三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

円空さんはなぜ愛されるのか

2013年01月31日 06時30分52秒 | Weblog



美術界とかはまったく門外漢なのですが、
彫刻って、なかなか食べていくのは大変な芸術領域だと聞きます。
高校生時代からの友人で彫刻を志していたのがいて、
しかし、なかなかそれでは職業にはならないという話を聞く。
やっぱり絵がいちばん「売れそう」だし、わかりやすい。
最近見た「芸術」領域では、現代は「デザイン」がいちばん食べていけるジャンル。
田中一光さんの展覧会などを見ていてそう感じました。

一方で、日本の歴史には円空さんや木食さんという
庶民にひたすら愛されたような彫刻家も存在する。
宗教的な偶像というのが、彫刻の最大のスポンサージャンルだったことは
明白で、かれらも,名もない小さな寺院などから
きっとほんの小額の代金を支給されながら、創作活動を続けていたのでしょう。
円空さんが資産家だったというお話しは聞いたことがない。
一度ブログで書いたことがあるけれど、
円空さんのことを江戸期の出版物が「日本畸人伝」というようなかたちで
紹介している挿絵を見たことがあります。
そこではごく小額の「お布施」を渡した村の有力者に頼まれて
「御神木」に向かって、生木として立っている樹木に
のみを振るい、造形作業に立ち向かっている円空さんの姿があった。
その様子がなんともユーモラスだし、
一方、村人たちの祈りの気持ちも圧倒的に伝わってきた。
日本の大社寺の彫刻などの需要は、大手の芸術職人集団が市場を独占し、
こうした小さな寺院や村人たちの宗教心は、
円空さんのような存在がつくりつづけてきたのでしょう。
けっしてビジネス的には儲からなかっただろうけれど、
しかし、いまに至ってみれば、
権威集団の仕事とはまったく別に、円空さんの仕事は
日本人のある深遠な思いを端的に顕したものとして
永く日本人のこころを独占している。
円空さんの仕事は、北海道にまで及んでいて、
ふとなにげない場所で円空作品に出会ったりする。
生涯12万体の仏像制作したと本人が言っていたそうですから、
相当たくさんの眠っている円空仏があるのでしょうね。
その仏像たちの表情の単純さ、素朴さはストレートにわかりやすい。
まとまった円空仏の宝庫とされる飛騨地方に残されたものの
展覧会が東京上野の国立博物館で拝見してきました。
やっぱり楽しい。大好きであります,円空さん。
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秋田の和風住宅TV取材

2013年01月30日 06時00分51秒 | Weblog



きのうは秋田朝日放送のテレビ番組に出演であります。
はじめてお付き合いするみなさんばかりでしたが、
おかげさまでみなさん楽しい方たちばかりで、
2件の住宅紹介をナビゲートさせていただきました。
住宅の紹介って,大変難しい部分があります。
たしかにテレビは大きな影響力があるメディアですが、
こと住宅のこととなると、やや専門的になってしまって
一般のみなさんにわかりやすく伝えることがなかなかできない。
ご案内があったので、今回ナビゲート役をさせていただくことにした次第です。
テレビとはいえ、しかしそこはしっかり「住宅取材」なわけで、
コンパクトにわかりやすく、その住宅の良さを伝えるにはポイント付けが必要。
まぁ、清潔感あふれる相方のフリーレポーターさんに助けられました。
仕上がりは映像編集のみなさんにお任せする以外ないのですが、
まずは楽しい番組になっているのではと思います。
あ、まだ、きょうも1件の取材撮影があるんだった(笑)。

