中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

江南の旅 -径山寺-

2006-10-23 13:46:25 | 中国のこと
 杭州の東北に隣接している余杭(Yuhang)はかつては市であったが、現在は杭州市に属していて余杭区になっている。この余杭の山中、杭州から車で2時間足らずの所に、万寿禅寺、古名を径山寺(Jingshansi)言う唐代に建立された禅宗の古刹がある。京都の五山の1つである東福寺と縁が深く、毎年東福寺から10人くらいが参詣に訪れるそうである。それほど大きな寺ではないが、落ち着いたたたずまいで静かな雰囲気だった。日本から訪れたある僧は徒歩で帰る時、先人が歩いた道を辿っているのだと言って涙を流したと言う。

山門。中国の寺は山門や土塀を黄色く塗っている。




大雄宝殿(本殿)


山門に対面する九龍壁


 この寺がある付近は古くからの茶の産地で、径山茶、別名を径山香茗と言う。産出量は多くないようで、杭州でもあまり売られていないと言う。径山寺では南宋の時代に茶会が盛んに行われ、その形式が日本に伝えられたと言う。いわば日本の茶道の発祥の地と言うわけだ。

 径山寺からの帰途に茶の生産農家があったので、そこで径山茶を試飲してから買った。茶葉は大きく日本の茶とは形状が違うが爽やかな味である。中国茶と言うと烏龍茶と思う人はまだかなりいるようで、中国の観光地のみやげ物店などでも、日本人と見ると烏龍茶を勧めることが多い。実際には中国人が飲むのは圧倒的に緑茶が多く、400以上の銘柄があると言われている。浙江省は特に有名な茶が多い。杭州の龍井茶(Longjingcha)は中国十大銘茶の筆頭に挙げられている。この径山茶も浙江十大名茶と称している。