三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

夏草や・・・

2009年07月31日 06時07分34秒 | Weblog



さて、本日は東京に出張であります。
で、仕事では継続的に取り組んでいる作業が一段落。
そこで、自分でもひとくぎり感がありまして、
前々から、「やらなきゃなぁ・・・でも、ま・・・」
っていうことで、なかなか着手していなかった事務所まわりの
雑草処理、やることにいたしました。
きっかけは,アリの出没被害であります(泣)。
1週間くらい前から、さすがに長雨続きで巣別れ時期のアリが
社屋内に発生しておりました。
まぁ、周囲には素晴らしいお庭もあるので、
育成条件としては、雑草にもアリにも大変よろしい環境であります(笑)。
毎年は、数少ないわたくし専有の仕事項目でして、
年に2回程度、草むしりをしておりました。
しかし、ことしはどうにも忙しいというか、手を付けられなかった(汗)。
まぁ、心理的に「やるぞ!」という気が盛り上がらなかったのは事実。
なんですが、それ以上に長雨続きで
そういうチャンスも少なかったというところなんですね。
<ちょっと、言い訳くさいなぁ(笑)>

大体幅が、約1m程度で周囲の総延長が100mくらいでしょうか。
それくらいの面積空間を、腰を下ろしてじっくりと・・・。
まぁ、ほぼ雑草たちは畑状態でございました。
作業自体は楽しいのですね、これが。
どんどん、建物のまわりの状況が露わになっていくプロセスは楽しい。
さまざまな虫たちが大あわてしている様子を見るのは
なにやら、怪獣映画の怪獣役のようでもあり、意欲が湧いてくる。
なにやら、吠えまくりたくなる心境です(笑)。
中には昨年後半くらいからの1年草が
枯れ木のようになっているのもありまして、
なかなかに手強い部分もありました。
でもまぁ、悪戦苦闘と、やや軽く腰への張りを感じつつも、
1時間半くらいで、無事作業は終了であります。
やはり、アリの巣が3箇所程度発見できまして、
除虫剤で、アリの巣殲滅作戦を敢行いたしました。
まぁ、やや不憫ではありますが、会社を守るためには鬼の心境であります(笑)。

相談した設計事務所の話では、
ことしはいろいろなお宅で、それも一斉にアリの被害がでているそうです。
やはり長雨の影響なのではないかと思いますね。
で、写真がきのうの戦果のゴミであります。
札幌市は、ことしからゴミの有料化がはじまっていまして、
これが、雑草・枯れ枝の類は月に一回の収集。
8月は17日まで収集がないのだそうです。
っていうことで、わが家の裏の石油タンクの下に一時保管であります。
って、まだ2週間以上先なので、覚えておけるかどうか不安。
みなさんは一体どうやって忘れないでいられるのか、
夫婦で思案投げ首でおります。
うむむ。手強い。




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日射遮蔽スクリーン

2009年07月30日 07時34分14秒 | Weblog



きのう紹介した函館の渋谷建設さんのモデルハウスで見たもの。
太陽光発電を屋根に設置するなどしているのですが、
一方で、日射遮蔽の工夫もしておりました。
高断熱高気密になってくると、室内に取り込まれる日射熱が、
けっこうなオーバーヒートを引き起こします。
日本の伝統的家屋では、そういう対策として軒を深くするわけですが、
寒冷地の建物では、積雪や氷柱の問題もあって
軒の出を深くすることに、歴史的にわだかまりがある。
それと、やはりデザイン的に
軒の出が深くなるのも似合う場合とそうでない場合もある。
そういったことから、その両方の問題点対策として、
一般的には日除けオーニングが考えられるのですが、
施工的に簡便というわけにも行かないのが難点。
っていうような需要にめざとく発売されているのがこれ。
まぁ、会社名や商品名は伏せておきますが(笑)、
値段を聞いたら、まぁ、大体は30000円前後で流通しているようです。
普通のオーニングが、傘のように窓を覆うのに対して、
こちらはちょうどスクリーン状に窓を覆っていくのですね。
で、上の収納部分から下げてきて、窓の最下部に引っかけられる金具があり、
そこに掛けて窓面を覆うことになっている。
上部収納部分の厚みがあるので、左右に隙間が開きますが、
日射遮蔽が目的のものなのでまぁ、問題はないと思われます。
窓は引き違い窓が基本になるでしょうね。
滑り出し窓や押し出し窓では、引っかかって出し入れができない。
窓の高さによりますが、大人であれば、日常使用的には問題はない。
背の低い方はちょっと使いづらいかも知れませんね。
っていうような新商品なんだそうです。
ほとんど軒の出がない、最近のシンプルモダン系デザインの住宅には
需要があると思われ、本州地域では出回っていると言うこと。

