つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

桃色の邪(よこしま)な妄想。~ ピンク・パンサー。

2017年10月19日 08時13分11秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第六十一弾は「ピンク・パンサー」。

たとえ映画を観たことがなくても、
キャラクターは、多くの方がご存知ではないだろうか。

名前のとおり、頭の先から爪先まで全身鮮やかなピンク。
眠そうな垂れ気味瞼の三白眼。
スレンダーなシルエットの雄豹である。

彼が「ヘンリー・マンシーニ」作曲のテーマと共に登場したのは、半世紀以上前。
最初は、昭和38年(1963年)のアメリカ映画「ピンクの豹」の
オープニングやエンドロールに顔を出すお飾りに過ぎなかった。
しかし、愛らしくスタイリッシュな存在感が反響を呼び、程なくメインストリームに進出。
堂々主演を張ったアニメが150本あまり製作された。
また、多くのCMに起用され、日本の女性アーティストとも共演するなど、
洋の東西を問わず“洒落者”として人気を博している。

その立ち位置に異論はないが、
子供の頃、僕はどこか“アダルトな印象”を抱いていた。
やはり、与えられた色のせいだろう。
「ピンク映画」や「ピンクチラシ」。
「桃色遊戯」に「桃尻娘」、「桃色吐息」。
日本では、ピンクは官能的でセクシーな色として使われてきた。
由来には諸説あるが、それが「紅潮した人肌」にあたるというのは言い得て妙。
性交渉により、肌が薄紅色(ピンク/桃色)に変化する様子を表しているのだと。
なるほど、情緒がある。

…という事で、今回のイラストは、
かつて「ピンク・パンサー」と聞いて脳裏に思い浮かべた絵を描いてみました。
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私設投票促進委員会。

2017年10月18日 22時32分48秒 | 日記
石川県は、七尾市を中核とした「能登」と、金沢市を中核にした「加賀」に大別される。
わが津幡町の位置は県中央部。
加賀地区の北限にあたるが、衆議院議員選挙の区割りは能登地区の南限となる。

@石川1区…金沢市。
@石川2区…小松市、加賀市、白山市、能美市、野々市市、能美郡川北町。
@石川3区…七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、かほく市、
        羽咋郡志賀町、宝達志水町、鹿島郡中能登町、鳳珠郡穴水町、能登町。
        河北郡内灘町、そして津幡町。

従って、僕は小選挙区なら石川3区の候補者に投票する事になる。

@ふるさと能登に全力!!と、文法的に疑問が残るスローガンを掲げた人。
@ふるさとが好きだから一所懸命。と、具体性に欠ける全力アピールの人。
@打ち出しは分かりやすいが、比例票をアピールしやや積極性に欠ける人。
いずれか、お一人に票を投じるのだ。
今回の投開票は、10月22日(日)。
どんな結果になるかは、まだ神のみぞ知る。
じっくりと主張を拝見してから決めるつもりだ。
棄権はしない。
だって、国の行方を決めるのは、僕たち国民だから。
それに、選挙の経費は、国民が払っているんだから。

総務省によると、前回2014年の衆院選の費用は617億円あまり。
投票用紙や選挙公報の準備、候補者が貼る選挙ポスターの作製、
各地の選挙管理委員会の事務費などに充てられたのは「国の予備費」。
つまり「税金」である。
有権者の数はおよそ1億400万人。
単純に頭数で割ると、1人あたり600円くらいを負担した計算だ。
投票に行かないのは、モッタイナイのである。

そして、忘れてはいけないのはキッカケ。
何でセンキョになったんだっけ?
誰が言い出しっぺで、大金が使われることになったんだっけ?
思い出してみよう。
…全ては、首相が突然解散に打って出たところから始まった。

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近頃の街中スクラップ&ビルド。

2017年10月09日 12時43分43秒 | 日記
拙ブログの主目的は概要にも記してあるとおり「津幡町の記録」だ。
ゆっくりとだが、確実に変わってゆく街の様子を記憶に留めたいと思い、
愛犬との散歩中にシャッターを切っている。
いつの日か、失われた風景の標(しるべ)になれば本望。
…という事で、ここ最近の変遷を2つ紹介したい。

来週「ローソン津幡横浜店」が開店する。
内装仕上げ、物品搬入が行われ、準備も最終段階。
場所は「どんたく津幡シグナス通り店」に隣接している。
かつて、ここには「ベスト電器 津幡店」があった。

