3日(水曜日)
今日は一人でルート開拓に行くことにした。
ぶら下がって鋭利な工具を使うため、安全を考え一人。といえば聞こえがよいが・・・・
三つ子ハングに一人で取り付くのは今回で3度目。
開拓は遅々として進まない。理由は南面のため、クラックに多くの草木が詰まっているからである。加えて、夏は暑くて取り付けないの
である。
結果が伴わないと、当然、気分はのってこない。そして、内なる声が聞こえてくる。残り少ない時間。こんなことをしてる場合だろうか
と。ボルダーやショートルートのほうが楽だし、楽しいんじゃないかと。ろくにクライミングをやっておらず、持久力、パワー共に落ち
に落ちているこの頃にだけに、その声は当然大きくなる。その反面、開拓は今しかできないという思いもある。別に焦りはないのだが。
どちらに傾くかは天秤任せ。一人のときは前の日に決めたりする。その天秤、最近、きわめてその振りが鈍くなってきたような気がする。
そんなことを道中に考えながら比叡の駐車場に着くとクライマーは誰も来てはいない。紅葉シーズンの秋晴れの日に誰もいないのは不思
議な気もするが、週半ばの祝日が影響しているのだろうか。開拓に入る身にとってはそれは良い事ではあるが。一人で壁に取り付いてい
る姿はあまり見られたくはない。
車を降りると休憩を取る間も惜しんで準備にかかる。
一人のため、アプローチを考え最小の道具をザックに詰めたが60Lのザックにやっと入るほど。担ぐと肩に食い込む。
歩くこと牛歩以下。�峰奥壁取付まで30分。上部の稜線まではおよそ1時間10分かかった。
作りかけたいるルートは右上したクラックのラインと真ん中の直上ライン。
早めの昼食後、懸垂でぶら下がり、終了点直下からクラックの掘り出しにかかったが、びっしりと木の根が張り付いており、時間がかかる。
鋸、鍬、アイスハンマーをとっかえひっかえひたすら掘るも埒が明かない。3mほど掘ったところで、強力な助っ人と工具の必要を感じ、
今日のところはこれまでと諦めることにした。
そして、前回途中まで見た直登のラインを見るために懸垂で下ってみた。
掘り出したクラック。まだほんの一部だ。
下はこんな状況。先が思いやられる。
こちらは直登ライン。垂直に近いだけに大きな木はないが
それでも処理に時間がかかりそう。
前回、絶望的だと思っていた二つ目の凹角状のルーフまで下りてじっくり観察すると、可能性を見出すことが出来た。しかし、かなり悪い
のは確か。
コーナーのルーフ。右の壁にスメアを利かせられそうだが、
微妙なムーブを強いられそうだ。
出口近くに小さなカムをかませられるが、
その下はクラックはない。
少しは気をよくして、さらに下がり、取り付きのルーフまで行くと、そのルーフは3m近く張り出しており、クラックは走っていない。中
間部になんとかカムをかませられるリスがあるだけである。ほぼ絶望的に思われる。
取り付きのルーフ。上がったところが垂直の凹角
やってみなければ分からないが、可能性は極めて低い。
ルーフを2段下がった場所は当然、空中懸垂。これから開拓道具をぶら下げてのユマーリングをしなければならない。日が暮れるまでに稜線
にたどり着かなければと思うが、疲れもあって、思うようにスピードが乗ってこない。
2ピッチのユマーリングをこなして稜線に上がったのは5時半であった。すぐにザックに荷物を積め、ヘッドランプを点けて歩き出したが、
稜線上の道は自然に還っていて獣道の様相。行きつ戻りつしながら帰りは1時間を越える行程となった。
あくる朝。
疲れから逆に良く眠れなかった。そして、肩、腰、足が重く、しばらくは四つんばいになったまま床から離れることができず、そのままの
姿勢でいると、その重みがそっくり片方の天秤に加わったのを自覚した。
今日は一人でルート開拓に行くことにした。