で、性能的な部分については・・・、
というあたりで、時間的にタイムアウトで聞けませんでした(笑)。
メーカー側のHPなどで見てみようかな、と思える商品です。
でも、このように遮蔽すると、窓を開いているとき、
そのうえ網戸を掛けると、
スクリーンだらけって言うような感じがするかなぁ・・・。
どうなんでしょうか、使用感など、
いろいろ聞いてみたいなと思いますね。




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太陽光発電と屋根形状

2009年07月29日 04時40分33秒 | Weblog




函館にはe-ハウジングという地元ビルダー組織があります。
これは地域の中で、単独では資本力とか知名度的に大手メーカーに対抗しにくい
中小工務店が、結集することでパワーを大きくしていこうというもの。
こうした「地域工務店ネットワーク」というスタイルは
その中核的な理念構築や、リーダーシップなどの面で
なかなか難しい組織運営になりますが、
この函館のケースでは、メンバー5社で独自の住宅展示場までオープンさせています。
住宅展示場と一口に言うけれど、
土地の契約であるとか、維持していくのにかかる費用など、
まずはお互いの信頼関係構築など、難問が山積しているもの。
その点、e-ハウジングでは対銀行などでも協同の力で
個別企業ではできないような展開を可能にしています。
このような動きのためには、共通の、いわば旗印のようなものも必要。
地域工務店として、住宅技術的な側面も大切であり、
性能面でも差別化を図っていますが、
ここでは「太陽光発電」という切り口での展開も行っています。
函館市美原の展示場にある5棟のモデルハウスは
どの建物にも屋根に太陽光発電装置が乗っかっています。
写真はそのなかの「渋谷建設」さんのモデルハウス外観。
十分な後退距離が取れなかったので、屋根面は不明瞭ですが、
手前側の屋根に、装置が載っています。
太陽光発電装置は、南面に設置するので、
そちら側の面が大きくなっている必要がある。
この建物では、「のこぎり型」の屋根形状を採用して、
南側の屋根面を大きく取っています。
こういう屋根では、同時に高い位置に採光窓を得られます。
場合によっては換気装置をこの高い屋根側に設置して
パッシブな換気を計画することも可能になります。
性能面を考慮していくと、この屋根形状って、なかなかメリットがある。
さらに軒の出が一定に確保されているので、
理にかなっている部分が多いといえますね。

さてお盆前までにいろいろな作業が山積しております。
最近は対お役所への対応用件が増える傾向にあり、
ふだん使わない言語感覚が必要なロジックの世界になって参ります(笑)。
お役所の問題として、こういう言葉の問題というのも大きい。
実際に言葉や表現によって、いいものでも通らないケースもあって、
取り組んでみると難しい。
やはりこういう政策は、補助金ではなく、
減税方式の方がわかりやすいし実用的ではないかと
慣れない作業にとまどうビルダーさんたちの様子を見ながら思う次第です。
はてさて、やれやれ、と。



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建具と日本的感性

2009年07月28日 05時59分29秒 | Weblog



きのうの続きを書きます。
やはり、建具って、面白いものだと思うのですね。
欧米の住宅の場合には、ひたすらしっかりした壁を作ることに腐心する。
窓という存在は、WIND+OWというのだそうで、
語源的にも風の導入という考えが基本的な要件になっている。
それに対して、日本は「間の戸」という考えがベース。
どうも方向性が大きく違うと感じる。
北海道の住宅は、日本の中で一番、インターナショナルな存在だと思うのですが、
そういう意味で、北海道ではあまり「建具」の感受性がない。
だいたい、建具屋さん、という職業自体、少なくなってきている。
たいていは今や、建材メーカーの既製品を嵌め込むだけになっていて
手作りで一品生産する職種が希少価値になっている。
それでも、やはり、このせっかくの日本的建築装置はなんとか存続させていきたいもの。
写真は、「葦障子」のクローズアップですが、
こういう細やかな手仕事を愛でてきた日本的感受性は素晴らしいと思う。
一本一本の葦を丹念にひもで結んでいって、木枠の中に収めていく。
で、やはりこういう規則的な手仕事の連続が生み出す
規格感のようなもの。
いわば「枠にはまった美しさ」というようなものが好きなのだ、と思う。
日本人が生まれてから見続ける家の中の風景に
こういった規格感を備えさせるような装置が仕組まれているのですね。
たぶん、こういう意味合いはものすごく大きな部分なのではないかと思います。


