教室・自然いろいろブログ

グループ彩雲の創作活動と身近な自然の観察記録

ツシマトリノフンダマシがモンクモバチに!

2022年07月26日 | 生き物

夕暮れ、前出のサラサヤンマを超える衝撃の出会いがありました。
ナナホシテントウにそっくりな真っ赤なクモがいたのです!

足元に広がるオオバコを何気なく見ていたら


低いところを黄色っぽい何かが飛んでいる。。

近づくと


クモバチらしき蜂が丸い朱色のものを運んでいました。


運んでいるのは大きめのテントウムシ?ひょっとしてオオキンカメムシとか!
でもクモバチの仲間なら運んでいるのはクモのはず。

走り寄ってよくよく見ると


赤いクモ!それもトリノフンダマシのような!

撮影画像を拡大して確かめた途端、初見の珍しい生き物だとわかり
このめったにない出会いに舞い上がりました。

でもクモバチに運ばれているということは
クモは毒を注入され麻痺して動けなくなっているはず。


葉から葉へ、クモバチは赤黒クモを引きずるように運んでいきます。


途中、獲物のクモを置いて触覚のメンテナンスをし始めました。

動きがとまったのをいいことに近づきながら撮影していると


不穏な空気。。ハチはこちらをじっと見つめ今にも飛びかかってきそう。。

クモバチに刺されると猛烈に痛い、と読んだことがあったので
今更ながら危険を感じ、数枚撮影後3mほど離れました。


それでもクモバチは気になるようで、獲物を葉の上に残したまま
飛び去りました。その際私の周りをグルグル飛んだので緊張しました。

ハチがその場から離れ、もうこんなチャンスはないと思い
赤いクモを接写することに。


おお。。ナナホシテントウのような赤地に黒の斑点!直径7㎜ほど。

嬉しくなり思わずその場で「赤黒 トリノフンダマシ」で画像検索。
すると〝ツシマトリノフンダマシ”がヒット。南方系の希少種だそう。
トリノフンダマシを捕らえたハチはモンクモバチのメスのようです。


葉を動かして横にしてみると、わずかに脚が動きました。
麻痺しているだけで生きているのですね。


腹側から。ツシマトリノフンダマシのメスで間違いないようです。

ふたたび羽音がしたのであわててその場を離れると


モンクモバチがツシマトリノフンダマシのもとへ舞い戻ってきました!


顔をツシマトリノフンダマシに近づけて何か確かめています。

その様子を離れた所から撮影していたのですが、ハチはやはりこちらが
気になるよう。またクモをその場に置いたまま飛び去り、オオバコの
葉の間をうろうろ。。

オオバコの葉陰のどこかに巣穴があって、そこに麻酔をかけた
ツシマトリノフンダマシを運び込み卵を産み付けたいのでしょう。
その様子を見届けたかったのですが、すでにかなり邪魔をしているので
諦めました。


後日この場所に行ってみるとモンクモバチが2匹飛んでいました。
このハチはコガネグモ科の中型種や大型種の未成熟個体を狩り
巣は草間など見えにくい場所に掘るそうです。

ツシマトリノフンダマシもまだこのあたりにいるにちがいない!
そう思うといつもの散歩コースがバラ色に見えてきました。


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