津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
今回は一本勝負。
【如月リバーサイド。】
昨日(2022/02/11)に続き、午前を中心に晴天に恵まれた津幡町。
気温が上がるのを待って散歩に出かけた。
目指すは津幡川。
川沿いに舗装道路が整備されて以降、何度も足を運ぶようになった。
吹き抜ける川風を感じ、土手で揺れる草花を愛で、川面の輝きを眺め、
上空を流れる雲に思いを馳せる。
そんなひと時が定番になって久しい。
薄く刷毛(はけ)で掃いたような「巻雲(けんうん)」は、
地表から1万メートル付近に現れる高層雲だ。
ここしばらく見慣れた空 --- 低く垂れこめる雲に覆われたそれとは打って変わり、
実に明るく朗らかな印象。
季節の移ろいを実感する。
集団で土手に陣取り並ぶ鴨たちは、僕が近づくにつれて次々離脱。
派手な羽音・水音を立てて川面に着水してゆく。
日光浴の邪魔をして悪かったね。
年中姿を見かける彼らは、留鳥(とどめどり)の「カルガモ」が主か。
北方から海を越えてきた渡り鳥もいるかもしれないが、
接近を許してくれず、じっくり観察できず判然としない。
川から用水へ若干の水流を認める。
田んぼへ水を引くには、ちと早い。
「水門制御盤」の計器の針を見ると、僅か2センチ程度の開門。
水量の調整をしているのか、試運転でも兼ねているのかもしれない。
そんな事を考えながら、サラサラと微かに聞こえる音を楽しんだ。
春の兆しを思わせる穏やかな陽気ながら、日陰に入ると冷気が居座っている。
コンクリートの隙間に溜まった水に張る薄氷を撮影しようとカメラを向けると、
そこに射す一筋の光。
絵になる偶然に出会い、何だか嬉しくなってしまった。
<津幡短信 vol.98>