で、2軒目で見たのが、写真の住宅。
茶を習われている建て主さんの思いを実現させた住宅でした。
茶にはいろいろな流儀がありますが、
「遠州流」ということですので、利休さんのお弟子さんの小堀遠州開祖の
流派と言うことです。
茶自体はそれぞれの茶室造作作法に則ってのもののようですが、
随所に驚くような本物の無垢材が使われていて
その作り手のこだわりを深く感受させていただきました。
とくに写真の床柱は、表面の皮を剥いで白木の素性を露わにしているのですが、
まるで金色のような肌合いが顕れていて、
その美しさに見とれてしまいました。
建築会社の方も樹種を忘れていましたが、
わたしもまったく見たことのない美しい木肌でした。
また、間仕切り壁には竹木舞下地でワラ入りの土壁が塗り込められています。
さらに左手の床板、棚板にはケヤキの1枚板が使われていました。
こういった無垢材の美しさで作られる空気感を楽しむのが和風の美。
やはり通り一遍の住宅紹介では伝えきれない部分です。
まぁわたしも、久しぶりに楽しく拝見させていただいた住宅でした。
この番組、放送は秋田県内で2月9日の土曜日の「サタナビ」
という地元制作番組のなかと、それに続く15分枠番組ということ。
残念ながら、その日は仙台での出張予定があるので、
リアルタイムの視聴は不可能。
ビデオをお送りいただけるようなので、そちらで確認です。
秋田のみなさん、ぜひご覧くださいね。
さてもう1件の撮影、がんばるぞ、と。
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秋田までJR乗り継ぎ旅

2013年01月29日 05時14分05秒 | Weblog



本日と明日、秋田でテレビ番組の撮影があり、
その住宅案内役を依頼されて、秋田に移動してきました。
飛行機での移動は、ローカル同士なので超の字がつくくらい値段が高すぎ。
どうしてもバカバカしい感じがしてしまうのですね。
ほとんど定価の運賃で、JR移動の2.5倍以上経費がかかる。
で、途中の青森にはちょっと用事もあるので、
行きか帰りか、ちょっと寄りたいということで、
JRでの移動を選択いたしました。
ということで、ベタッと地面にくっついての長時間移動ですが、
途中、いろいろな地誌風土の様子を観察しながらなのですが、こういうの
ときどきは、取材としても必要な部分があると思っています。
しかし時間はかかるので、列車に乗り込んで移動し始めてから、
予定変更が入ると困ることにもなる。
今回も秋田での予定に急遽1本約束が入って、
当初の予定からは、旅程を変更しなければならなくなった。
本当は青森から秋田まで、「奥羽本線」経由で行こうと思ったのですが、
便を変更して、新幹線乗り継ぎで1時間早めに秋田に。
列車での移動ですが、途中ではパソコンでの作業もはかどる。
結局、しばらく書き上げられなかった原稿も1本まとめられました。
必要な連絡電話はケータイで済ませられるし、
メールで仕事の連絡も問題なく出来る。
まぁ、事務所にいて作業しているのと、それほどの違いもない。
車窓からの季節の視覚的情報がどんどん入ってくるのは体験としても貴重。
それと仕事のアイデア出しにも、こういう体験はメリットがある。
まぁ時間は飛行機が時間待ちや空港までの移動時間も含めて
おおむね4時間程度だと思います。
一方こうした列車移動では、朝8:35出発で、到着は17:58だったので、
都合9時間半くらいかかったのですが、
それなりに有意義に移動することが出来ました。
経由した地域も、函館~青森~盛岡といった縁のある地域ばかり。

ということでしたが、
秋田に着いてからは、夜11時近くまで取引先との打合せ、会食。
1日の中身がたいへん濃い1日だったと思います(笑)。
さてそういうことで、2日間、
地元住宅番組取材撮影でテレビタレントをあい務めたいと思います。
ふ~~~、がんばるぞっと。
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歌舞伎の魅力、天井桟敷にて