さて、日曜から月曜に掛けて
道南、青森と行ってきまして、クルマで走っておりました。
まぁ、日本全体のようですが、
この長雨はいったいどうしたことでしょうね。
わが家のカミさんの実家の畑も、まったく野菜が生育しません。
低温で長雨ですが、空気は湿潤で蒸し暑い。
雲さえ取れれば、夏の暑さ自体はあるようなのですが、
この調子では、農業関係はたいへんな年になりそうです。
景気が悪い上に、不作と言うことならば、
大変厳しい。なんとか、天候の回復を祈りたいですね。




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日本家屋の建具の美

2009年07月27日 05時48分52秒 | Weblog



写真は北海道西岸・増毛の「本間家住宅」。
何回か訪れていますが、
本邸の方のこの廊下の様子がなぜか好きで、写真を何枚か撮ります。
なぜなんだろうか、と考えて気付いたのですが、
やはりこれは建具の美しさに惹かれていると思い至りました。
日本の家はさまざまな建具がそのインテリアの基本。
とくに欧米の家が防御的な「壁」の建築であって、
開口部は、それこそ「空気を取り入れる」窓、という明確な目的的存在であるのに、
日本の窓は、それこそ柱と柱の間の広大な開口部なのですね。
それも至る所に開きまくっている。
そういう建築構造になっている。
壁を重視しない構造になっている、ということが大きいのでしょうね。
しかし、そのままでは空気の遮断とか、
生活上では不具合も発生してくる。
そこで発達したのが「建具」ということなのでしょう。
で、障子に代表される格子模様が日本的インテリアの基本。
この写真の廊下空間は、ほぼすべてが建具で構成されている空間なんですね。
そういうことから、なぜか惹かれる空間性を持っている。
正面奥の「葦障子」は、夏場だけ使用するそうですが、
こちら側の視線の変化に対応して、見え方が変化する。
細かい葦の枝で組み合わされているのですが、
よく観察すると、葦が太いのと、細めのとで交互になっています。
そして、もっと言うと、節の位置の微妙な変化で
まるで模様が付いているようになまめかしい光線の変化が感受できる。
一方で右側の葦障子は,タテに組み込んでいます。
こちらのほうは、太めの葦だけで、太さも揃えられている。
本当に奥の深い建具の世界であります。

左側の障子たちは、中庭からの光を内部に引き込んでいる。
その光が、右の障子を通して居室に導入される。
断熱的には、紙が2枚だけという構成になる。
もっとも、この家では中庭のほうにはガラス窓が嵌め込まれています。
でもまぁ、日本人って、こういう空間性のまゆに包み込まれてきた。
こういうなかで、規則的な幾何学的な格子模様を
幼少期からインプットされるのが日本人なんですね。
日本人が数学が好きだ、というのもむべなるかな、ですね(笑)。
どうなんでしょう。最近は数学コンクール、
日本のお家芸ではなくなってきているのでしょうかね。
でもこういう空間性って、幾何認識を大いに刺激しそうな気がします。

廊下なんですが、ときどきこうやって
座った目線でたたずんでいると、ずいぶんと心が和んでくるような気がします。
みなさんはいかがでしょうか?



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北海シマエビ・妻有そば

2009年07月26日 04時37分53秒 | Weblog



おととい、しばらく切らしていた「妻有そば」が届いていました。
新潟県出身のカメラマン・安達治さんから以前、教えられて以来、
大ファンになって、通販で購入している味です。
しばらく食していなくて、久しぶりに頼めたのです。
やっぱり味が全然違うんですね。
乾麺なんですけど、手打ちとも違う、まったく信じられないのど越しの食感。
布海苔をつなぎに使う、新潟十日町・玉垣製麺所さんの製品です。
http://www.tsumarisoba.co.jp/index.html
最近、「石臼引き妻有そば」というのを新製品で出しているそうで、
こちらは通常価格の倍近い金額です。
まぁ、一度は頼んでみようと思いますが、今回は通常タイプ。
30把入りで6900円也。
おいしいそばは、おいしい店で手打ちを食べさせてもらうのがいいとは思うのですが、
やはり乾麺は乾麺で、独特のおいしさがあります。
1把あたり、200円くらいですから、
2把ゆでて、3人の食事にちょうどくらいでしょうか。

