
また、太陽光や風力等、再生可能エネルギーを活用する社会の構築において、
蓄電池を有する電気自動車は、発電出力の変動に対応する
バッファーの役割を担うことも期待されています。
電気自動車の普及には、航続距離の延長が課題となりますが、
車内の冷暖房に要するエネルギーは航続距離に大きな影響を及ぼします。
本研究では電気自動車等の次世代自動車を対象に、
建築物の試験評価手法に準じて熱性能を把握し、
省エネ・室内環境改善効果の検討を行うとともに、
住宅への適用可能性を検証することを目的とします。<要約>

っていうものでした。
興味が膨らんで、より詳しいデータなどを
教えて欲しいとお願いしております。

で、クルマの居住快適性と、住まいの居住快適性ですが、
まぁ当然、機能には違いがあるわけで、
そこで過ごす時間、目的などにはまったく違いがある。
クルマがどんなに魅力的でも、
睡眠を取るにはやはり適しているとは言いがたいし、
裸になってお風呂に入るというような快適性では比較のしようもない。
総じて、刺激する気持ちよさと、癒されるここちよさとでも違いは要約できる。
しかし、こと温熱的な環境性能については、
この研究のように比較されても仕方がないと思います。
で、こういう部分では、圧倒的に住宅の方が良くなければならない、
と思うけれど、どうも不安になって来たのですね(笑)。
ひょっとすると、温暖地・蒸暑地では
夏期などは、家に居るよりもクルマの中のほうが
快適性が高いかも知れない、というような不安が芽生えてきたのですね。
北海道では、たぶん、冬期には間違いなく家の方がいいだろうけれど・・・、
という不安なのですね。
この両方で、ちょっと調査を深めてみたいと思っております。
結果が明らかになって来たら、お知らせいたします。
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人が心地よさを感じる空間の多様性

2013年04月25日 07時34分34秒 | Weblog



住宅雑誌をやっていれば、
結局、一番究極的なことって、人がここちよいと感じるって
いったいどういうことなのだろう、ということだと思います。
まぁ言わずもがな、ですね。
でも、この評価軸には実にさまざまな要素がある、というのが
実際であり、そこから、判断がいろいろに分かれていく。
よく言われるのですが、人間はナマな自然に触れているよりも
遙かに長い時間を、およそ9割以上なんだそうですが、
人為的に構築された空間で、生きている時間を過ごしているそうです。
住宅、いや建築すべてでしょうが、その立地から逃れることは出来ない。
そこが出発点になるのでしょうが、
よく考えてみると、現代人にとって
一番、「心地よさを感じる空間」って、住宅や建築だけとは限らない。
そうですね、乗り物がありますね。
現代では、各種の乗り物が生み出す「ここちよさ」と
住宅は、比較対照されるようになっているのではないでしょうか?

いちばん身近な「乗り物」って、やはりクルマでしょうか。
クルマって、どこまでも刺激的な景観を人間に与えてくれる。
移動する機能を極限的に高めたものがクルマなので、
まぁ、当然ですね。
自然が比較的豊かな北海道の場合、
クルマが1台あれば、元旦に根室の一番先の岬から初日の出の神々しさを
クルマの中から、たのしく見ることもできるし、
夏には、利尻島の海岸で瑞々しい海の景観に触れることも自由に体感できる。
で、クルマの「居住性」は、いったいどこまで向上してきているか。
まぁ、超高級車とかではなく、ごく大衆的なクルマ、
ホンダのフィットクラスでは、どうなっているか。
断熱性や気密性と言うことでは、
ある研究者の方が試算してみて、確か気密性能で10cm㎡程度という結果を聞きました。
省エネレベルということでは、最新の基準適合の住宅の比ではなく低いのだけれど、
しかし、温暖地の既存住宅ではこういうレベルの住宅はザラにある(笑)。
その上、本来の機能である移動のための省エネ性では、
たとえばフィットだと、体感的にはリッター20kmくらいは走る。
移動しない住宅が、ある部分の居住性では負けている。
長くなりそうなテーマですね、これは(笑)。
もうすこしじっくりと、いろいろ考えてみたいと思います。<また、明日以降へ>

写真は、ある三陸海岸高台のホテルなのですが、
景観感受性という部分では素晴らしいけれど、
ここにずっといるコストとの相関性ではどうなのか、とか、
いろいろ検討して、考えていかなければならないと感じております。
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札幌ー仙台線の競合激化

