Sさんの新作日本画を2点続けてご紹介いたします。
日本画 F6
巧みにしつらえられた藁囲いのもと可憐に咲く寒牡丹。土、葉、
花びら、藁それぞれの質感を大切にしながら細やかに表現された
作品は凛として生命感に満ち、冬の澄んだ空気を感じさせます。
近づいてみました。
特に時間をかけたのは密にしげる葉。岩絵の具を根気よく重ねつつ
花の紅色が映える階調に整えました。藁や地面の小石も画面を明るく
華やかに演出しています。繊細な描写で趣深い作品となりました。
2点目です。
日本画 F6
ほの暗い林で出会った新旧の竹のなかで注目したのは露出した根。
瑞々しい新葉や若竹、枯葉や切り株と対比させ伸びやかに構成し
大地をとらえ広がる竹の底知れぬパワーを鮮やかに表現されました。
近づいてみました。
竹林の奥深さと力強さが出るよう背景の濃鼠色をしっかり塗り重ね
堅牢な下地をつくりました。優れた観察眼で得たさまざまな気づきを
根気強く緻密に表した作品は静かで熱く、思わず引きこまれます。
どのモチーフを描いても明るく透明感あふれるSさんの過去の作品は
HP「上郷森の家絵画教室及川みほクラス」の“作品集”の中の
Sさんのページに制作順に掲載されています。
ぜひこちらもご覧下さい。