っていうそばを楽しもうと思っていたら、
なんと、友人から突然のケータイ電話。
「なした?」
「北海シマエビ、やる。」
「どうしたのよ」
「常呂で買ってきた」
「いいのか?」
「いい」
っていう、垂涎の申し出。さっそくかれの家に受取に行き、
お礼もなんもなく、「まぁ、そのうち、無農薬野菜だな・・・」と
心の中で、礼を言って大急ぎで家に帰りました。
「北海シマエビ、食うぞ」
「マジ・・・、食う!」
という親子の手短な会話のあと、
ひたすら、皮むき、パクパクと無言の一時・・・。
仕上げにざるで、妻有そば。

いやいや、なんの言葉もございません。
まったく至福の一夜でございました。ありがとう、幸せです。





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思わず振り返る廃屋

2009年07月25日 08時50分55秒 | Weblog



こういう種類の趣味生活って
どういうものなんでしょうか(笑)。
どうも、クルマで走っていて、建物には気が向くのですが、
決まって「廃屋」が目にはいると、つい凝視してしまう。
っていっても安全を考えてホンのコンマ何秒ではあるのですが、
そういうなかで、ついクルマを引き返して
戻って見てみたくなる建物って、あるんですよね。
写真は、先日の道東旅行の途中で通った足寄方面での農家住宅。
自然の緑豊かな中に、たとえば屋根板金の錆び具合や、
木部の劣化具合、塗り壁の剥落ぶりなど、
そういう「滅びていくもの」への愛着のようなものが、強い。

この家も、まるで「見返り美人」のようにこころに訴求してきた(笑)。
古びていることが、ある種の美感に通じている部分って、
一体何なんでしょうか。
自分でもよくわからないのですが、やはり好きなんでしょうね。
住宅を見続けるような生活を、何十年も続けているので、
自然と、そういう感受性が臨界点に達して
そこから先にある、「滅びの美」のほうに向かっているのかも知れませんね。
でも、たとえばこの住宅をじっと見ていると、
簡素だけれど、なかなかに味わいがある。
シンプルな切妻だけれど、バランスがいい。
玄関が張り出していて、下家が縁側部分に張り出してもいる。
左側の壁は塗り壁の仕上げで、色合いも悪くない選択。
真壁を正直に表している柱や梁もデザインを引き締めていて、いい。
それと、居間とおぼしき方向にはなぜか、釣り合いで考えて
思いっきり大きい出窓が配置されている。
これはたぶん、間違いなくリフォームの結果だと思うけれど、
でもバランス感覚はなかなかにいいと思います。
きっと、廃屋になってからまだ時間は比較的に新しいと思います。

塗り壁の破れ具合も確認してみたのですが、
下地の造作など、しっかりとした仕事だと思いました。
新築当時の様子を想像してみたら、これはかなりいい仕事だったと思いますね。
結局、こういった手業の部分が、
年を重ねても、くっきりと浮かび上がってくるものなのでしょう。
人間が丹念に作ったのだな、と思える住宅はやはり美しい。
いろんなところを歩いてみて、
そういう思いがどんどん、強く感じるようになってきます。
願わくば、そういう作られようになるように、
いま建てられる住宅も、なっていってもらいたいですよね。




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竪穴住居の間取り図

2009年07月24日 04時33分54秒 | Weblog



写真は日本の側で言うと奈良期から平安期の
北海道北東部に300年間以上程度勢力を誇っていた
「オホーツク文化人」たちの復元住宅の「間取り図」。
かれらは、日本国家との間で外交関係も築いているのですね。
使節が畿内地域まで来ていたという。

当時の通常の住宅はたぶん、
ヤマト政権側一般庶民も竪穴住居だったろうと思います。
それに対して、
国家施設などは「立派な」大型木造建築で、
「瓦」葺きという異形なまでの立派さが、
権力装置として、大きな意味合いがあったのだろうと推定できます。
ただし、建築的にはまだ、柱をそのまま礎石の上に建てる形式だっただろうと思います。
土台という概念は導入されていなかった。
しかし、まつろわぬ民にしてみれば、
大いにその文化的先進性に驚かさせられる存在だったことと思います。

しかし、それは文化の違いが生み出したものであって、
狩猟採集を基本としたオホーツク文化側からすると、
弥生的農耕社会の生み出した「変わった建築形式」としか
認識しなかった可能性が大きい。
外交交流で、畿内地域を訪れたオホーツク文化人たちが
どんな思いを持っていたか、想像力が刺激されるところですね(笑)。
一方で、かれらは「祭壇」とされる家の中の神聖空間に
熊の頭骨を供えるという文化を持っていた。
この文化はその後、アイヌにも継承されていくもの。
復元されているオホーツク文化人の竪穴住居は大きい建物で、
家の中に機能的に仕分けされる空間的分化が見られるのですね。

