三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

仙台名物「柳町・大日如来」

2009年06月30日 07時26分12秒 | Weblog



仙台の街中で、面白いなぁと
いつも感心しているのが、このスポット。
仙台って、伊達家の新開地であり、
江戸の下町といえるような街は少ないと思うのですが、
そのなかで、下町風情を感じさせるのがここなんですね。
由来をインターネットで調べると・・・

柳町・大日如来 [Yanagimachi・Dainichi-nyorai]
やなぎまち・だいにちにょらい

仙台市青葉区の柳町のシンボル、大日如来。仙台朝市から柳町通りに抜けると見えてくるのが、130個の赤提灯で囲まれた大日如来です。伊達政宗公が仙台城下の町割りをした際、使った縄の一部を焼いたところだといわれています。未年と申年の守り本尊で、境内には狛犬の代わりに羊と猿。西側のビルの壁には、まるで参道が続いているかのような開府四百年記念「大日の杜」の壁画もあり、夜間もライトアップされています。

っていうようなことなんですが、
後段にあるのが、この写真の「大日の杜壁画」であります。
でも四百年続いてきた記念としての事業にしては、
となりの「ビルの壁面画」というのは、さてどうなんでしょうか(笑)。
わたし自身は、こういうキッチュな発想は大好きなんですけれど、
このとなりのビルオーナーさんは、もし建て替えるとなったら、
この壁面画、どうするつもりなんでしょうか?
鉄筋コンクリートの建物の法定耐用年数は60年。
江戸初期からのスポットの歴史性から考えると
どうも、計算が成り立たない気がします。
まぁ、わたしが心配するようなことは先刻承知で考えられてはいるのでしょうが
そういう心配を見るものにさせながら、
後先は考えず(笑)、思いっきり派手派手に、
ビルの窓まで含めて写真画面とおぼしき壁紙フィルムで覆われている様は圧倒的。
いや、しかし、こういう素材では、長期的耐候性に問題もあるハズ。
色あせとか、合わせ部分の「剥がれ」とか、いろいろ
他人事ながら、ハラハラドキドキものだと考えられます。
そういう心配は、それこそ大日如来のご加護で
「心配無用」と一喝されるのでありましょうか(笑)。

なにはともあれ、行く末を見守り続けていきたい
霊験あらたかそうな、都市の中の神域であります。




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床板の玄関扉

2009年06月29日 07時01分58秒 | Weblog



散歩の道すがらにこんな玄関扉を発見したしました。
店舗のようなんですが、
設計者や施工者は当然、不明であります。
でも思わず、「いいなぁ、これ」であります。

玄関扉って、建物を建てたらいちばん使用頻度の高い部位。
出入りには必ず使用するわけで、
そういう部分に対して、どういうセンスを持って望むのかは、
建てるひとの感受性を表してくる部分であり、
毎日使う側にとっては、その建物への愛着に関わってくる部分。
ある設計者から、毎日使う場所だからこそ、
その素材とか材質、質感、すべてに満足感が必要だと言っていましたが、
まさにその通りで、見た感じや、さわった感じなど、
感受性のすべてで、受け止めるべきものですね。

で、この扉、一見してそのまんまなんですが(笑)
扉材に古いフローリングを再生利用している。
無垢板で、多くの人間の踏んだ痕跡感が感じられる。
塗料のはげた感じ、素材と時間、使った人間の肌の感じまで
そのまんま、そこから立ち上ってくるような感覚がある。
たまらなく懐かしい気持ちが沸き起こってくるような印象。
取っ手はシンプルなデザインの太めな金属製。
扉の枠も色調が整えられているので、統一感もある。
どうも、歳を取ってくると
こういうデザイン感覚に同意したくなってくる。
結局人間がいちばんやすらぐのは、素材の質感と時間感覚。
ざらついた表情に、こちら側の心象風景も掛け合わせて感受するようになる。
まぁ、こういうデザイン手法、
良くあるのだろうとは思いますが、
なかなか悪くはないなぁと、ひとり納得しておりました次第。





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海辺の白い家

2009年06月28日 06時21分00秒 | Weblog



ほぼ真夏のような陽気が続いていますね。
きのうは、仙台および近郊で住宅取材でした。
写真は、七ヶ浜の海辺の住宅の様子です。
漁家の娘さん夫婦が、生家の敷地内に建てたという住宅です。
立地としては、まさに海に向かって開かれている眺望が最大のコンセプト。