2013年01月28日 05時01分38秒 | Weblog



先日の東京出張では、土曜日までいられたので、
伝統芸能に触れたくて、歌舞伎を観劇してきました。
わたし、能や狂言とか神楽とか、
昔から日本に存在してきた芸能を体感するのが大好きです。
以前、浄瑠璃を見ていて、その人形の動作体動に日本人的動作のエキスを
感じるような瞬間もあったりしたことがありますが、
伝統芸能からは大きな発見をすることが多く、いつも新鮮に愉しめる。
歌舞伎も大好きなんですが、
北海道にいると、めったに観劇できる機会はない。
もうすぐ「歌舞伎座」が新築完成するようですが、
東京都内でも、何カ所か順繰りに見ることもできます。
今回は、浅草での新春公演で天井桟敷に席を求めることが出来たので、
格安で2500円也という歌舞伎的には「低料金」で観劇した次第。
そうなんです、「天井桟敷」、である必要がある(笑)。
天井桟敷、通常、いちばん安くて天井に近いとか、舞台からの距離が遠い席。
芝居って、もちろんナマでやっているわけだから、
近い場所で見るに越したことはない。
でもそういう席は料金が高いことになっている。
いちばん慎ましやかな席でこそ、じっくりと落ち着いて鑑賞できる。
それと通の方たちが通う席ですから、
いわゆる「大向こう」からの声を近くで拝聴も出来ることになっている。
セリフなどがよく聞き取れないときでも
おお、ここが山場なのだなと側聞できたりもする(笑)。
大向こうからの掛け声というのも、古典芸能では大切な要素なんですね。
良く役者の指標で「大向こうを唸らせる」という言葉があるように
世間感覚そのものが、大向こう、天井桟敷なんですね。
けっこう、こういう部分は重要なのではないかと思う次第。
ちなみに、料金を見てみると、浅草歌舞伎で
1等席 11000円 2等席 6000円 3等席 2500円
国立劇場の歌舞伎公演では
1等A席   9,200円 1等B席   6,100円 2等A席   4,500円
2等B席   2,500円 3等席 1,500円
となっていて、大きな格差がついているのですが、
どう考えても、席によるそういう違いはない。
第一、役者は大向こうまで伝わるように演じるのが務め。
というようなことなので、いわゆる「いい席」には興味がないのであります。
そうすると、自由な観劇が可能になるような気がします。
伝統劇は、それが成り立った経緯も含めて現代に
その成立した時代の、いわゆる「行間」の部分を伝えてくれる。
いわば時代の空気感とでもいえる部分。
同じような感覚を持っているだろう人間が、劇的にふるまった痕跡が
伝わってくるのですね。
今回鑑賞した「極付 幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)」
「公平法問諍」(きんぴらほうもんあらそい)
というお芝居では、江戸初期に成立した町人層による「大衆社会」の
成立期の状況がいろいろに側聞できる瞬間が多かった。
大筋は、街の治安を自然発生的に承っていた「町奴」幡随長兵衛が
身分権力を笠に着て横暴を繰り返す「旗本奴」と対決するストーリー。
なのですが、
こういう社会状況が背景として良く伝わってくる。
そうか、江戸初期というのは、空前の公共投資「日光東照宮造営」などで
経済が活性化し、そのなかでいわばリクルートのような
幡随長兵衛による人材斡旋業のような職が成立したのだ。
そして突然のように出現した「市民大衆社会」では
治安が十分ではなかったのだ。というような時代背景状況が明瞭に見えてくる。
で、幡随長兵衛という人格が好もしいものとして描かれていく。
武家の権力というもののなかでの存在感が伝わってくるのですね。
むむむ、面白い。やはり古典芸能、大好きであります。

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北海道R住宅の現在

2013年01月27日 05時59分23秒 | Weblog



きのうは東京からのお客様と同行で
北海道の住宅、主にリフォームの方の見学でした。
リフォームというと、わたし自身も制度設計に関わった「北海道R住宅」。
国の長期優良住宅事業で、2年間にわたって補助も受けられたシステムですが、
補助がなくなって、大きなアピール機会は消えてしまった。
しかし制度として作ってきたなかで、とくに銀行が
リフォーム工事だけれど新築とまったく同一の条件で運用していることで
その後も、新しい住宅の需要層の掘り起こしに成功してきている。
補助金はなくなったけれど、
こうした銀行融資が効果を発揮して継続的な事業存続につながっている。
そんな様子を東京の方に見学していただいた次第。
制度設計を進めながら、いろいろなテーマに取り組んだのですが、
新築住宅のおおむね7掛けや8掛けの予算で
しっかりとした住宅性能が担保される仕組みを目標にしてきた。
すでに成熟した街並み景観が保全された土地にたつ中古住宅を
廃棄させるのではなく、活かしてフルリフォームする。
こういう理念でなおかつかかるコストが抑えられている。
そういった新しい住宅供給のあり方を追求したものが北海道R住宅なのです。
そういう事例のなかから、
きのうは1500万円・1700万円・2150万円という
掛けたリフォーム工事金額がそれぞれ違って、
デザイングレードの違う3つの住宅を見学することが出来ました。
さらに制度設計の事務局役をやっていた方もご紹介して
全体としてシステムとして機能している様子をご覧いただいたのです。

