ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載第十七弾は「マドンナ」。
「マドンナ」こと「マドンナ・ルイーズ・チコーネ」は、
アメリカの五大湖に隣接した町、ミシガン州・ベイシティに生まれた。
両親と8人の兄弟に囲まれた幸せな日々は長続きせず、
彼女が6歳の時に終わりを告げる。
…最愛の母が乳ガンで他界し、程なく父が再婚。
変わってしまった家庭に馴染めず、独りで映画館に入り浸るように。
暗闇の中でシートに身を沈め、
ポップコーン片手に大好きなミュージカルを観るのがお気に入り。
やがて、歌い踊るスター達に憧れ、バレエスタジオへ通い、
練習に明け暮れるうち、憧れは夢に、夢は目標へ。
そして、倍率40倍の難関を突破してオーディションに合格すると、
誘われるまま、単身ニューヨークへと向かった。
大陸横断バスに揺られる事一昼夜。
辿りついたターミナルでタクシーを拾い、
後部座席から少し小さな声で、行き先をこう告げたという。
『世界の中心へ連れて行って。』
イエローキャブを降りた場所は、タイムズ・スクエア。
所持金は、ポケットの中の35ドル。
大都会の雑踏に立つ彼女の中で、孤独な戦いのゴングが鳴った瞬間だった。
道のりは険しく、ダンサーとしては、なかなか芽が出ない。
「スターになるには、歌が一番」と考え、バンド活動をスタート。
もがき、苦しみ、時には体を張って、スポットライトの下を目指して5年、
メジャーデビュー曲「エブリバディ」がスマッシュヒット。
翌年、ファーストアルバムからシングルカットされた「ホリデイ」で、
成功への一里塚を越える。
そして、更に1年後、1984年に「ライク・ア・バージン」の世界的ヒットによって、
トップスターへと登り詰めた。
その時に与えられたキャッチが“「マリリン・モンロー」の再来”。
セクシーで挑発的、刺激的できわどいイメージを押し出した初期の頃は、
大衆から注目を浴びる一方、関係者からは辛らつな見方をされていた。
しかし、彼女はへこたれなかった。
曲によって、時代によって、自らのイメージを変え、
スキャンダルも逆手にとって、エンターテイメントの激流を渡ってゆく。
個人的に好きなのは「ラ・イスラ・ボニータ」。
鍛え上げた肉体と、ラテンのリズム&メロディの組み合わせがいい。
「マドンナ」は、何オクターブもの声域や、群を抜く声量を誇るようなシンガーではない。
また、圧倒的なテクニシャンでもない。
でも、彼女のようなアーティストは他にはいない。
真骨頂は、セルフ・プロデュース力。
自己を冷静に分析し、どう魅せればいいのかを考え、常に話題を絶やさない。
大衆を、名人芸で翻弄している彼女は、一昨日、58歳になった。
不定期イラスト連載第十七弾は「マドンナ」。
「マドンナ」こと「マドンナ・ルイーズ・チコーネ」は、
アメリカの五大湖に隣接した町、ミシガン州・ベイシティに生まれた。
両親と8人の兄弟に囲まれた幸せな日々は長続きせず、
彼女が6歳の時に終わりを告げる。
…最愛の母が乳ガンで他界し、程なく父が再婚。
変わってしまった家庭に馴染めず、独りで映画館に入り浸るように。
暗闇の中でシートに身を沈め、
ポップコーン片手に大好きなミュージカルを観るのがお気に入り。
やがて、歌い踊るスター達に憧れ、バレエスタジオへ通い、
練習に明け暮れるうち、憧れは夢に、夢は目標へ。
そして、倍率40倍の難関を突破してオーディションに合格すると、
誘われるまま、単身ニューヨークへと向かった。
大陸横断バスに揺られる事一昼夜。
辿りついたターミナルでタクシーを拾い、
後部座席から少し小さな声で、行き先をこう告げたという。
『世界の中心へ連れて行って。』
イエローキャブを降りた場所は、タイムズ・スクエア。
所持金は、ポケットの中の35ドル。
大都会の雑踏に立つ彼女の中で、孤独な戦いのゴングが鳴った瞬間だった。
道のりは険しく、ダンサーとしては、なかなか芽が出ない。
「スターになるには、歌が一番」と考え、バンド活動をスタート。
もがき、苦しみ、時には体を張って、スポットライトの下を目指して5年、
メジャーデビュー曲「エブリバディ」がスマッシュヒット。
翌年、ファーストアルバムからシングルカットされた「ホリデイ」で、
成功への一里塚を越える。
そして、更に1年後、1984年に「ライク・ア・バージン」の世界的ヒットによって、
トップスターへと登り詰めた。
その時に与えられたキャッチが“「マリリン・モンロー」の再来”。
セクシーで挑発的、刺激的できわどいイメージを押し出した初期の頃は、
大衆から注目を浴びる一方、関係者からは辛らつな見方をされていた。
しかし、彼女はへこたれなかった。
曲によって、時代によって、自らのイメージを変え、
スキャンダルも逆手にとって、エンターテイメントの激流を渡ってゆく。
個人的に好きなのは「ラ・イスラ・ボニータ」。
鍛え上げた肉体と、ラテンのリズム&メロディの組み合わせがいい。
「マドンナ」は、何オクターブもの声域や、群を抜く声量を誇るようなシンガーではない。
また、圧倒的なテクニシャンでもない。
でも、彼女のようなアーティストは他にはいない。
真骨頂は、セルフ・プロデュース力。
自己を冷静に分析し、どう魅せればいいのかを考え、常に話題を絶やさない。
大衆を、名人芸で翻弄している彼女は、一昨日、58歳になった。