七ヶ浜というのは、
多島海である松島などと同じような成り立ちのようで、
地域全体が、島のようでもあります。
入り江も入り組んでいて、この写真のように対岸側もごく近い。
敷地は海に対して東側が面している。
取材に伺った午後からは、海側から見るとやや逆光。
そういう立地背景のなかに、白い外観が海から眺望できます。
海が仕事場であるお父さんは、
娘夫婦や可愛い孫のありかがすぐにわかるようになっている。

宮城県内や、東北全体でも感じているのですが、
北海道で住宅取材をしているときに比べて
圧倒的に地域景観との対話型の設計スタイルが感じられない。
北海道では、豊かな自然景観が都市の中でも発見できるよろこびがあるけれど
東北ではそのような暮らしへの積極的な楽しみ方のスタイルがやや感じられない。
伝統的な住宅建築のスタイルの中にそういう部分が少ないのでしょうか。
逆に北海道では、たとえば二間続きの和室、というような
生活習慣的な親戚関係を前提としているライフスタイルが薄くしか存在せず、
一方で、風景とのふれあい、景観の中で楽しむという
そういう開放的な住宅づくりが行われているとも言える。
そんなことから、なんとなく「北海道スタイル」とでも言えるものがある気がします。
そんな思いをしている中で、
こういう直接的な生活表現欲求をもった建て主さんというのも出てきた。
「わたしはこんな暮らし方がしたい」という
メッセージ性が訪れるものにシンプルに伝わってくる。
この土地らしい暮らし方が明快で、
まことに素直に建てられている住宅だと思います。

暑い一日、
こんな住まいの取材で、たいへん気持ちがスッキリとして
清涼感に満たされたような印象を感じておりました。





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城付きの駅

2009年06月27日 08時55分34秒 | Weblog


きのうは久しぶりに仙台出張であります。
打合せと取材なんですが、若干の時間を縫って
亘理の方へ行ってきました。
宮城県南部のこのあたりは、東北の湘南と言われていまして、
大変温暖なことで有名。
なんですが、まぁ、きのうは突き抜けるような青空で
風はさわやかなものの、夏本番を思わせる陽気。
色白中年にはちょっと厳しい暑さでございました。
亘理の古民家を訪ねてみようと思ったのですが、
目に飛び込んできたのは、なんと城郭。
一国一城の幕府の方針から、基本的に江戸期の城郭は一国にひとつですが
宮城県内には、仙台城の他に
特別に幕府に許されて建てた白石城だけだと思ったのですが・・・
なんと、亘理にもあったのかいな、であります。
つい誘われるように近づいていくと、
どうも鉄筋コンクリート造のようで、
使用途は図書館や郷土資料館のようなんですね。
表側に回ってみると、こんどは亘理のJR駅になっている。
公共事業として、こういう建築を建てたものなのですね。
ううむ、悪くはない。
単純ではあるけれど、シンボルとしての建築効果は高い。
わたしのようなエトランゼもつい釣られて見入ってしまう。
考えてみると、こういう公共建築デザインって、
近代主義の結果、全国どこにでも似たようなものや、
無理矢理個性的に考えられているような建築が多い。
まぁ、うんざりさせられることが多いのですが、
そういうなかでは、こういう単純なシンボルは清々しい。
亘理というのは平坦な土地柄なので、
こういう高さのある建築は、ランドマークとしても正解。
でありながら、三角屋根のユーモラスさが、
ちょっと笑える。
すっかり亘理の街が好きになってしまっておりました。




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開陽丸

2009年06月26日 05時41分00秒 | Weblog



本日は、これから仙台へ移動であります。
きのうまでに片付けられることは片付けましたが、
いまは同時進行で2つの大きなプランを進行させていて、
なかなか綱渡りな作業を余儀なくされております。
さてさて、ふ~~~。

なので、しばらく、歴史関係のことは
頭のなかだけでとどめざるを得ず、探訪旅行が出来ません(涙)。
来週あたり、道東標津あたりに足を伸ばしたいと考えていますが
さて、どうなりますことか、・・・。
もうひと月半前くらいに行った上ノ国探訪の折に見た
戦艦・開陽丸の様子であります。
開陽丸、と丸を付けるのは船の愛称であって、
本来、戦艦には丸を付けるべきではない、という説を聞いたことがありますが、
一般的には、この幕府最後の旗艦には「開陽丸」と、丸が付いて呼称されてきました。
戦前日本の旗艦「大和」も、最後はあっけなく来たのですが、
この開陽丸も、最後はなんのことはない、些細な操縦ミスで
あえない最期を遂げています。
江差の岩礁地帯で座礁して沈没してしまったのですね。
それをサルベージして、いまは江差の街の重要な歴史遺産として
港に係留し、観光客に開放しています。