まぁわたしとしては、
こういう新たな住宅供給のシステムを全国的に波及させたいと
考えているのですが、実際問題としては北海道という
行政サイドを含めた地域全体の力というものが大きい。
東京から来られたみなさんは、そのシステムが実際に機能していることに
驚かれていましたが、実現させる想像力は持ちにくい。
しかし、とりあえず、実際に体験していただいたことで、
今後の展開に期待し、盛り上げていく努力を続けていきたいと思う次第です。

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札幌の積雪状況

2013年01月26日 05時27分09秒 | Weblog


写真は、昨日のわが家の目の前の道路の状況です。
この冬はやはり積雪が多くて、
ご覧のように公共サービスで「排雪」していってくれて
目の前の堆雪の山が切り取られていっておりました。
わが家の前は中学校の通学路になっているので、結構ひんぱんに
除排雪が入るようになっています。
土地を買い求めるときに、そういう条件も勘案して購入しましたが、
北海道で住みつづけるためには、こういった環境の考慮も欠かせない要件。
きびしい大雪なわけですが、その合間には
こういった不思議な美しさを感じさせてくれる瞬間もある。

にしても、雪が多いです(笑)。
中学校のグランドが対面側なので、こっちに雪を持ってくればいいので、
わが家は大変恵まれた環境ではあるのですが、
ここまで降り積もってくると、
あとは、2mくらいになった山の上にまで雪をハネあげなければならない。
雪かきのダメージが腰に積み重なってきている(笑)ので、
ハネあげるのが、なかなかにきつい。
ご近所ではこの雪の壁に上り坂を割り入れて、
ずっと頂上部の尾根部分を開削して、
雪捨て場所を確保する工夫をしているみなさんもいます。
1月の中下旬という最盛期ではありますが、
この先も雪が降り続いていった場合、
辛さが増してくるように思います。
同じ札幌市内でも、場所によっての積雪状況には違いがありますね。

まぁしかし、なんとか冬も折り返し点は過ぎていると思いますし、
最近は「光の春」を感じるような晴天も多くなってきた。
それぞれの気象条件なりに、北国らしい美しさももたらせてくれる。
春を待つこころをたたえながらも、雪との付き合い、
もうすこし,頑張っていきたいところであります。
ふ~~~、がんばるぞっと。
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東京駅丸の内駅庁舎

2013年01月25日 06時34分34秒 | Weblog



最近の東京都心の建築的な話題というと
そのひとつに、東京駅丸の内駅舎の改修工事の完成があると思います。
赤レンガ造りの丸の内口駅舎は辰野金吾らが設計したもので、
1914年に竣工、2003年に国の重要文化財に指定されている。
「関東の駅百選」認定駅でもあります。
その駅の建物が修復作業を終え、その姿が現れている。
行ってみると周辺は、丸ビルを始め、
鉄とコンクリートとガラスの建築に代表される
21世紀的な建築が取り囲むように配置されていて
そのコントラストが、より強調されるような区域になっている。
ガラスで壁面が構成されているビルから、
ライトアップされたレンガ作りの駅舎の光景は美しい。
かなり距離のある美学が同居して存在する、ユニークな光景とも言える。
下の写真は、その駅舎ドーム内部の様子です。