およそ1年前、解体工事中の様子。
同店は、現在「加賀爪交差点」角に移転して営業中である。
これからも「街の電器屋さん」として、頑張って欲しい。

続いては「おりはし商店」閉店と新店舗改装。

僕が子供だった頃から、たばこ・日用品の販売や、
クリーニング受入れを商っていた。
自動販売機も充実していたから、散歩中の飲み物補給に重宝した。
特に「ポカリスウェット」「ファイブミニ」「ジャワティー」といった
「大塚アイテム」を木製の赤いベンチに腰掛けていただいたものである。
ついに暖簾を下ろすのかと、残念に思いながら観察してみると、
どうやら取り壊しではなさそうな気配。
きのうの散歩で、後釜が判明した。

理美容関係だ。

経営者は不明ながら、新たな業態の繁盛を願っている。

最後におまけ。

明日・2017年10月10日に公示される
「第48回衆議院議員総選挙」のポスター掲示板。
やがて、作り笑顔の候補者たちが並ぶことだろう。
これもまた期間限定のスクラップ&ビルド。
…日本の政界を巡る動きも「守る」だの「止める」だのと喧しい。
壊すも建て直すも、選ぶのは国民次第。
投票に行こう!
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残酷な顛末と文士の残懐。~ アンデルセン童話・人魚姫。

2017年10月08日 11時31分53秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第六十弾は、アンデルセン童話「人魚姫」。

深い深い海の底。
サンゴに琥珀、真珠や貝殻を集めて造られた美しい宮殿には、
王様と6人の王女たち、年老いた王太妃が棲んでいました。

年若い王女たちは、皆、海の上の人間世界に興味深々。
取り分け、末娘の「人魚姫」は一日千秋の思いを募らせていました。
晴れて浮上が許される15歳の誕生日。
初めて顔を出した海の上では、一隻の船が浮かびパーティーの真っ最中。
「人魚姫」は、会の主役…王子様に一目ぼれしてしまいます。
行方を見守るうちに辺りはすっかり暗くなり、
やがて、闇にも分かる黒雲が沸き上がると、嵐が吹き荒れ、船は木っ端微塵に。
「人魚姫」は、海に投げ出され、気を失った王子様を、浜まで運んであげました。
でも、人魚の身で出来るのはそこまで。 
介抱したのは、地上の娘たち。
どうやら、王子様は本当の救い主に気が付いていないようです。
哀しいけれど仕方がないと諦めて海の底に帰ってからも、彼の事が忘れられません。
…地上に行きたい、人間になって地上で彼と一緒に暮らしたい…。
ついに意を決し、魔女の棲家の門を叩きました。
尻尾を足に変える秘薬を手に入れるために。

魔女の提示した条件は過酷でした。
薬の代償は、美しい声。
転換は一度きりで元には戻らない。
しかも、思いを遂げられなかったら心臓は破裂し、海の泡になってしまう。
「人魚姫」は、それでもいいと思いました。
愛しい人の傍に行けるなら構わないと。

地上の宮殿へ辿り着き、秘薬を口にした途端、激しい痛みに昏倒。
目を覚ますと、そこには王子様が立っていました。
矢継ぎ早に投げかけられる質問に対して、声を失った「人魚姫」は、
愁いを含んだ青い瞳で見つめ返す事しかできません。
王子様は、この不思議な美少女を傍に置き、寵愛しました。
夢は叶ったんです。

ところが、ある時、王子様に縁談が持ち上がります。
お相手は隣国の姫君。
「人魚姫」に心惹かれていた王子様は、乗り気ではありませんでした。
しぶしぶ出掛けた宴席でしたが、運命の歯車は一気に大きく動き出します。
お妃候補は…あの日、砂浜で自分を介抱してくれた娘でした。
そして、盛大な結婚式が執り行われ、ハネムーンクルーズに出発。
船内に充満する祝賀ムードをよそに、涙にくれる「人魚姫」。
そこに5人の姉たちがやってきました。 皆、一様に散切り頭です。
美しく長い髪と引き換えに手に入れた魔女の短剣を渡して、訴えました。
朝陽が空に光を放つ前にコレで王子様を殺せば、元の人魚に戻れる!