まぁ、何回か見ておりますが、
ごらんのような蝋人形による戦闘風景などもあって、
なかなかに迫力がある。
幕末の国家予算のなかでも相当に大枚の国費を費やしただけあって、
船体も大きく、当時の軍事技術でも相当のレベルの軍艦。
榎本武揚が深く頼んだことが、さもありなんと思われる偉容を誇っています。
江戸から、この軍艦を旗艦とした榎本軍が出航したとき、
新政府軍側が、なすすべがなかったのが
この軍艦の最後の花の出来事だったのでしょう。

でも、ひとつの軍艦が、
象徴的な存在として、構成まで語り継がれるという意味では、
やはり特別な感慨を持たせるものがあります。
何回見ても、やはり明治の動乱の時代のひとびとの息づかいまで
こちらの胸に伝わってくるような思いがしてきます。




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家の長期存続に不可欠なもの

2009年06月25日 07時11分42秒 | Weblog



最近は、国からの補助金政策があれも、これも、
という感じで、景気対策としてずいぶんと使われています。
ひたすら土木や道路といった利権が一部に集中するような使い方からすれば
まぁ、マシではあるとも言えるのですが、
いろいろな概念の押しつけとも思えるようなこともあります。
いま、盛んに言われている「長期優良住宅」という概念もそのひとつ。

そもそも、長期優良住宅という概念は
前の総理大臣の福田さんが、海外生活が永くて
アメリカの住宅地を見ていて、感じていたことを政策化したもの。
その趣旨自体は、全然正しい認識といえるのですが、
いざ、法として整備されてくると、
どうもクエスチョンの付くようなものが入ってくることになる。
やれ耐震等級だとか、っていうような、
これまでの法律との整合性を盛り込んでくることになるので、
建築の自由度を制限するような方向になってくる。

そういうことはまだいいのですが、
さて、そのように細い構造材に金物でがんがん補強を入れた建築で
床面積も40坪程度の住宅で、長期優良です、
っていうようになっているのですね。
でも、実際に200年、300年建ち続けてきている住宅も
日本にはたくさんあるのです。
地域の暮らしに根ざした大型農家住宅がそれですね。
いわゆる古民家と、一般的に認識されている建築です。
で、このような「長期優良住宅」論議のなかで
ほぼまったく論議されていないのが、その長期継続性の精神性の部分。
「ひとびとは、どうしたら永く家に住み続けるのか」
ということがらですね。
国の政策ではありながら、こういう文化的なというか、哲学的なというか、
そういう視点が提起されることはまず、ない。
でも、実際に古民家を訪れると、一様に
写真のような神棚が家の真ん中、神聖空間に鎮座し、
先祖への礼拝空間も美しく飾られている。
そういう「継続性」への文化こそが、
ひとびとに住空間を大切に保持していこう
という意識を生み出す最大のものであることが自明です。
それは日本人の生きて繋がっていくこと、継続性への自然な姿。
ひるがえって、生産活動の手段のない、生活装置だけの住宅が
そこまで長期にあり続けていくのか、疑問を感じざるを得ない。
ことは宗教的な部分まで及んでくるので、
確かに現代国家の政策テーマには難しい側面を持っているけれど、
逆にそういう哲学論議を持つことなく、
「景気対策」というようなことで、安易に価値判断していいのかどうか、
いつも迷いを持って感じてきている次第です。
みなさん、いかが感じられるでしょうか?



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道南上ノ国八幡の狛犬

2009年06月24日 06時28分24秒 | Weblog




ここんところずっと札幌にいて、
いろいろなイベント関係や、その段取りとか、
まぁ、仕込み的な仕事が多くて、しばらく新鮮な空気を吸っておりません。
今週は、金曜土曜と仙台出張が控えておりますが、
それまでにしなければならない準備も多く、
まったく別進行で、急ぎのこともあって、まぁ、なかなかゆとりがない。
きのうもまたまた講演を頼まれまして、
中小企業家同友会の会合だったのですが、
なんと、前日聞いていた方も約1名会場に顔を見つけて
「ありゃりゃ、○○さん、(汗)」であります。
困るんですよね、まさか両日とも参加という方がいるとは
夢にも思っていないので、テーマ写真とも、前日とまったく同じもの。
しかし、しょがない。
その旨正直に事前申告。
笑っておられましたが、なんと、終わってから
「何回聞いても面白かったですよ(笑)」というやさしい声かけ。
救われる思いがいたしました。やはり日本人、こういう心遣いに弱い(笑)。