で、美的感覚において、
ガラスの素材感を追求してきた20世紀から21世紀の建築と比べて
その前時代のレンガや木が主役であった時代の雰囲気が
彷彿と沸き上がってきます。
より人間的な手触り感が率直に伝わってきます。
幾何的な形を基本としながらも、随所に自然により近いなだらかな
曲線が多用されている。
それが一種の緩衝地帯になって、奥行き感が見るものに感受されます。
色彩感覚も、より素材の色味に近い、あるいは
「人肌」の感覚に近い色味が展開している。
こういう空間って、機能的に大空間を作って行くには
その後の鉄とコンクリートとガラスの建築には敵わない。
しかし、今回の東京駅、およびゾーンとしての周辺地域の賦活において、
このレンガと木で主に構成された建築は、たいへん際だっている。
あるいは、見事に調和の美を実現してくれている。
人間のここちよさというか、いごこちを科学するときに
よく2:8の原則のようなものが引用されるような気がするけれど、
この東京丸の内では、そんなふうなバランスが生まれている気がします。
手触り感と機能性の割合、バランスが
「地域全体」として実現しているように感じた次第です。
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WEBビジネスセミナー開催

2013年01月24日 06時48分58秒 | Weblog


昨日はわが社のオープンルームで
Yahooの方にも来てもらって、住宅業界向けのセミナーを開催しました。
わが社にとって初めてのビジネスセミナーだったので、
申込み希望者への管理面ですこし反省点もありましたが、
まぁ、それはそれとして、
逆に個別企業ごとに、じっくりと突っ込んでの会話も出来て大変有意義でした。
内容は、地域の住宅企業にとってWEB活用はどうあるべきか、
というポイントでして、
とくに,外部のYahooさんのプレゼンも聴くことが出来たので
わたし自身も、たいへん勉強になりました。
Yahooのような全国企業が、なぜ北海道にブランチを設けるのかの
素朴な疑問点についても、必然性の感じられる視点を得ることも出来ました。
WEBのようなツール、全国で見ると
地域による偏差が大きく存在するようなのですね。
逆に言うと、地域のコミュニティが希薄な傾向にある場合、
WEBは、それを代替する機能を持つことができると言えるのでしょう。

また、マーケティングツールとしては
やはり大きな特色を持っていて、
さまざまなデータが即時に取り出すことが可能になっている。
わたしは、大学卒業後広告の仕事に飛び込んだのですが、
そのころに感じていた、
「こうだったらいいのに・・・」という疑問点が、インターネット広告の世界では
標準的な感覚で実現していて、
逆に、ここまでテクノロジーが進んでくると、
それを「どう利用するか?」ということの方が、はるかに重要になる
という直感どおりの展開になっているようです。
こうしたセミナースタイル、初めて取り組んでみて、
予想以上に得るものが多くて、驚かされました。
また、いろいろな「経験知」を得ることも出来ました。
逆にYahooの方から、あとでメールをいただいて、
大変ヒントになるようなご意見もいただけました。
お互いの「経験知」を活かしあっていくことで、新しい可能性が広がりそうです。
住宅企業とユーザーのみなさんの接点をしっかり研究する、
こういう面で、掘り下げて考えていくことで、
さまざまな企業のみなさんにも直接的に役立つことに繋がっていくと思います。

まぁ、若干の反省点もあるわけですが、
しかし、初めて取り組んでみて、望外に大きな手応えも感じられたセミナーでした。
先日も東京でマーケティングのセミナーに参加しましたが、
こうしたスタイル、ビジネス的にも大きな可能性があるものと思います。
じっくりと経験を総括して、
今後の研究テーマとして、深耕していきたいと思っております。
今後は、このブログでも事前にご案内したいと思いますので、
みなさんのご参加をお待ち申し上げます。

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Replan東北最新号vol.38&39 発売!

2013年01月23日 05時15分48秒 | Weblog



本日は新刊のご案内であります。
Replan東北最新号、38号と39号の合併号です。
一昨年の4月発売号が震災のために発行できず、
そのため、北海道と比較して連動性がずれてしまっていました。
北海道が次号で通巻100号になるのですが、
東北も満10年の通巻40号というのが本来の姿なのです。
そこで、今回の発売号でページ数も拡張して
「合併号」とすることにいたしました。
特集内容もぐっと濃い中身になっておりますので、よろしくお願い申し上げます。

