中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

街で

2011-02-17 10:48:48 | 身辺雑記

 近くのJRの駅にあるエキナカスーパーの喫茶室でコーヒーを飲みながら本を読んでいると、向かいの席に30歳そこそこの母親と幼い男の子が向かい合わせに座って、母親はコーヒーを、男の子は水を飲みながら菓子パンを食べていた

 

 男の子は3歳になろうかという感じで、色白の丸顔で目が小さく、とても可愛かった。もっと可愛く思ったのは母親と話しているその様子で、見た感じの年のわりにはよく口が立つようで、パンを食べながら、絶えず一心に母親に話しかけている。母親は無口のようだったが、それでも男の子の言うことにはうなずいて、小さな声で何か言っていた。話している内容はあまりよく分からなかったが、聞こえてくる男の子の声はあどけなく、これまたとても可愛い。あまり可愛い様子なので、思わず本を読むのを止めてその様子に見とれてしまった。見ていると自然に笑みが出て、何度も「可愛いなあ」と呟いた。

 

 途中で母親のコーヒーのカップに手を伸ばし、母親がカップを男の子の口元に持っていった。男の子は香りを嗅いだだけでカップを戻したが、「コーヒーのにおいをかいでごらん。いいにおいだよ」と言った。母親は男の子の言うとおりにコーヒーカップにちょっと鼻を近づけた。何気ない親子の遣り取りが何とも微笑ましく。ああ、きっと優しい母親なのだろう、だからこの子はこんなに無邪気で可愛いのだろうと思った。

 

 やがて食べ終わると男の子は椅子から降りた。すると母親は席に戻るようにという仕草をし、男の子が戻ると両手を合わせて「ごちそうさま」と言うと、男の子はそれに習って手を合わせ「ごちそうさま」と言った。若いが、ちゃんと子どもの躾ができている母親なのだろう。男の子は席を降り、母親のそばを通る時に「パンはおいしかったね」と呟くように言ったのがまた可愛く思った。

 

 親子が出て行く後ろ姿を見送りながら、街に出ると時々こういう心温まるような場面に出会うからいいと思った。男の子の可愛い声と顔は、今も心に残っている