わたしのこのような古民家、復元住居への関心が
まわりのみなさんに認知されはじめているようで(笑)
きのうは、取引先の印刷会社の方から
北海道の古建築写真集を貸していただけるという申し出をいただきました。
昭和50年代制作の立派な装丁の本なのですが
どの写真も興味深く、たいへん面白い資料だと思っています。
研究材料としては資料的な価値も高いので
ありがたく利用させていただくつもりです。
でもまぁ、ブログ書き続けているとこんなこともあるんですね(笑)。




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補助金を使った行政

2009年07月23日 07時28分25秒 | Weblog




最近、身の回りで「補助金」に関連した動きが大きい。
ちょっと前までは、こういうことには一切関係がなかったことを思うと
まさにいまの経済状況を良く表していると思う。
民需の側で、たいへん厳しい状況が続いていて、
どうにかして仕事を継続していくのに、
官演出の需要が下支えとして必要があるという点ではその通りだと思う。

しかし、そのプロセスで
手続き的な問題がたいへん煩雑にならざるを得ない現実がある。
どう考えても、行政側とのプロとしての対応テクニックのような部分が必要。
これまで、大きな箱物とか、道路とかの
公共事業の仕事を得るためにゼネコンのような会社が
やらざるを得なかったような複雑な対応が、
一般的な中小企業レベルでもやらなければならなくなってきている。
法の番人であり、執行者でもある官僚機構側としては
まことに当然のことではあると思います。
しかし、「景気対策」ということで出てくるこういう施策が
現場的には、結果として大量の事務作業の山を強いるのでは、
さて、どんなものなのでしょうか。
疑問と感じざるを得ない部分が多々あります。

こういう状況になって、
これまでもこういった官僚機構との対話を継続的に取り組んできているみなさんと
良く接触するようになっています。
国が施策として打ち出すいろいろな「補助金」は
それをどのように活用するのか、について
プロの世界があるのだと言うことなのですね。
そういったプロのみなさんが、
たとえば同じ官僚機構の中の末端にある地方自治体などに
主体的に働きかけたりするのが実態なんだとか。
まぁ、これだけたくさん「補助金」の類があると、整理分類も大変ですね。

政権が交代するとして、
さてこういう状況がどうなっていくものか、
注視していかなければならないと思います。





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人間の安定的優良居住条件

2009年07月22日 07時55分26秒 | Weblog



写真は、道東標津町の湿原を流れているポー川。
湿原の中とあってか、大変水量が豊かで、
たっぷりとした流れが、いかにも自然の営みを感じさせてくれる様子。
ここの湿原に対して台地上になった端部に
太古からの人間の営み痕跡があるのです。
旧石器から、アイヌ期まで、ここでは遺跡痕跡が積層しています。
人間の暮らしに不可欠なものは、
現代人のほうが長い歴史の中では特殊だと思われます。
人間の歴史は、何万年ということになるのか知りませんが、
少なくとも、旧石器の1万年前後から考えれば、
ほんの1千年前くらいまでの北海道地域では
こういう「自然条件」のほうが人間生活の基本条件を形成していた。
海が迫っていて、後背には豊かな森が広がっていて
河川がすぐ近くを流れている。
やや高台になっていて、水害の恐れが少ない。
こういった条件が、人間の長い歴史の中では
より普遍性に近いような「安定的居住条件」なのではないだろうかと思う。
その後、農耕社会がはじまって条件が大きく変化していくけれど、
それまではほぼ一貫した条件で人間生活が営まれている。

長期優良住宅、という概念、
福田前総理が打ち出した政策でありますが、
かれが想定していたのは、アメリカの高級住宅地を見てのことだったといいます。
しかし、人間の居住条件って、
その依って立つ経済的条件から無縁ではないと思う。
アメリカの高級住宅街は、近代工業社会での生産活動が一方に成立し、
そういう都市経済基盤というものがあって、その居住ゾーン
というのに過ぎない。
まぁ、そのような居住条件はそれなりの歴史的検証を経てのことだから、
当然のように前提と考えていい、とも言えるのかも知れません。
しかし、どうも納得はしかねる部分があります。
どうも、ああいう長期住宅イメージというものを前提として
本当に考えていっていいものかどうか、
イマイチ、承服しかねる部分があるワケなんですね。
どうなんでしょうか?





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