【特集】平屋に住む。
2年前、「最近、平屋多くない?」
「でも、興味ある人いるのかな?」
とドキドキしながらも特集を組んだ「あこがれの平屋」。
思っていた以上の反響とともに、世代を問わず
平屋に人気が高まっていることをリプランは実感しました。
庭と接した暮らしを求める人、
単純に広さを求めるのではなく自分たちに必要な空間を楽しみたい人、
今では魅力的な平屋がどんどん増えています。
平屋は憧れではなく選択肢のひとつ。
「平屋に住む。」ことの楽しさを満喫できる、
素敵な住まいをご紹介します。
【エリア企画】 みやぎ特集
ことしもやります、年初の「宮城地域特集」です。
震災からの復興住宅が活発化してきている宮城。
平年値に対して、150%超の着工ラッシュです。
そういうなかで、どうせ建てるなら、こだわりを持ったいい家を。
そんな願いを実現させたステキな住宅を大特集しています。

Replan東北2013年WINTER&SPRING
38/39号合併号 Contents
●特集/平屋に住む。
●エリア企画 みやぎのいい家
●住まいの燃費を考える
●炎を囲む暮らし ~薪ストーブで冬を楽しく~
●リフォーム特集
●NPO 住宅 110番
●TOHOKU ARCHITECT
 山形県「大槇のアトイエ」樋口 裕二
 山形県「白鷹の家 SNOW LIGHT HOUSE」渋谷 達郎

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メディアと若者の視点差

2013年01月22日 07時14分57秒 | Weblog


「若い世代は、商品選びで失敗を怖れる傾向が高い」
というテレビニュースに接した。
わたしは言葉がすぐには出てこなかった。
ただし、内語では、
若い世代はずいぶんと革新性がないのだなという印象を持った。
ところが、高2の息子は即座に
「若い人はお金がないから、失敗できないんだよ、簡単じゃん」
っていう、すぱっとした一刀両断。
ところが、テレビのほうでは、若い世代の勇気の無さというか、
元気のなさというような方向にテーマが行って、
「若い世代は、もっと失敗を怖れずに行動すべきだ」というような論調に。
番組スポンサーである企業側からすれば、「もっと活発な消費を」というのが
基本的な要求だろうから、ある意味「自然」なのかも知れない。
しかし、そもそも息子のような視点を持っていれば、
事実の解明において「若い世代は、商品選びで失敗を怖れる傾向が高い」
というような結論づけ、方向付けがあるわけがない。
こうした方向付けでは、現実の問題のとらえ方がミスリードになっていく。
そのうえ、若い世代代表として、若い女子アナが
「わたしは、けっこう失敗経験豊富ですよ」
というような落ちに、突入していっていた。
わが家では、息子の意見に完全に了解したけれど、
マスメディア的には、こうした意見が反映されていないのだなと理解出来た。
息子の視点でもって、若い女子アナの意見を解釈すれば、
それは若者世代での勝ち組・負け組格差を表しているだけ、と言えるのだろう。
入社の難関を通り抜けた女子アナは、勝ち組筆頭なのだ。
世の中は、若者世代に対して「勝ち組」だけを構成員として考えている傾向がある。
それはそうだろう。
これまでの完全的な正社員雇用社会は、若年層においては
約半数以下でしか実現していないけれど、
それより上の年代ではほぼ完全に実現していた。
多数決を取れば、完全正社員雇用のほうが「常態的」であることは明瞭。
そこで、非正規雇用とその境遇の人々を社会的に無視しているのが現実なのだろう。
自分たち自身も「勝ち組」であるメディア企業人にとって、
それのほうが同意しやすい結論になるのだろう。
たぶん、番組制作の現場でも「正社員雇用」のひとたちだけで
「企画会議」が運営されているだろうことは、想像に難くない。
そこで導かれる方向性が、あるねじ曲げから自由だとは思われない。
今、高2の息子は、まだこうした社会に参加していない立場で
本能的にこういったことを知っているのだと思う。
わたしは、大人社会の価値観、運営原理を知っているので
そのように内語として把握した、ということなのだろうと思い至った。

若年層に対して「先進国社会」が強いてきた環境は、
このような社会構造の変化を生み出してきてしまっている。
こうしたいびつさは、どのようにして社会的に止揚されていくのか、
あるいは、こうしたことがもっと進んでいく社会になるのか。
現代は、難しい位置にあると思う。

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