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2014/07/06 【滋賀県知事選】無所属・三日月大造候補 個人演説会 ~応援弁士 嘉田由紀子知事 武村正義氏 林久美子参議院議員
「もったいない県政」の継承を
はじめに、嘉田知事がマイクを握り、「もったいない県政」と名付けた、自身の8年間を振り返った。「ダムや新幹線の駅、あったらいいけれど、なくてもやれる。もっと人を大事にする政策を、という皆さんの選択で誕生した『もったいない県政』は、無駄な公共事業をカットし、8年間で借金900億円近くを減らした。その分を福祉や教育、環境政策に投資し、貯金は900億円増やした」。「やり過ぎだと言う人もいるが、必要なところにはお金を入れて、暮らしやすくした」と、高速道路や医療施設の充実もアピールし、「だが、私も64歳、孫が5人。そろそろ、この重いバトンを誰かに渡したいと思っていた時、民主党の国会議員を辞めて、勇気を持って立ってくれたのが三日月さんだ」と微笑んだ。「2人で徹底的に話し合い、党派を超えて作ったのが『チームしが』。よびかけ人は、大先輩の武村正義さん。特定の国政政党ではなく、私たちは草の根自治で、滋賀県のことは滋賀県で決める」。このように話した嘉田知事は、「知事というのは、県民はもちろん、県民を取り巻く自然環境まで視野に入れた、大きな愛情が必要な仕事。愛情あふれる三日月さんに太鼓判を押す」と力を込めた。上から目線の政治に「NO」を突きつけてほしい。
次に、林議員が登場した。三日月氏と10年仕事をしたという林議員は、「彼は仕事ができて、正義感が強い。今、議会でのセクハラヤジが問題になっているが、国会も同じ。私が性差別的な発言を受けた時、ほかの男性議員は知らんぷりだが、三日月さんだけは相手に言い返してくれた。クリーンな県政を託せるのは三日月さんしかいない」と話す。さらに、「今、政治がおかしい。集団的自衛権の憲法解釈を、たった19人の閣僚が密室で決めてしまった。数があるから何でも好きにやるという、おごり高ぶった政治ではなく、本来の政治の姿を取り戻したい」と述べ、「草の根の政治を求める滋賀県民の声を、中央に突きつけてほしい。私たちの思いが大事にされる政治を作るために、三日月さんに支援を」と強く訴えた。
原発を動かさなくていいエネルギー社会を
続いて、額に鉢巻き姿の三日月候補が登場した。かつて、武村正義氏が滋賀県知事時代に築き上げたクリーンな県政の流れと、嘉田知事の「もったいない県政」をしっかり受け継ぐことを表明した三日月候補は、政治を志すきっかけとなった大津の中学時代を振り返った。「同和問題などがあり、荒れている友だちが多かった。少しでも学校を良くしたいと、スローガンを作って生徒会活動などを一生懸命やった。生まれたところ、住んでいるところで、若い子の将来が左右されるような差別は許されない。家庭に問題があってもがんばれる、そういう環境を作りたい」。2011年の東日本大震災で、「この国は、どうなるんだろうと思った」という三日月候補。与党民主党の国会議員として、被災地の復旧復興に関するさまざまな法律作りに奔走したものの、政党の違いで法律がスムーズに通らない事態に直面。「政党政治の限界を感じた」と話す。そして、「政党の垣根で物事が決まらない政治ではなく、みんなの力をひとつにしたい。もう1回、この滋賀から新しい政治の流れを作りたいと思い、国会議員の職を辞して、無所属で知事に立候補した」と決意を語った。また、「福井で原発事故があれば、滋賀県は被害地元。一日も早く、原発を動かさなくていいエネルギー社会を、この滋賀から作りたい」と、省エネと再生可能エネルギーの導入に意欲を見せた。さらに、医療体制や教育体制、交通網についてのビジョンを語り、「これらの実現のために、ぜひ、力を貸してほしい。『もったいない県政』を引き継ぎ、草の根自治を守ろうではありませんか」と支持を訴え、会場から大きな拍手と声援を受けた。
東京にペコペコする知事は駄目だ
武村氏が登場し、「40年前の、自分の知事選を思い出す」と話し始めた。武村氏は国政に出る前に、滋賀県知事を3期務めている。「あの時、相手候補から『労働組合や社会党が支持する知事では、中央が補助金を出さない』と言われた。実際には、そんなことはなかった。今回、三日月氏に対しても同様の言説があるようだ。相手候補は東京からやって来た官僚で、安倍さんの肝入りというのが自慢らしい。だが、東京にペコペコする知事では、逆に予算はつかない。堂々と渡り合える知事でなくてはいけない。三日月大造なら、それができる」。さらに、「私も自民党にいたので、悪口は言いたくないが」と前置きして、次のように続けた。「あの党には2つ欠点がある。まず、多数を占めるとあぐらをかくこと。集団的自衛権は悪い見本だ。もうひとつの欠点は、利権体質だ。滋賀県政にも、利権と汚職の時代があった。二度と、そこに戻ってはいけない」。最後に武村氏は、「三日月大造は、嘉田知事が辞めると決めていないうちから『後を継ぎたい』と申し入れた。嘉田知事はびっくりしたらしいが、何度も話すうちに『この人なら任せられる』と惚れ込み、自分の引退と後継者指名を決めたのだ」と明かした。そして、「ぜひ、この男を県政の責任者に」と聴衆に呼びかけた。【IWJテキストスタッフ・奥松】