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途上国のトイレ問題を考える
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130920/t10014695731000.html
私たちの生活に欠かせないトイレ。
しかし、世界では途上国を中心に多くの人たちが家庭にトイレがないと言われ、衛生面などの問題が指摘されています。途上国でトイレをどう普及させていくか支援の在り方を考えるセミナーが20日、東京で開かれました。およそ25億人は“家庭にトイレがない”
およそ25億人は“家庭にトイレがない”
世界の人口およそ70億人のうち、途上国を中心に今もおよそ25億人もの人たちは家庭にトイレがない生活をしていると言われています。トイレの不備は、子どもたちを中心に、感染症にかかるなど衛生面の問題だけでなく、人としての尊厳や貧困の問題などにも深く関わっていると指摘されています。また、水資源や水辺などの自然環境の汚染にもつながっていて、途上国に限らず、先進国に暮らす人たちにとっても見過ごせない問題だと言われています。
トイレのイメージを変える
途上国でトイレを普及させるにはどうすればいいか。国内外の水に関わる問題の解決を目指しているNPOの「日本水フォーラム」は20日、支援の在り方を考えるセミナーを初めて開きました。東京・霞ヶ関の会場には、企業や大学のほか、在京の外国の大使館などからおよそ100人が集まりました。セミナーには、シンガポールにある“WTO”=「世界トイレ機関」の創設者、ジャック・シム氏が招かれ講演しました。
シム氏は、とかくタブー視されがちなトイレの途上国での普及や衛生面の向上に取り組んでいて、提唱してきた「世界トイレの日」(11月19日)が、ことし、国連総会で正式に承認されました。シム氏は「トイレはイメージが悪く、『行きたい』ということがなかなか言いにくい。それを明るい、いいイメージに変えていきたい」と述べました。
解決の鍵は持続可能性
セミナーでは、アメリカにある世界最大級の慈善団体、「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」の担当者、カール・ヘンスマン氏も、ビデオ会議システムで講演しました。
財団では、世界中の技術者からアイデアを募って、途上国で普及可能な革新的なトイレを生み出すプロジェクトを支援しています。
ヘンスマン氏は「途上国で衛生問題を解決するには、ただお金を出してトイレを作るだけでなく、廃棄物の運搬や処理なども含めた持続可能なシステムを作る必要がある」と述べました。
参加した人たちからは、「持続可能なシステムは、途上国でも都市部がターゲットになっていて、小さな村では導入が難しい」とか「衛生施設の整備には、投資や教育が必要だと思うが、いったい何が大事なのか」といった意見も出て、途上国のトイレや衛生の問題にどう取り組んでいくべきか議論が交わされました。
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http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2289819/2185508
【2007年09月28日 06:12 AFP】(本文追加)シンガポールのジャック・シム(Jack Sim、50)さんは、国際会議などの場で所属組織を名乗ったり、名刺を渡すたびに、必ず笑いで迎えられるという。シムさんは、有名な国連関連機関「世界貿易機関(WTO)」と同じ略称を持つ「世界トイレット機関(WTO、World Toilet Organisation)」の創設者だ。名刺には、便座の形のロゴがデザインされている。
■劣悪なトイレ環境が健康に及ぼす悪影響は「笑い事」ではない
最初は笑ってまじめに取り合おうとしない人も、シムさんの「トイレの話」が冗談ではないことに、すぐに気付かされるという。不十分な公衆衛生施設が、どれほど健康に悪影響を及ぼしているのか、シムさんは豊富なデータで次々に説明していく。
現在、世界人口の40%にあたる26億人が、十分なトイレ設備を利用できない。世界銀行の統計によれば、劣悪な公衆衛生環境が主な原因で、毎年180万人が赤痢で死亡、そのうち160万人が5歳以下の子供だという。また、1億6000万人が、やはり劣悪な環境が原因で寄生虫を抱えているとシムさんは話す。
■世界はトイレについて、もっと語るべき
「我々の『WTO』は、世界のトイレ施設と公衆衛生の改善を主張しています」とシムさんは話す。
「我々の以前には、この問題を世界に訴える組織は存在しなかった。人々はトイレについて語ることは恥ずかしいことだと思っている。子供の時に、母親から『他人に尊敬されたかったら、人前でトイレの話をしてはいけない』と強く言われてきたからだ。
しかし、その結果、トイレについて語ることを避け、誰もがあたかもトイレとは無関係であるかのように振る舞っている。しかし、それは全くの間違っている」
世界的な問題といえば、気候変動とか、エイズにばかり注目が集まっている。シムさんは「もちろんこれらの問題の重要性を否定する気は毛頭ない」としながらも、「劣悪な公衆衛生のために人々が犠牲となっている事実を無視することは出来ない」と主張する。
■世界トイレサミット開催など、積極的な活動を行う
「世界トイレット機関」は、2001年にシンガポールに拠点を置く非営利団体として創設された。「世界の公衆衛生の充実」を目的に、世界42か国の55の組織を傘下に置いている。
柔らかい物腰の中にも鋭いウィットの持ち主のシムさんは、「世界トイレット機関」という名前が、冗談と見なされてしまうことの危険性は十分承知しているという。「『トイレット』を『レストルーム』に変えもっと上品な名前にしたら」という提案もあるという。
しかしシムさんは、誰もが関心を持つ「世界トイレット機関」という名前を武器に、この深刻な問題に関心を抱いてもらうおうとしている。「笑った後、人々は名前を覚えてくれる。『世界トイレ機関』という名前を聞いて、それを忘れる人などいないから」
もう一つの「WTO」は世界の貿易問題を扱っている。「つまり、いずれのWTOも『大小』の問題を扱っている」のだという。
シムさんが「WTO」を組織したおかげで、専門家が出席してトイレに関する問題を討議する「世界トイレサミット(World Toilet Summit)」が、例年開催されるようになった。また、11月9日は「世界トイレの日(World Toilet Day)」となった。シムさんはさらに、「世界トイレ大学(World Toilet College)」の責任者も務めている。(c)AFP/by Martin Abbugao