っていうようなことでしたが、
すこし、気持ちだけでもゆとりを持ちたいと考えまして、
本日は、狛犬シリーズであります。
写真は道南上ノ国八幡神社の境内に鎮座していた狛犬。
若いときから、こういう神社仏閣の類を見て回るのが趣味という
ちょっと若々しくない(笑)趣味を持った男ですが、
50を過ぎるあたりから、
このどこにでもいる、というかある、
狛犬にふと、興味を覚えまして、
いろいろな場所の狛犬を時々、写真に収めて悦に入っております。
この道南上ノ国八幡というのは、源氏の流れを家系伝説にしていた
松前氏が、それをこれ見よがしに表現するために造営した神社。
以前に、日高の方の「義経神社」というのを見学しましたが、
あちらは素性間違いなく源氏であるのに、
正嫡の頼朝と離反したからか、八幡を名乗っておりませんでした。
このあたり、由緒自体にも疑問が付くところでしたが、
こちら、松前氏の源氏説も、さてどんなものなんでしょうか。
幕府の徳川氏が源氏を僭称していたので、
ゴマすりのように、「実は私どもも・・・」っていうようなことのような気もいたします。
そんな由緒を知ってか、知らずか、
まことに古びた狛犬。
ほとんどゴジラかよ、おい。っていう風情でありますね。
いや、逆にゴジラの表情はこうした狛犬がモチーフだったのかも知れません。
まことに勇ましく、悪霊をにらみつけている
勇壮な表情がなんともユーモラスなお姿と思います。




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住宅デザインの講演

2009年06月23日 07時43分55秒 | Weblog


きのうは「パッシブシステム研究会」という、
自然換気による暖房・換気のシステムの普及を目指す会での講演。
基礎断熱した床下・土間空間に温熱装置を設置し、
外部の新鮮空気を取り入れて加温。
その暖気が自然な動きで上昇気流になって家の中をゆっくり上昇。
それが建物頂部の排気口から排出されていく。
っていうようなシステムで、北方圏型の住宅熱源システムとして
北海道の住宅研究者たちが開発したもの。

その総会の席で、講演を頼まれた次第。
そのような技術系の団体での講演と言うことで、
普段は、研究職のみなさんが講演主体になることが多かったのですが、
今回はわたしに話せということで、
むしろ、普段は聞かないような「住宅デザイン」系のお話しをして参りました。
歴史的な視点や、ライフスタイルとしての間取りの視点から
最終的には今後の住宅デザインの方向性というような
お話しにまとめて見た次第です。
まぁ、いろいろな場所で講演を頼まれるので
今回はそういった視点に絞ってみたと言うことですね。
講演後、いろいろなみなさんと名刺交換やお話しをすることが出来まして、
活発なお話しをすることが出来ました。
住まいというものを初源的にとらえ直して、
人間らしい暮らしの入れものとしての意味合い全体を考えることって
みなさんにとっても、興味をそそられたようで、
講演の中の紹介写真を切り口としたたくさんの話題で盛り上がり、
楽しい時間を過ごすことが出来ました。
貴重な出会いの機会に感謝、であります。

そのなかで、きのう書いた「変形屋根」のことも出て
大爆笑の展開になっていました。
会員の中には、くだんの屋根形状の住宅を建てていたメンバーも多く、
その意味合いがくっきりと見えてきた思い。ああした変形屋根の
根本的な動機は、やはり断熱不足の状態の中で
発生せざるを得ない氷柱・すがもれ対策と、
三角屋根デザインへのユーザーと作り手の「飽き飽き感」というものの
複合的な要因から、大流行したのだと言うこと。
講演の中ではあまりよくは言っていなかったのですが、
みなさんそのあたりは、苦笑いしながらも同意したりしていまして
なんとも楽しい展開でした(笑)。
一回の講演で、ずいぶんと親しいみなさんが増えた思いで
大変有意義に過ごせました。ありがとうございました。




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変形屋根の家

2009年06月22日 06時16分25秒 | Weblog



本日は夕方から、ある建築関係の団体からの依頼で
講演を予定しています。
まぁ、定期的に、っていうようにときどき依頼があるのですね。
わたしは建築を専門で学習してきた人間ではなく、
むしろ専門外の雑誌編集・メディア側の発想人間ですので、
住宅建築の専門的な、たとえば断熱や気密といったテクニカルなことは
北海道の住宅を紹介するようなときに触れることはありますが、
そういう話がメインで講演で頼まれると言うことはあまりない。

