中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

性犯罪の防止

2011-02-12 12:15:50 | 身辺雑記

 宮城県は、性犯罪の再犯のおそれが高い元受刑者の行動をGPSで監視する条例の制定を検討しているようだが、これに関連して県知事が「日本は犯罪者の監視が遅れていて、健全な国民をいかに守るかに力を入れるべきだ」と述べたというニュースがあった。

 

 性犯罪などから女性や子どもを守るため、警察などが、再犯のおそれが高いと判断した元受刑者に、GPS受信機を持たせて行動を監視するなどとした条例の制定を目指している。これに関して開かれた会議では学識経験者人権侵害のおそれがあるといった批判的な意見も出されたとのことだ。県内や国内からも賛否の両論が寄せられていると言う。

 

 反対論としては、「前歴者とはいえ、基本的人権は守られるのが当然。反省して二度と性犯罪に手を染めない人もいる」、「監視対象にされることで家族が社会的いじめに遭う」、「警察に強大な権力を与えることは危険」「ゆくゆくは性犯罪者以外にも監視が及ぶのではないか」などのようだ。仙台弁護士「憲法に抵触する恐れがある」として条例制定に反対する会長声明を出した。性犯罪前歴者の監視は「既に刑を終えた人に新たな刑を科すことに等しい」と、憲法が禁止する二重処罰に当たるとの主張のようだ。


 これに対して賛成者の意見は、「犯罪(前歴)者の人権も守る必要はあるが、それ以上に市民の安全が守られるべきだ」、「監視されていると思えば再犯抑制につながる。加害者を救うことにもなる」、「前歴者の教育や矯正も重要だが、現実に再犯は後を絶たない」、「女児、小学生を持つ親は(犯罪に巻き込まれる)心配を抱えている」として、「被害者の立場を優先すれば必要な施策」と評価している。

 

 前にも書いたが、法務省が公表した「平成22年版犯罪白書」によると、殺人、傷害致死など重大事件で服役した人のうち、出所後10年以内に31%が再犯に及んでいて、再犯率は殺人が17.2傷害致死32.9強盗39.1強姦38.5放火26.1%だった。また29人が出所後1カ月未満で次の犯行に手を染めていたという。特に強姦と強盗での再犯率が高い。

 

 性犯罪者は痴漢も含めて、性に対する病的嗜好があるのではないか。強姦の再犯率が高いのも、刑務所で過ごしたからと言ってその病的嗜好が簡単に収まるものではないのだろう。それに日本では性犯罪に対する刑罰が軽すぎるのではないか。性犯罪に対する最も重い強姦罪は3年以上の有期懲役で、よほど多くの婦女子に対する犯行があった場合には20年、30年の刑ということもあるが、多くは短期間で社会復帰する。性犯罪そのものが卑劣極まるものだが、とりわけ被害者の女性に、時には生涯消えない心の傷を負わせる強姦という行為は、もっともっと重い刑罰を科すべきだ。私はこれまでにも強姦罪に対しては、「宮刑」を課すべきだと言ったことがある。極論、暴論と批判されるだろうが、かなり本気のつもりだ。

 

 人権というものはもちろん尊重され、守られなければならないが、悪質な性犯罪者については、病的であると専門家が慎重に判定すれば、刑期を終えた後でも監視することは当然なのではないか。加害者の人権に目を向けるのも結構だが、人権などを塵芥のように踏みにじられる被害者がまた出る恐れがあることを、いわゆる識者達はどう考えるのか。