ぶら下がって鋭利な工具を使うため、安全を考え一人。といえば聞こえがよいが・・・・
三つ子ハングに一人で取り付くのは今回で3度目。
開拓は遅々として進まない。理由は南面のため、クラックに多くの草木が詰まっているからである。加えて、夏は暑くて取り付けないの
である。
結果が伴わないと、当然、気分はのってこない。そして、内なる声が聞こえてくる。残り少ない時間。こんなことをしてる場合だろうか
と。ボルダーやショートルートのほうが楽だし、楽しいんじゃないかと。ろくにクライミングをやっておらず、持久力、パワー共に落ち
に落ちているこの頃にだけに、その声は当然大きくなる。その反面、開拓は今しかできないという思いもある。別に焦りはないのだが。
どちらに傾くかは天秤任せ。一人のときは前の日に決めたりする。その天秤、最近、きわめてその振りが鈍くなってきたような気がする。
そんなことを道中に考えながら比叡の駐車場に着くとクライマーは誰も来てはいない。紅葉シーズンの秋晴れの日に誰もいないのは不思
議な気もするが、週半ばの祝日が影響しているのだろうか。開拓に入る身にとってはそれは良い事ではあるが。一人で壁に取り付いてい
る姿はあまり見られたくはない。
車を降りると休憩を取る間も惜しんで準備にかかる。
一人のため、アプローチを考え最小の道具をザックに詰めたが60Lのザックにやっと入るほど。担ぐと肩に食い込む。
歩くこと牛歩以下。�峰奥壁取付まで30分。上部の稜線まではおよそ1時間10分かかった。
作りかけたいるルートは右上したクラックのラインと真ん中の直上ライン。
早めの昼食後、懸垂でぶら下がり、終了点直下からクラックの掘り出しにかかったが、びっしりと木の根が張り付いており、時間がかかる。
鋸、鍬、アイスハンマーをとっかえひっかえひたすら掘るも埒が明かない。3mほど掘ったところで、強力な助っ人と工具の必要を感じ、
今日のところはこれまでと諦めることにした。
そして、前回途中まで見た直登のラインを見るために懸垂で下ってみた。
掘り出したクラック。まだほんの一部だ。
下はこんな状況。先が思いやられる。
こちらは直登ライン。垂直に近いだけに大きな木はないが
それでも処理に時間がかかりそう。
前回、絶望的だと思っていた二つ目の凹角状のルーフまで下りてじっくり観察すると、可能性を見出すことが出来た。しかし、かなり悪い
のは確か。
コーナーのルーフ。右の壁にスメアを利かせられそうだが、
微妙なムーブを強いられそうだ。
出口近くに小さなカムをかませられるが、
その下はクラックはない。
少しは気をよくして、さらに下がり、取り付きのルーフまで行くと、そのルーフは3m近く張り出しており、クラックは走っていない。中
間部になんとかカムをかませられるリスがあるだけである。ほぼ絶望的に思われる。
取り付きのルーフ。上がったところが垂直の凹角
やってみなければ分からないが、可能性は極めて低い。
ルーフを2段下がった場所は当然、空中懸垂。これから開拓道具をぶら下げてのユマーリングをしなければならない。日が暮れるまでに稜線
にたどり着かなければと思うが、疲れもあって、思うようにスピードが乗ってこない。
2ピッチのユマーリングをこなして稜線に上がったのは5時半であった。すぐにザックに荷物を積め、ヘッドランプを点けて歩き出したが、
稜線上の道は自然に還っていて獣道の様相。行きつ戻りつしながら帰りは1時間を越える行程となった。
あくる朝。
疲れから逆に良く眠れなかった。そして、肩、腰、足が重く、しばらくは四つんばいになったまま床から離れることができず、そのままの
姿勢でいると、その重みがそっくり片方の天秤に加わったのを自覚した。
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