菅氏、1日307万円×2822日支出
官房機密費の“つかみ金”86億円超
総裁選中もきっちり使う
菅義偉首相が内閣官房長官に在任した7年8カ月余(2822日)で自身に支出した内閣官房機密費(報償費)は86億8000万円超だったことが、本紙が情報公開で入手した資料で判明しました。支出した官房機密費の総額95億4200万円余の90・97%を菅氏は、自身の“つかみ金”として1日平均307万円をつかった計算になります。(矢野昌弘)
昨年8月28日、安倍晋三首相(当時)の突然の辞任表明で、自民党内は総裁選一色に染まります。
菅氏が総裁選への出馬を表明したのは、9月2日のこと。その前日の1日に菅氏は、官邸内にある官房機密費1億3200万円余のうち、9020万円を菅氏自身が自由につかえる領収書不要の「政策推進費」に振り分けました。
本来、官房機密費は「内閣官房の行う事務を円滑かつ効果的に遂行するために、当面の任務と状況に応じて機動的に使用する」経費です。
官房機密費は会計検査院に対しても支出先や目的を明かす必要のない“つかみ金”です。機密費の内訳は「調査情報対策費」「活動関係費」「政策推進費」の3類型に分かれます。このうち「調査情報対策費」と「活動関係費」は、事務補助者が出納管理をします。しかし「政策推進費」は官房長官にお金が渡った時点で“支出完了”となるため、何に使ったかを知るのは官房長官のみ。官房機密費の中でもっとも闇金の要素が強い金です。
菅氏は昨年9月14日に自民党新総裁となり、同16日に首相に指名されます。16日に官房機密費の引き継ぎを行った際には、9月に入ってからの16日間で、4820万円を菅氏が使っていました。総裁選中もきっちり1日平均300万円をつかった計算です。
菅氏が使い残して、年度末に国庫に返納した官房機密費は12年度~19年度分をすべてあわせても40万5000円余です。
1日平均300万円までつかうことが“既得権益”になっていなかったのか―。官房機密費のあり方とともに菅氏の姿勢が問われます。
菅義偉首相は4日、官邸で年頭記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都と埼玉、千葉、神奈川3県の首都圏を対象にコロナ特措法に基づく緊急事態宣言発令の検討に入ると表明した。週内にも発令する見通しだ。観光支援事業「Go To トラベル」の全国一時停止措置が11日で期限を迎えることに関し「緊急事態宣言となれば再開はなかなか難しい」との認識も示した。コロナのワクチン接種は、できる限り2月下旬までに開始すると明言した。
幕間の休憩?1991 TBS武田信玄1 役所広司 当時CMそのまま