ラストチャンスに残された時間は、あと僅か。
初夜の寝床に忍び込み、心臓に狙いを定め短剣を振りかざしますが、
どうしても突き立てる事ができません。
観念し、海に身を投げた「人魚姫」の身体は、
みるみるうちに溶けて泡になってゆきました。

<後略>(※原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン / 粗筋要約:りくすけ)

…ご意見、好みは分かれるだろうが、
個人的にはここで終わればよかったのにと思う。
しかし、前回投稿した「赤い靴」と同じく、
「アンデルセン」は、またも物語に美しいエンディングを与えた。
「人魚姫」を構成していた泡は、精霊となって天に召されてゆくのである。

完成度よりも、道徳・教義を優先した作家の心情を慮る(おもんばかる)と、
悩んだ末に死を選んだ「人魚姫」に重なる。
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残酷な顛末と残念な結末。~ アンデルセン童話・赤い靴。

2017年10月07日 09時48分43秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第五十九弾は、アンデルセン童話「赤い靴」。

昔々、「カーレン」という女の子がいました。
母子家庭の貧しい暮らし向きのため、靴を買う余裕がなくいつも裸足。
見かねた靴屋が、赤い端切れで靴を拵えてくれました。

やがて、体の弱かった母が他界。
告別式当日、棺の後ろに並ぶ彼女の足元は「赤い靴」。
何とも不釣り合いですが、他に履物がないのだから仕方がありません。
しかし、これが怪我の功名につながります。
通りすがりの裕福な老女が、葬列の中の紅一点に注目。
憐憫の情にかられ「カーレン」を引き取ることにしました。

天涯孤独の自分を救ってくれた「赤い靴」を脱ぎ捨てた「カーレン」の境遇は一変。
寝食足り、教育を受け、何不自由ない生活のお陰で、町一番の美少女に成長します。

そんなある日、彼女は靴屋の店先で動けなくなりました。
視線の先には、光を反射し艶々と輝くエナメル革の「赤い靴」。
数年前、王族行幸の折に王女がお召しになっていたのとよく似た逸品でした。
色物が禁じられた大切な宗教儀式へも、お構いなしに履いて出かけ、
保護者の老女が死の床に就いていても「赤い靴」と連れ立って舞踏会へ。

最初は楽しく踊っていましたが、疲れ果て、休みたくなっても、
そのステップは止まりませんでした。
踊りながら会場を飛び出し、往来に出て、森の奥深くへと分け入り、
来る日も来る日も、雨の日も風の日も、昼も夜も踊り続ける「カーレン」。
勿論「赤い靴」を脱ごうとしましたが、ピッタリと張り付いて離れません。
…そして、ついに決心します。
死のダンスから逃れるため、首斬り役人の元へ。

『私は「赤い靴」の虜になり、神様をないがしろにしたうえ、
 恩人を見捨ててしまいました。
 どうかお願いです。 私の足を切り落としてください。
 罪を悔い改めたく存じます。』

懇願は聞き届けられ、か細い足首に斧が振り下ろされます。
「赤い靴」を履いた両足は、去っていってしまいました。

首切り役人に作ってもらった木の義足を付けた「カーレン」は、
松葉杖を突き、街の教会へと向かいました。
そこで、犯した大罪と悪行の報いを人目に晒し、神に救いを求めようと考えたのです。

高熱に耐え、下肢を引きずりながら辿り着いた扉の前には、
あの「赤い靴」が、踊りながら主の到着を待っていました。

<後略>(※原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン / 粗筋要約:りくすけ)

「赤い靴」のお話しはもう少し続く。
「カーレン」は神父の家の下働きとして、祈りと労働に明け暮れる献身的な生活を送り、
その魂は天へと召されてゆくのである。
…美しいエンディング。
だが、取って付けたような、座りの悪さを感じるのは僕だけだろうか。
残酷かつ中途半端に終えた方が、読後の感慨は深まり、想像は広がり、思考する。
物語としては完成度が高いと思えるのだが、
何故、作者は、最後に「救済」を用意したのか?

著された19世紀の常識。
キリスト教の宗教観。
子供向けの読み物。

良くも悪くも、そうした諸々の柵(しがらみ)が反映されたからではないだろうか。
同じ傾向は「人魚姫」にも見て取れるのである。

次回へ続く。

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