私は少年期を戦争末期、戦後の食糧難の時代に過ごしたせいか、口がいやしいようで、食べ物には興味がある。とりわけ、このあたりでは珍しい食べ物をインタネットの通販などで知ると取り寄せたりする。最近も秋田の郷土食にギバサというものがあることを知り、取り寄せてみた。
ギバサは褐藻類のホンダワラ科の海藻で、正式にはアカモクと言い、北海道から鹿児島までの日本各地の沿岸に生育し、生命力が強く、長くなると7メートルにもなると言う。ギバサと言うのは秋田での呼び名で、山形ではギンバソウ、新潟ではナガモ、山陰地方では神馬草と呼ぶそうだ。秋田、山形、新潟、岩手、宮城、京都府、福岡などで好まれて食用にされているようだ。
アカモク(海藻海草標本図鑑より)
パッケージのラベルには、「酢醤油、酢味噌、又はたまり醤油に七味トウガラシを少々入れてかきまぜてください」とある。たまり醤油で食べてみたが、口に入れるとかすかに海苔のような香りがあるが、ほとんど無味無臭だ。ヤマノイモに、これも秋田特産の「とんぶり」(ホウキグサの実)を混ぜたような食感で、噛むと小さい粒がプチプチと潰れる。熱いご飯にかけて食べれば美味いのではないかと思う。
とんぶり(Wikipediaより)
ノンカロリーであるが、ポリフェノールやフコイダン各種のミネラルを豊富に含み健康に良い食品として注目されているとのことだ。