教室・自然いろいろブログ

グループ彩雲の創作活動と身近な自然の観察記録

ツチハンミョウに出会いファーブル昆虫記を読みなおす

2019年04月28日 | 生き物

4月中旬。八重桜が花開き始めた頃歩いた森で素敵な出会いがありました。


黒っぽく青緑色に輝く昆虫。一瞬マイマイカブリかと思いました。


体長20mmちょっと。2匹います!
両方動き回っており、右下の個体は目を離したら見えなくなってしまいました。

もしかしてっ!
しゃがんで観察すると


ツチハンミョウの成虫でした!やった~!
私の中ではレアな虫でまだ2回しか会ったことがありません。撮影撮影!

母虫は数千個という膨大な数の卵を土の中に産み、約一か月後
孵化した幼虫は地上に出ると花のてっぺんによじ登ります。
そして目当てのハナバチがやってくるのをひたすら待つのです。


触覚の途中にハート形の部分があるのでオスのようです。
それにしても変わった色形。腹部には細かいシワがより皮が薄そうです。

目当てのハナバチが幼虫のいる花に飛んできたらその体にしがみついて
巣に連れて行ってもらい、母ハナバチが産んだ卵にとりついて
まず卵を吸い脱皮。その後ハナバチが我が子のために用意した蜜を吸い
変わった変態を重ねてハナバチの巣の中で成長していきます。

ツチハンミョウは生き残る確率が極端に低いからこそたくさんの卵を産むのですね。
ファーブル昆虫記のツチハンミョウの過変態の項を読み直して
感動もひとしおとなりました。


桜の花びらと比べてツチハンミョウの大きさがおわかりになるでしょうか。
メスも近くにいたのかな。。交尾が見れたらよかったのにと思いますが
成長できた彼らに会えただけで運がよいのですね。

蛹になるまで脱皮するたびに姿がまったく変わるけれど
中身は変わっていないという「過変態」。
子供の頃読んだはずなのにまったく覚えていなかった。。
今あらためて読むと嬉々として歩き回り地面を這うファーブルの姿が
見え、感動が伝わってきます。


接写しようとしたら死んだふりをしました。
でも触れることはご法度。カンタリジンという毒をもっていることは
知っていたので気を付けました。

ツチハンミョウに近い仲間に


このマメハンミョウがいます。こちらもまだ3回しか会ったことが
ありませんが、成虫がダイズやアズキ、ジャガイモやナスなどを食害
するということで畑の近くに多いのかもしれません。
この虫も寄生者で幼虫がイナゴの卵を食べて育つそう。
危険を感じるとカンタリジンを分泌するのも同じです。

名前は似ているのにまったく違う種なのが


ハンミョウ。こちらは成虫も幼虫もアリなどを襲う肉食昆虫。
そろそろ出現するころですね。

久しぶりにツチハンミョウに出会ったおかげでファーブル昆虫記を
読み返し図書館で他の本も借りてきて。。ちょっと楽しいお休みです。





コメント (2)
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