
+++++++++++++++++++++++++++++++
【赤旗】消費税10% 子育て世代 直撃
月収10万円 耐えられない 水と豆腐で我慢
国民の多くの反対の声に耳を貸さず、安倍政権は10月から消費税を10%に引き上げようとしています。買いだめする余力もないほど“家計の底が抜けている”子育て世代。消費税増税は、経済的に弱い家庭を直撃します。
東京都足立区で、持ち帰り専門の洋菓子店を営むAさん(45)。
小学5年生と2年生の男の子の母親です。3年前にAさんが始めた洋菓子店の収入は「小遣い程度」。
夫は年収170万円程度だったフランチャイズ店舗の店長をやめ、7月に独立したばかり。8月の収入は約10万円でした。
国民健康保険税は子どもの人数分かかり、年収170万円で47万円も取られていました。さらに、2人分の国民年金で36万円も。
「実家にいるので、水光熱費を母に払ってもらっているから暮らせますが、生活費にあてられる貯金の底が見えてきました。必死にためた学費分には手をつけたくない。消費税10%なんて、とても耐えられません」
東京都目黒区のパート社員、Bさん(40)。「消費税が10%になったら、食費を削るしかない。水を飲んだり、豆腐を食べたりして腹を満たすかな。10%がかかる外食は大変なぜいたく、“すごいお楽しみ”になってしまいます」と話します。
現在、家族3人の食費を月3万円に抑えています。小学6年生の一人娘は育ち盛り。1丁19円の豆腐を2丁使って揚げ出し豆腐を作り、おなかいっぱいに。「ポテトチップスは、1袋39円になったセール時にまとめ買いして大事に食べています」
生活切り詰め限界 増税やめさせたい
洋菓子店を営むAさんもパート社員のBさんも、生活を切り詰めています。
軍事費増やす おかしいよね

(写真)「国会を開いて増税を今からでも中止してほしい」と話すAさん
|
Aさんは、休みの日は極力外出を避けています。「子どもは無料の博物館も、おとなは有料なので、子どもと夫にお弁当を持たせ、私は留守番します。映画や家族旅行も、年に1回行ければと思っています」
平日は洋菓子店を閉めて働こうと、面接に行っています。
「消費税を上げる一方で、軍事費を過去最高に使おうとするなんておかしい」と言います。「高齢者にも子育て世代にも全世代にやさしい政治にしてほしい。“もうだまされたくない、増税をやめさせたいね”と、PTAのお母さんたちと話しています」
必死に食費を抑えるBさん。しかし、消費税が10%になる10月を前に、食料品の値上げが続いています。「同じ値段であっても、量が少なくなっていて悲しい」
Bさんは週3、4日パートで働きます。学校が夏休み中はパートを休み、「銀行のお仕事体験」など無料のイベントを探して出かけました。
こうした努力が実り、「ようやく高校卒業までの学費がたまりました。これから大学卒業までの学費をためたい」と話します。

(写真)1駅先の安い八百屋まで歩いていくと話すBさん
|
自身は学費が免除されたおかげで大学を卒業し、何とかここまできました。ところが、安倍政権の高等教育「無償化」策は年収270万円までとされ、子どもが同じように学費が免除される保障はありません。
夫は病気で療養中です。「『大学からは私立でもいいよ』としたいので、教育資金を削るわけにはいきません」
出費を抑えて家から出ない
小3、小1をはじめ、6人の子どもがいる埼玉県ふじみ野市のCさん(27)。生活保護を受けています。
夫は職人で月によって賃金が変動します。国民健康保険料や税金の滞納分も払っており、「食べていくのにやっと」。
6カ月から5歳までの4人の子どもは、幼稚園にも保育園にも入っていません。歩いて行けた公立保育園は廃園になり、入園料が無料の公立幼稚園は同市にありません。「車の免許も3人乗り自転車もないので、4人の送り迎えは無理です」

(写真)洗濯物は大きな送風機で乾かします。「お金がなくて、クーラーは1階にはつけられません」とCさん
|
出費を抑えるために、Cさんと子ども4人は月曜日から土曜日まで日中は家から出ず、子どもはテレビを見て過ごす生活です。
オムツ代の節約のため、オムツ外しのトイレトレーニングを早く始めたいのですが、難航。4歳の子がようやく終わりました。
「家族8人分の洗濯で1日が終わります。オムツや洗剤など、普段の買い物で生活が苦しくなる消費税は上げないでほしい」
(染矢ゆう子)
「負担大きい」 20~40代女性の8割
大手広告代理店、博報堂の調査では、前回(2008年)よりも消費税増税の負担が大きいと答えた人は、「そう思う」「ややそう思う」をあわせると71%に達します。この傾向は男性より女性で顕著で、20代女性で76.7%、30代女性で77.7%、40代女性で81.6%です。
負担意識が高い理由は「以前と比べて、収入が減った/少ないから」がトップ(48%)で生活苦が顕著です。(グラフ右)
2019年9月7日(土)