2013年04月24日 06時23分44秒 | Weblog



あすからまた仙台に移動する予定ですが、
これまでANA、JAL、ADOの3社だった乗り入れ会社が、
この20日からSkyMarkも就航して、競合が激化してきています。
ユーザー側からすると、歓迎すべき動きと言えましょうか。
航空運賃というのはやはり高すぎると思います。
海外旅行で長時間のフライトであれば、畿内サービス云々という要素も
大きな選択条件にはなるでしょうが、
通常のビジネス利用の時には、なんといっても価格が一番大事。
それも、わたしどものように北海道と東北をエリアとする事業体制の会社にしてみると、
札幌ー仙台線はいちばんの基本路線。
こういう価格競争は大いにやってほしい。
ただ、市場原理というか、基幹路線は下がっても
なかなかローカル線は下がる気配がない。
全国各路線をくまなくネットワークしている会社にしてみると
基幹路線にだけ算入してくる会社との競合関係では、
どうしてもその競争激化のしわ寄せが、ローカル線の高止まりを呼ぶ。
経営している立場から考えればやむを得ないだろうと思いますが、
困った問題だと思います。
規制改革というのは、どうしても経済効率だけで
決められていく流れを作りだしてしまいますね。

市場原理というのは、マルクスの資本論ではありませんが、
現代社会を揺り動かしている大きな幻影とも思えます。
税金のがれをしたいがために本社所在地すら海外に移転させるような
「多国籍企業」にとっては、
四半期決算だけが経営判断の物差しになって行く危険性が高まる。
しかし企業というのは、本来、人間の幸せを作り出すための装置に過ぎない。
そうであるのに、それ自身がその自己目的だけで、
本来企業が果たしている大きな役割としての、雇用の創出とか、
税金の負担など、共同体としての国家にも役立つ存在であるべきだと思います。
このふたつの分裂せざるを得ない2元論のなかで、
今の時代の経営者は、ゆれ動かなければならない。
ただ、グローバルスタンダードと言われるような流れは
わかりやすいかも知れないけれど、
長い目で見たときに、さてどうなのかという根源的な問題があると思っています。
このままで行くわけがなさそうだ、というような思いは、
経営層のなかにも広範に存在していると思えます。
これからも日本という国や、そのなかの地方という中で
多くの人々が存在し続けて、根付きながら生きていくのは間違いがない。
いまのグローバルスタンダードのうねりの先に
まったく違う価値観の社会も動き出していくのではないか。
そのときに、きちんと顔向けが出来るような企業でありたいとも思います。

なにやら、きわめて自己分裂的なブログだと
自分でも思うのですが(笑)、そういったことが
頭のなかでゆれ動き続けております。みなさんいかがでしょうか?

<写真は仙台空港内部の様子>
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Replan東北創刊10周年記念号 発売

2013年04月23日 06時44分29秒 | Weblog



すでに4月20日には店頭に並んでおりますが、
Replan東北の最新号が、発売されております。
今号は年4回ずつ発行してきて、ちょうど10周年の記念号であります。
最近、おかげさまで書店での販売がたいへん好調に推移しています。
北海道で「高断熱高気密」の住宅が必須要件になって建設されるようになり、
その性能技術も熟成してきたことから
そのような住宅の需要がもっとも高い東北地域でも
いわば、「北からの住宅情報」として、
性能の向上が、どんな家づくりを可能にしていくのか、
そこでのデザインの方向性も同時に誌面でお見せしたい、という
出版の趣旨から、Replan東北を発刊してきました。
それは、そうした高性能住宅への思いを共有する作り手との出会いも
同時に図っていくという道だったように思います。
その後、東日本大震災が発生し、
未曾有の「住宅の毀損」という事態にも遭遇しました。
その被災がまだ雪も吹きすさぶ3月だったことで
寒冷地での家づくりは、寒さから人間の暮らしを守る、ということが
根源的なテーマなのだということに改めて気付かされもしました。
まだまだ、長い道のりの「復興」になると思いますが、
地域に根ざして、その気候風土に似合った住まいの情報を
丹念に作っていきたいと思っています。
どうぞよろしく。以下は内容のご案内です。


【特集】ない家。
快適な家とは、住む人にとって不快な要素がない、ちょうどいいバランスが
保たれた状態の住まいを言うのではないでしょうか。

暑くない/寒くない/窓がない/間仕切りがない/ピークのない/
不快な素材がない/普通じゃない

何がマイナス要素となるかは、実際に住む人それぞれに違うもの。
この特集では、快適な住まいをたくさんの要素が「ある」ことでつくるのではなく、
「ない」ことで実現した6つの住宅実例を紹介します。
これから住まいを考える皆さんにとって、何が「ない」ことが快適なことなのか。
考えてみませんか?

