中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

日本初飛行の日

2010-12-20 11:57:26 | 身辺雑記

 昨日1219日は「日本初飛行の日」とされている。1910(明治43年)のこの日、東京・代々木にあった陸軍の練兵場で、陸軍の徳川好敏大尉がフランス製複葉機アンリ・ファルマンで3000mを飛行し、また日野熊蔵大尉もドイツ製単葉機ハンス・グラーデで700mの飛行に成功したのが、日本で最初の動力飛行機による飛行だった。その日から今年はちょうど100年になる。当時のものは、飛行機と言っても写真を見ると、背景に目を向けなければ、私たちが子どもの頃に作ったも竹ひご、紙貼りの模型飛行機と見まごうようなものだ。

 

 徳川大尉の飛行機 

 

 日野大尉の飛行機

 

 実はそれより前の1214日に日野大尉は飛行距離25m、2回目は60mの飛行に成功しているのだが、これは初飛行とは認められていない。「飛行」とは翼の揚力が機体の重量を定常的に支え、操縦者が意のままに機を操縦できる状態を指すと定義されていて、日野の場合は「飛行」ではなく「ジャンプ」であって、航空力学的にも初飛行とは言えないのだそうだ。 

 

 米国のライト兄弟が世界初の動力飛行に成功したのは1903年で、それから7年後には日本でも初飛行が行われたのだから、僅かの間に世界に広まったものだと思う。明治43年と言えば、私の父が5歳の時、母が生まれる前年で、ずいぶん昔のことのように思えるが、反面、父母の一生を思うとそれほど遠い昔には思えないこともある。しかし、飛行機のこの100年の進歩を思うと、技術というものはいったん端緒につき、それが人間にとって有益なものと認められると急速に進歩するものだと分かる。今世界の空を飛び回っている巨大なジェット旅客機やヘリコプターなどの多種多様な飛行機を見ると、100年の間にこれほど進化したとは思えないくらいだ。日進月歩の進歩とはこういうものなのだろう。

 

 

 

 

飛行機に限らず、今の私達の周囲には、車、テレビ、コンピューターなど短い期間に急速に進歩し、生活に貢献しているものがいろいろある。どれも人類に大きな恩恵を与えているものだが、反面人間の知恵と技術は大は核兵器、小はクラスター爆弾など大量破壊や、残虐な殺傷の武器の発達にも「貢献」している。人間は過去からそうだったが、これからもこのようなことに知恵を絞ることは止められないものなのだろうか。