しかし、住宅は年に100件以上は見に行く機会があるので、
メディア的に興味は深まってきます。
まぁ、強いて言えば、住宅建築に社会的に、あるいは情緒性的に関わっている、
とでも言ったらいいのではないかと思っています。
とくに歴史は大好きなので、
人間の生活,民俗的な視点からのアプローチが大好きです。
それと、マーケティング的な角度も織り交ぜながら、
お話を展開しています。
でもまぁ、講演が専門でもありませんので、頼まれればやりますよ、
っていうような立場でお引き受けしている次第。
毎回、パワーポイントでプレゼン形式でお話ししています。
やはり雑誌なので、写真は豊富に持っているわけで
みなさん、難しい話よりも、きれいな写真の方が見やすいので、頼まれるとも言えますね(笑)。

さて、今回のプレゼン作成で紹介する写真のひとつがこれ。
北海道に住んでいる人なら、よく見かけるタイプの家ですが、
他の地域ではあまり見かけることがない。
屋根が思い切り変形していて、???っていう雰囲気の住宅。
昭和40年代、大手ハウスメーカーが北海道に進出してきて
三角屋根の画一的なデザインが飽きられたことや
長尺鉄板が普及したことで、屋根のデザインの「個性化」が進んだようなのです。
その他の理由としては、雪対策というものもあったのではないかと思われます。
さすがに今日では廃れてきていますが、
北海道の住宅の歴史の中に、エポックを刻んでいるタイプといえます。
北海道の住宅が、日本的な伝統を離れて
より、自由になっていこうとした雰囲気を表していたのかも知れませんね。
ただ、デザインの個性化、というような面から見て、
こういう屋根形状でそれを表現するというのは、
さすがにちょっと、今日的感覚からすれば引いてしまう(笑)。
デザインというものは、こういうものとはすこし違うのではないかと思います。
まぁ、歴史的にはしっかり確認する必要のある住宅の形でしょうね。





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バス見学会・大盛況!

2009年06月21日 09時22分48秒 | Weblog



きのうは朝から、北のくらしデザインセンターの
建築家住宅バス見学会の第2回開催と言うことで、大忙し。
とはいっても、わたしは最後の最後の締めのあいさつだけが主業務(笑)、
なので、忙しくしてくれたのはスタッフたちでした。
本当におつかれさんでした。

で、みんなの熱意と努力の甲斐あって
予約された全員が、無事集合されて当初予定の2倍のバス2台に分乗して
見学して参りました。
今回はとくにすでに引き渡されている建物を見学するということで、
ご協力いただいた建て主のみなさんには本当に感謝! であります。
もう住んでいる住宅を見せていただけるなんて、
なかなか、出来ることではありません。
それなのに、こころよく申し出を受けていただいたみなさんには
本当にこころから頭が下がる思いがいたします。
そしてそういう建て主さんとの関係を保てている事例と言うことで、
今回は、そういう意味で、そのあたりの建築家と建て主さんの
信頼関係というものも最大の見どころだったと思います。
実際に、1番目に行ったお宅の奥さんはたいへんに住宅好きで
マガジンラックにはなんと、さりげなくリプランが・・・。
まさにウルウル感激篇というところであります(笑)。
で、なお、見せていただいたあと
「わたしも見に付いていきたい(笑)」ということ。
家を建てて、満足感が高かったということで、
住宅建築と言うものに深く感受力が高まっているのですね。
また、最後に見せていただいたお宅では、
奥さんが寝室の造作の細かい部分を
見学参加者に下地材までめくって解説していただきました。
寝室が吹き抜けになっていて、畳敷きなのだけれど、
少し小上がり風に造作されています。
薄縁で、その下には「すのこ」が工夫されていて、
その下には、引き出し式収納が造作されていました。
その様子を、自らスノコの上に乗ってその弾力感などの心地よさを
身をもって伝えてくれているのです。
建築家が作り上げた建物の良さを十二分に引き出して、なお、
楽しい暮らし方というエッセンスを加えているのですね。
まさに「愛着を持って暮らしていく」という、そのものだと感じました。

最後のあいさつでも言ったのですが、
欧米では、ステキな住まいを地域のみなさんに特別に公開する
そんな住文化が存在しているのだそうです。
植栽やインテリアすべてを含めて
その地域での暮らしを思い切り楽しむ、という住宅文化を
広げていく仕掛けなのだなぁと思っていたのですが、
このわたしどもの取り組みが、そんなことにつながっていけたら
という思いを強く持っています。
これからもたくさんの機会を作っていきたいと考えていますので
ぜひみなさん、「北のくらしデザインセンター」にご参加下さい(笑)。
<写真は1回目の見学会より>




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