Contents
●特集/ない家。
●特別鼎談・家と庭 ここにしかない風景を創出する
 演出家・倉本聰氏 × 建築家・五十嵐淳氏 × 園芸家・上野砂由紀氏
●省エネ住宅特集 福島編
●住まいのカタチ〈住宅実例集〉
●リフォーム特集
●モデルハウス探訪
●ヒートポンプ特集
●NPO 住宅 110番
●TOHOKU ARCHITECT
 宮城県「川上の離家」田中 直樹

4月20日から東北の書店・コンビニ(首都圏は特約店)で発売しています。
ReplanWEBからもご購入いただけます。
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「黄金国家」を読む

2013年04月22日 07時33分43秒 | Weblog




なにげなく、「東アジアと平安日本」というサブタイトルに惹かれて
保立道久さんという方の本を読み続けております。
もうかれこれ、1カ月以上はかかっているのですが、
全328Pに対して、ようやく277Pまで読み進めた次第。
まぁ、頭が混乱してくるくらい、天皇の名前が変わっていく。
そして、天皇の即位の経緯が、それ自体大きな政治領域であることと、
同時に社会が抱えたいろいろな問題が概観されていく。
まぁ、今日の政治の流れを書き続けていく作業にも似ていて
その連鎖の永遠なることに言葉にならない辛さも感じるわけですが、
不思議と面白く読み進めている。
ただし、まったく記憶には残りにくい(笑)。
中世史研究者の学問的興味に基づいて、同様の研究者の概説と批判などが
歴史進行と合わせて語られていくので、
まぁたぶん、一般読者というのはあまり考慮されていないように感じる。
おかげさまで、夜の寝付きのための睡眠薬としては
超絶の効果を発揮してくれていまして(笑)、
3分間とは持たず、爆睡モードになる。
まぁ、こういう書き方は筆者に対して失礼ですね。反省。
しかし、退屈を通り過ぎてくるとそこに書かれていることに
驚きと共に、新鮮な歴史像が浮かんできて、まことに耽溺させられる。

日本国家の政治プロセスと、
東アジア世界との関わり関係がメインの本なのですが、
「平安時代には唐からの文化影響が沈静化して、国風化が進んだ」
という常識的な理解が、いかに表層的なモノであるかが、
克明に語られていきます。
大陸・半島からの「フロンティア」的な位置づけから
この列島社会は構成されてきている様子が
時間軸と共に語られていきます。
ダイナミックな東アジア世界の激動と、連動するように日本の歴史過程も
相互作用を得ながら展開してきている。
これまで、単体的な動きと見られてきた平将門の反乱も
広く東アジア世界の胎動との関連で捉えられていて
想像力が非常に自由を得る思いが致しております。
やはり、奥州に産出した金は、その後のこの列島社会のありようを
大きく変えていったのは間違いがないようですね。
鉱物資源採掘による繁栄とその収束は
直近でも北海道各地の産炭地のことを考えてみれば、
おおよその想像力はつきますが、
それは巨大なシステムの起動力にはなるけれど、
資源が枯渇してしまうと、実にあやふやな記憶しか残さない。
そんな思いが強くなってきております。
歴史は本当に奥深いですね・・・。


<写真はまったく無関係の「青森イヌ」彫像>

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旭川の木造アーケード商店街

2013年04月21日 08時04分35秒 | Weblog



先日の旭川探訪のときに、
今年86歳になる義理の母がよく買い物に行ったというアーケード商店街も見ました。
まだ現存しているのですね、これが。
ほとんど「北海道開拓の村」にでも移築保存されるべきと思えるような建築が
いまも、半分は現役で使われていることに、
むしろそっちの方に驚かされる気がしました。
たぶん、これも築後でいえば、100年近いことは想像に難くない。
建築自体は、町家スタイルの商店が左右に狭い間口で並んで、
採光を上部から取っているという
日本の「市場」建築には普遍的なスタイル。
現在でも、札幌では狸小路とか、小さな商店街で見られるスタイル。
歴史的にも、「市」というのは、このような通りを挟んだ左右に
「境界」的な場所に作られていったという経緯そのままです。
おおむねが徒歩での生活圏の暮らしが一般的だった時代には、
このような商業スタイルが一般的に展開されていて
住民側にもまことに「コンビニエンス」だったと思われます。
こうした建築では、1階は商店として利用され、
その商店の家族従業者が、その2階から上に居住していた。
建築基準法も規制が行き渡らない、いわば自然発生的な木造3階建てです。
たぶん、「現状不適格」建築であることは明らかでしょう。
しかし、こちらでは今でも、この長屋的建築が3分割されて、住宅として
使われているようでした。
優良ではないけれど、「長期住宅」であることは確実。
よく建物が長期に使われない理由は、主に社会的な要因による、と言われますが、
こういった建築が現在もなお、
この寒冷都市・旭川で使われ続けているというのは、
ちょっと驚きであると共に、
むしろ社会的要因によって、使われ続けているのではないかと
逆の感慨を持ちます。
自然的な「もったいないし、住みやすさがあるし・・・」
というようなことから使われ続けているモノか、
かえって、そういう意味での「取材」をしたくなってしまいましたが、
これもまた、日本の住宅の現実ではあるのだと思う次第。
ふむふむふむ・・・。
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